報道発表資料

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2022年12月26日
  • 保健対策

令和4年度スギ雄花花芽調査の結果について

 今般、本年度のスギ雄花(おばな)の花芽(はなめ)調査の結果が取りまとまりましたので、お知らせします。
 本年のスギ雄花の着花量(ちゃっかりょう)については、東北北部と四国の一部では前年より少なくなりましたが、東北南部から九州にかけての多くの地域ではスギ雄花が前年より多くなっています。

※令和5年1月19日(木)、1.(2)本年度のスギ雄花花芽調査の結果(赤字箇所)及び添付資料「令和4年度スギ雄花花芽調査結果」(赤字箇所)を訂正いたしました。

1.令和4年度スギ雄花花芽調査の結果

(1)スギ雄花花芽調査について

 春に飛散するスギ花粉は、スギ雄花の着花量(花粉生産量)に大きく依存します。環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から毎年スギ雄花花芽調査を行い、その結果を林野庁の調査結果と合わせて公表することで、国民の皆様にスギ花粉の飛散予測のための参考情報として御活用いただいています。
 スギ雄花の生育は、前年夏(6月~8月、特に花芽が分化する6月)の気象条件に大きな影響を受け、夏の日照時間が長く気温が高い場合には、スギ雄花の着花量が多くなり、翌年春の花粉飛散量も多くなります。また、花粉飛散量が多い年の翌年はスギ雄花の着花量が減少するという傾向が見られます。

(2)本年度のスギ雄花花芽調査の結果

 本年11月から12月にかけて、スギ雄花花芽調査を実施した結果、本年のスギ雄花の着花量については、本年春(2月から4月)に花粉が例年より多く、6月の日照時間が平年より少なかった東北北部と四国の一部では前年より少なくなりましたが、東北南部から九州にかけての多くの地域では前年より多くなっています。
 例年と比較しても東北北部と四国の一部でやや少なくなっていますが、その他の地域は例年と同じか例年より多くなっています。特にここ数年スギ雄花が例年より少なかった関東、北陸、中国地方でスギ雄花が例年よりかなり多くなっています。
 特に関東、北陸、近畿、中国地方などでは平成24年から令和3年までの10年間のスギ雄花の最大値を超える観測値が報告されています。これらの地域では令和5年春の花粉飛散数が極めて多くなる見込みです。
 また、関東ではヒノキの雄花も極めて多いことが報告されています。ヒノキ花粉の飛散開始はスギ花粉より1か月ほど遅いためにヒノキ花粉の多い地域では花粉の飛散期間が長くなる可能性があります。
※観測地一覧
 東北地方:青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県
 関東地方:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
 北陸地方:新潟県、富山県、石川県、福井県
 東海地方:静岡県、愛知県
 近畿地方:京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
 中国地方:岡山県、島根県、鳥取県、広島県、山口県
 四国地方:香川県、徳島県、高知県、愛媛県
 九州地方:福岡県、大分県
※本調査は各県の特定の地点で観測したものであり、全ての都道府県で観測を行ったものではありません。観察外のスギ林の状況によっては、各地方の観測結果が異なる可能性があります。

2.花粉症対策について

 花粉症の症状を軽減するためには、花粉へのばく露を避けることが重要です。このための基本的な対策には、以下のものが挙げられます。
・マスク、メガネを着用する。特にマスク内側に当てガーゼを付けると効果が高い。
・換気時にはレースのカーテン等で遮るとともに、開窓を10cm程度にとどめる。
・掃除をこまめに行い、掃除機だけでなく、濡れ雑巾やモップによる清掃を行う。
・洗濯物は屋内に干す。
・毛織物の衣類ではなく、ポリエステルや綿製品で起毛のない衣類を着用する。

3.その他

 環境省では、花粉に関する情報をウェブページで公開しています。このウェブページでは、花粉症に関する最新の知見を紹介する「花粉症環境保健マニュアル」や、各自治体のウェブページをはじめとする花粉に関するリンク集などを掲載し、随時更新していく予定ですので、御活用ください。
【環境省花粉情報サイト】
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html

連絡先

環境省大臣官房環境保健部環境安全課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8261
課長
髙澤哲也
課長補佐
中川正則
課長補佐
坂本和嘉子
主査
梅田直暉