報道発表資料

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2025年08月29日
  • 地球環境

インド政府と二国間クレジット制度(JCM)構築の協力覚書に署名し、脱炭素事業によるカーボンクレジットの創出に向けた協力を開始しました

<外務省、経済産業省同時発表>
 
1.  2025年8月7日、小野啓一駐インド特命全権大使とインド環境森林気候変動省Tanmay Kumar次官との間で、パリ協定第6条に沿って両国の企業や政府が技術や資金の面で協力して対策を実行し、得られるGHG削減・吸収量を、両国の貢献度合いに応じて配分する仕組みである二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)の構築に関する協力覚書が署名されました。
 
2.  2025年8月29日に開催された日印経済フォーラム(India-Japan Economic Forum)にて、浅尾環境大臣が基調講演を行い、JCMも有効活用して、日印両国の連携による気候変動対策と脱炭素技術の展開を推進する旨を述べました。
 
3.  同日、日本・インド両首脳から発表された日印共同声明や今後10年に向けた日印共同ビジョン等においても、二国間クレジット制度(JCM)に関する協力覚書の署名を歓迎し、両国政府が協力してJCMを活用した二国間の気候変動対策を推進する旨が盛り込まれました。また、日本・インド両首脳立ち合いのもと、浅尾慶一郎環境大臣とシビ・ジョージ駐日インド共和国大使の間で、JCM協力覚書の文書交換を行いました。
 
4.  今後、両国の企業が連携し、具体的なJCMプロジェクトの実施が進み、市場メカニズムを活用して民間資本も呼び込みながら、急速な経済成長と気候変動という人類共通の課題解決を同時実現するモデルケースになるよう、環境省としても、経済産業省をはじめとする関係省庁やJCM実施機構(JCMA)とともに、インド政府と緊密に連携し、JCMの円滑な運営と成果の最大化に取り組んでまいります。


2025年8月7日JCM協力覚書署名の様子
 
2025年8月29日 日印経済フォーラムでの浅尾環境大臣の基調講演の様子
 

■ 日本インド間のJCM協力覚書への署名について

 2025年8月7日、小野啓一駐インド特命全権大使とインド環境森林気候変動省Tanmay Kumar次官との間で、二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)の構築に関する協力覚書が署名されました。
 インド政府は、既に国際協力により進める脱炭素化の重点分野を発表しており、その中にはCBG、再生可能エネルギー由来の水素、アンモニア、排出量の多い産業のトランジション、CCSなど、日本企業が貢献できる分野が多数含まれています。
 日本のJCMパートナー国はインドで31番目であり、インドにとってパリ協定に沿った二国間協力は日本とのJCMが初めてとなります。今般のJCMの構築は、排出超大国において、市場メカニズムも使って巨額の民間資本も呼び込みながら急速な経済成長と社会環境上の課題の解決を同時実現するモデルケースになることが期待されます。

【協力覚書の概要】
○ パリ協定の2度目標と1.5度努力目標を追求し、気候変動への対処における二国間協力を強化するため、日本国政府及びインド共和国政府(以下、個別に「政府」といい、「両政府」と総称する。)は二国間クレジット制度(JCM)を創設する。

○ 両政府は、パリ協定6条2で言及される協力的な取組に関する指針に適合して、JCMの下での排出削減及び吸収から発行されるJCMクレジットの一部を、国際的に移転される緩和成果として、日本の国が決定する貢献(NDC)の達成に利用できること、及び当該JCMクレジットの残余がインド共和国のNDCの達成に寄与することができることを相互に確認する。

○ 両政府は、JCMの透明性及び環境十全性を確保し、JCMを簡素かつ実用的なものに維持する。

※ 協力覚書の詳細については別添を御参照ください。

【JCMの概要】
 パリ協定第6条に沿って、日本とパートナー国の企業や政府が技術や資金の面で協力して対策を実行し、得られるGHG削減・吸収量を、両国の貢献度合いに応じて配分する仕組み。経済産業省・外務省・農林水産省・環境省が連携して政府一体で制度を運営しており、すでに、エネルギーや廃棄物など、多様な分野で、これまでに約270件の事業を実現しており、本年4月には、法律に基づく指定実施機関も立ち上げて、プロセスの加速化にも取り組んでいるところです。

※ JCMパートナー国:モンゴル国、バングラデシュ人民共和国、エチオピア連邦民主共和国、ケニア共和国、モルディブ共和国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、インドネシア共和国、コスタリカ共和国、パラオ共和国、カンボジア王国、メキシコ合衆国、サウジアラビア王国、チリ共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国、フィリピン共和国、セネガル共和国、チュニジア共和国、アゼルバイジャン共和国、モルドバ共和国、ジョージア、スリランカ民主社会主義共和国、ウズベキスタン共和国、パプアニューギニア独立国、アラブ首長国連邦、キルギス共和国、カザフスタン共和国、ウクライナ、タンザニア連合共和国に続き、インド共和国は31か国目となります。

