報道発表資料

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2023年03月27日
  • 大気環境

令和4年度冬の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果について

 1.環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染、環境保全の重要性について関心を深めていただくことに加え、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)として活用していただくことを目指し、平成30年度から夏と冬の星空観察を推進しています。
2.今回、冬の観察期間(令和5年1月12日(木)~同年1月25日(水))で実施したデジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。
■ 趣旨
環境省では、屋外照明による光害を防止することが重要になってきていること等を踏まえ、平成30年度から星空公団との共同で夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。この調査が継続されることで、地域における光害や大気汚染の状態に関する啓発材料として、積極的な活用が期待されます。また、星空観察は、大気環境保全の重要性について関心を深めていただく良い機会となるだけでなく、星空を地域資源として宿泊客の誘致に活用するなど、地域づくりにも貢献することが期待されています。
この度、令和4年度の冬期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査概要
(1) 観察期間と観察時間
令和5年1月12日(木)~ 同年1月25日(水)
日没1時間半後~日没後3時間半の2時間
(例:日没17時の場合/18時30分~20時30分)
(データ報告期間は、令和5年1月12日(木)~ 同年2月14日(火))
(2) 調査方法
デジタルカメラを用いて天頂付近の星空を撮影し、その画像データから「夜空の明るさ」(星空の見やすさ)を測定しました。具体的には、(1)の観察期間中に、全国各地の調査参加者により所定の条件下で撮影された天頂付近の星空の画像データを、報告サイトを通じて環境省に送付していただき、画像解析によって「等級(mag/□”):(マグニチュードパー平方秒角)」を単位とする「夜空の明るさ」を求めています。この値が大きいほど夜空が暗いことを示し、星が見えやすい状態になります。
※ 夜空の明るさを測る単位及び測定方法は、参考資料(添付「夜空の明るさについて」)を御覧ください。

  調査結果
(1)実施状況
表1:令和4年度冬期観察参加状況
データ投稿総数 500件
    有効データ数(注1)       409件
      継続観察登録地点(注2)におけるデータ投稿総数 278件
          継続観察登録地点における有効データ投稿数 236件
投稿のあった継続観察登録地点 174地点
投稿のあった継続観察登録地点の参加者内訳    団体110団体    
個人64名
(注1) 有効データとは、投稿されたデータ(総数 500 件)から、雨天、観察時間外、観察期間外、カメラ設定が極端に異なるデータ等を除いたもの。
(注2) 継続観察登録地点とは、平成30年度から実施している「夜空の明るさ」調査において、継続的に同じ撮影場所で観察(夏冬)を実施する方を対象に、
環境省が一つの撮影場所につき一つの番号を発行し、継続的なデータの蓄積を行っている地点のこと。

表2:継続観察登録地点の登録の推移
  H30夏 H30冬 R1夏 R1冬 R2夏 R2冬 R3夏 R3冬 R4夏 R4冬
継続観察登録
地点総数
91
地点
282
地点
317
地点
345
地点
348
地点
357
地点
367
地点
382
地点
385
地点
389
地点
令和4年度冬期観察における継続観察登録地点の新規登録については、登録地点数の少ない県のみ申請を受け付けました。(別紙1参照)

(2)結果の概要
①「夜空の明るさ」等級ごとの件数
表3:「夜空の明るさ」等級ごとの件数(有効データ)
 
等級(mag/□”)
(※夜空の明るさ目安)
有効データ投稿数 継続観察登録地点に
おける有効データ投稿数
21以上
(天の川の複雑な構造が確認でき、星団などの観測ができる)
52件 43件
20以上~21未満
(山や海などの暗さ、天の川がよく見られる)
181件 115件
19以上~20未満
(郊外の暗さ、天の川が見え始める)
91件 32件
18以上~19未満
(住宅地の明るさ、星座の形がよく分かる)
44件 20件
17以上~18未満
(市街地の明るさ、星座の形が分かり始める)
38件 25件
17未満
(都市部の明るさ、星はほとんど見られない)
3件 1件

 
409件 236件

















※ 星空公団提供資料(個人差があります) 
※ 継続観察登録地点のうち、天の川が見えやすいと考えられる 20 等級以上であった 99 地点につい ては、別紙2を参照。 

②継続観察登録地点における地域区分ごとの「夜空の明るさ」等級
表4:継続観察登録地点における地域区分ごとの「夜空の明るさ」等級(有効データ)
地域区分 件数 平均値(mag/□”)
(小数点第3位を切り捨て)
最大値(mag/□”) 最小値(mag/□”)
住宅地域 54 件 19.12 21.23 17.28
商業地域 15 件 18.13 20.42 16.19
農業地域 34 件 20.28 21.47 17.97
森林山間地 57 件 20.73 21.42 19.30
自然公園等 52 件 20.46 21.59 17.18
工業地域  1 件 18.65 18.65 18.65
その他 23 件 20.61 21.49 18.88
  236 件      

③ 地域区分ごとの「夜空の明るさ」等級の割合(単位:等級(mag/□”))
※ 小数点以下第1位を四捨五入しているため合計は必ずしも、100%とならない場合があります。

■ その他
(1)星空公団による「デジカメ星空診断」
デジタルカメラによる夜空の明るさ調査は、星空公団と共同で実施しています。
星空公団では、環境省が昭和63年から平成24年まで25年間にわたって続けてきた全国星空継続観察が休止となった後、その代わりとなる夜空の明るさ観察を実施してきました。詳細は、星空公団ウェブサイトを御確認ください。
https://dcdock.kodan.jp

(2)環境GIS
令和4年8月5日より、国立環境研究所環境GISで、平成30年度から行われているデジタルカメラによる夜空の明るさ調査について、継続観察登録地点の調査結果を表示しています。
https://tenbou.nies.go.jp/gis/




 

連絡先

環境省水・大気環境局 大気環境課大気生活環境室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8298
室長
水原 健介
室長補佐
猪岡 貴光
担当
佐藤 眞菜

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