報道発表資料

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2023年02月28日
  • 地球環境

環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業における「ソケットSPAR」概念設計基本承認(AiP)の取得について

 環境省では、発電所・工場等から排出されるCO2を分離・回収し、資源として有効利用する、又は地下へ貯留するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization or Storage)技術の検討を目的に、「環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業」を実施しています。
 本事業において、分離・回収されたCO2を液化して海域貯留サイトまで海上輸送し、海上から直接海底下の貯留層へ圧入するシステムの実現に向け、洋上圧入浮体である「ソケットSPAR」の概念設計を実施し、一般財団法人日本海事協会から基本承認(AiP: Approval in Principle)を取得いたしましたので概要をお知らせします。
■ 事業概要
 環境省では、カーボンニュートラルの実現に向けて、徹底した省エネルギーや、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組みつつ、CO2を回収し地中に貯留する回収・有効利用・貯留(CCUS)の技術確立等を目的に、「環境配慮型CCUS一貫実証拠点・サプライチェーン構築事業」に取り組んでいます。
 本事業において、14機関から構成されるコンソーシアムが主体となり、環境影響に配慮しつつ、CO2分離・回収技術の実証、輸送・貯留技術の検討を行い、それらの結果を踏まえて我が国に適した円滑なCCS導入手法を取りまとめることとしています。
 
■ CO2の洋上からの圧入
 我が国でCCSを実施する場合、CO2の貯留可能性の高い場所が海域に多く、火力発電所などの大規模なCO2の排出源も沿岸部に多いため、海底下への貯留が適していると考えられます。また、水深が深く急峻な海域の多い我が国においては、海底パイプラインによる貯留が困難な貯留地も存在します。そのため、CO2の排出源と貯留地の組合せの自由度が高く、水深が深く急峻な海域での貯留に対応可能なCO2の海上輸送・貯留システムを確立することを目指して検討を行っています。
 今般、輸送・貯留システムの実証の一環として、圧入設備としての洋上浮体「ソケットSPAR」の概念設計を行い、基本承認(AiP)を取得しました。本設備は、洋上から海底下の貯留層へのCO2圧入作業が可能な浮体設備として開発をしており、その構造により洋上でのCO2圧入作業に要求される安定性と優れた低動揺性能を確保しています。
 
【ソケットSPAR】
 
【ソケットSPARによる洋上圧入】
 
■ 今後の予定
 CCUSの早期社会実装を目指し、CO2分離回収設備の運用実績や輸送・貯留システムの評価実績等をもとに、CCUSの実用展開のための一貫実証拠点・サプライチェーンの検討に向けた取組を進めてまいります。

連絡先

環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8339
室長
松﨑 裕司
室長補佐
堀井 龍
担当
高木 寛人