※ 日本政府指定JCM実施機構 (JCMA)
 改正地球温暖化対策推進法に基づき、二国間クレジット制度(JCM)に関する指定実施機関として、公益財団法人地球環境センターが指定され、日本政府指定JCM実施機構(JCM Implementation Agency : JCMA)が2025年4月1日に発足しました。
 https://gec.jp/jcm/agency/
※ 二国間クレジット制度(JCM)の概要と最新動向:日本語版
 https://www.env.go.jp/content/000331238.pdf

■ 日印経済フォーラム(India-Japan Economic Forum)について

 2025年8月29日に開催された日印経済フォーラム(India-Japan Economic Forum)にて、浅尾環境大臣が基調講演を行い、JCMも有効活用して、日印両国の連携による気候変動対策と脱炭素技術の展開を推進する旨を述べました。
 浅尾環境大臣スピーチ抜粋
「~日本にとって、インドは31番目のJCMパートナー 国となり、インドにとっては日本とのJCMがパリ協定に沿った初の二国間協力になります。インドは、人口は世界で最も多く、温室効果ガスの排出は世界で第3位になります。このように、特に大きな排出削減のポテンシャルがあるインドにおいて、JCMを活用し、市場メカニズムを通じて巨額の民間資本も呼び込みつつ、持続的な経済成長と社会環境上の課題解決を同時実現するモデルを作っていければと考えています。」

■ 日印共同声明等について

 2025年8月29日、日本・インド両首脳から発表された日印共同声明や今後10年に向けた日印共同ビジョン等においても、二国間クレジット制度(JCM)に関する協力覚書の署名を歓迎し、両国政府が協力してJCMを活用した二国間の気候変動対策を推進する旨が盛り込まれました。
 
【参考】 地球温暖化対策計画(令和7年2月閣議決定)におけるJCMの目標等
  https://www.env.go.jp/earth/ondanka/keikaku/250218.html 
 グローバルサウス諸国等への脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等 の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への我が国の貢献 を定量的に評価するとともに、我が国の NDC の達成に活用するため、JCM を構築・ 実施していく。このような取組を通じ、官民連携で 2030 年度までの累積で、1億 t-CO2 程度、2040 年度までの累積で、2億 t-CO2 程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目標とする。(中略)
 JCMを活用した緩和対策促進に向けて、第一に、プロジェクト開発ソーシングの領域・規模・ルート等の拡大に取り組む。分野・領域について、制度開始以来多数の案件を稼働させている省エネルギー・再生可能エネルギー・廃棄物分野に加え、農業・泥炭地管理などの非エネルギー分野の排出削減、CCS、さらに、削減のみならず温室効果ガス除去など幅広い分野・領域へと拡大を図るとともに、特に、削減ポテンシャルの大きい案件の発掘・形成に優先的に取り組む。そのためにも、政府資金によるプロジェクト支援と併せて、民間資金を中心とするJCMプロジェクトについても、官民の幅広い関係機関等とも連携しつつ、国も技術面やMRVなども積極的に支援し、拡大・加速させる。パートナー国についても、削減ポテンシャル等も加味しつつ、戦略的に新規開拓を進める。
 第二に、担い手となる政府関係者・事業者等の能力向上に取り組む。具体的には、パリ協定6条実施パートナーシップ(A6IP)等を通じたパートナー国の理解増進や事務能力向上の支援や、我が国民間企業によるパリ協定第6条(市場メカニズム)及びそのガイダンスの趣旨(環境十全性など)への認識の醸成、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)やG7等の国際枠組みを通じたカーボンマーケットに関する知見や経験の共有に取り組む。
 第三に、事業運営の効率性の向上や必要な体制・インフラの整備に取り組む。具体的には、改正地球温暖化対策推進法に基づき指定実施機関を立ち上げ、プロジェクト管理及びパートナー国との各種ガイドラインや規則等の改定や合同委員会等によるクレジット化手続に係る運営実施の効率と実効性を高める。これを通じて、JCMの実施体制の強化を図り、世界における更なる温室効果ガスの排出削減・吸収を進める。関連して、クレジット発行量や口座開設者の増大を見据え、セキュリティを十分に確保し強靱で利便性の高い登録簿システムの整備を進める。

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
室長
辻 景太郎
室長補佐
木滑 黄平
担当
飯野  暁
担当
島野 侑加