報道発表資料

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2025年07月31日
  • 保健対策

第19回日中韓化学物質管理政策対話の結果について

  1.  2025年7月17日(木)・18日(金)に、第19回日中韓化学物質管理政策対話を山形県山形市で開催しました。
  2.  専門家会合では、生態毒性試験に関する共同研究や、リスク評価の研究的側面に係る事項(構造活性相関モデル、初期リスク評価の枠組み、動物福祉を考慮した魚類の代替試験法、内分泌かく乱物質の評価手法、複合ばく露によるリスク評価手法等)についての情報・意見交換を行いました。
  3.  また、政府関係者による政府間事務レベル会合では、各国の化学物質管理政策の最新動向、重点課題や重点項目、国際的な枠組みへの対応等について情報・意見交換を行うとともに、次期5か年行動計画について我が国が主導して議論を行い、基本合意がなされました。
  4.  次回は、2026年に韓国(釜山)で開催する予定です。

これまでの経緯

 2006年12月に開催された第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM8)において「化学物質管理に関する政策や規制に関する情報交換の推進」について合意されたことを受け、2007年から日中韓化学物質管理政策対話(以下「政策対話」という。)を開始しました。昨年度までに日中韓の持ち回りで計18回開催しています。
 今年は、第19回会合を2025年7月17日(木)・18日(金)に山形県山形市において開催し、各国の化学物質管理政策の最新動向、重点課題や重点項目、国際的な枠組みへの対応、生態毒性試験に関する共同研究、リスク評価の研究的側面に係る事項等のトピックを中心とした情報・意見交換を行うとともに、次期5か年行動計画案について我が国が主導して議論を行い、基本合意がなされました。

開催の概要

日  時:2025年7月17日(木)・18日(金)
場  所:ダイワロイネットホテル山形駅前(〒990-0038 山形県山形市幸町2-9)及び
     山形テルサ(〒990-0828 山形県山形市双葉町1-2-3)
参 加 者:
 〇 日本
   環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課 塚田 課長 他
   国立環境研究所環境リスク・健康領域   山本 領域長
                  同    菅谷 客員研究員 他
 〇 中華人民共和国(中国)
   生態環境部固体廃棄物化学物質局化学物質課 Director Mr. Du他
   生態環境部固体廃棄物化学物質管理センター Deputy Director Ms. Lu他
   生態環境部南京環境科学研究所 Research Director Ms. Wang他
 〇 大韓民国(韓国)
   環境部環境健康局化学物質政策課 Deputy Director Mr. Seol他
   環境部環境健康局化学物質安全課 Deputy Director Mr. Kim
   国立環境研究院環境リスク研究課 Director Mr. Seo他

政策対話の結果

(1)専門家会合(非公開)

日 時: 2025年7月17日(木) 10:00~13:40
会 場: ダイワロイネットホテル山形駅前 3階会議室
出席者: 26名(日中韓の専門家及び政府関係者等)
内 容: 
 日中韓の専門家により、①生態毒性試験に関する共同研究や、②リスク評価の研究的側面に係る事項(構造活性相関モデル、初期リスク評価の枠組み、動物福祉を考慮した魚類の代替試験法、内分泌かく乱物質の評価手法、複合ばく露によるリスク評価手法等)について、情報・意見交換を行いました。
 共同研究については、日韓からタマミジンコ属(Moina macrocopa)を用いたミジンコ繁殖試験に関する研究の進捗状況を報告しました。中国からは、complexing substanceを対象としたミジンコ急性遊泳阻害試験及びdegradable substanceを対象とした魚類急性毒性試験を、新たな3か国の共同研究とすることが提案されました。今年度中に、具体的な物質や試験法の案が中国から提示され、この案をもとに今後専門家が実施について検討を行うことに合意しました。

(2)政府間事務レベル会合(非公開)

日 時: 2025年7月17日(木) 14:40~18:20
     2025年7月18日(金)  9:00~12:00
会 場: ダイワロイネットホテル山形駅前 3階会議室
出席者: 26名(日中韓の政府関係者及び専門家等)
内 容: 
 日中韓の政府関係者及び専門家により、①各国の化学物質管理政策の最新動向、②重点課題や重点項目、③次期5か年行動計画、④国際的な枠組みへの対応等について情報・意見交換や議論を行いました。
 日本からは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)における審査及びリスク評価の状況や課題、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律に基づく化学物質排出移動量届出(PRTR)制度の状況、PFASや自然再興(ネイチャーポジティブ)、化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)、化学物質、廃棄物及び汚染に関する政府間科学・政策パネル(ISP-CWP)に係る取組等について、中国からは新化学物質環境管理登記弁法(中国REACH)の概要や最新動向、非動物試験法の適用、代替物質の評価手法等について、韓国からは化学物質管理法(CCA)や化学物質の登録及び評価等に関する法律(K-REACH)等の概要や最新状況、改正等について説明が行われました。
 また、日本から2026年から2030年までの新たな5か年行動計画案を提示し議論を行いました。日中韓の情報交換及び共同研究等の取組が有意義であり今後も政策対話を継続するという共通認識の下、本計画案について3か国で基本合意がなされました。会議後に細部の表現について調整を行った上で、採択される予定です。

(3)日中韓の化学物質管理政策に関する公開セミナー(公開)

日 時: 2025年7月18日(金) 14:00~16:40
会 場: 山形テルサ 3階アプローズ
出席者: 約700名(現地参加者及びオンライン参加者合計)
     (日中韓の民間企業を中心とした一般参加者及び
      第4回環境化学物質合同大会への参加者)
内 容: 
 対面講演方式を基本としつつ、オンライン参加も可能なハイブリッド方式で、日中韓それぞれの化学物質管理政策の説明が行われました。①日本からは、ISP-CWPやGFCに係る取組、化審法における審査及びリスク評価の状況や課題、PFASへの対応等について、②中国からは、新化学物質環境管理登記弁法(中国REACH)の概要や最新動向等について、③韓国からは、化学物質管理法(CCA)や化学物質の登録及び評価等に関する法律(K-REACH)等の概要や最新状況、改正等について、説明が行われました。それぞれの発表について参加者からの質疑を受け、活発な情報交換がなされました。

次回開催予定

次回の政策対話は、2026年に韓国(釜山)で開催する予定です。

連絡先

環境省 大臣官房 環境保健部 化学物質安全課 化学物質審査室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8253
課長
塚田 源一郎
室長補佐
塚崎 和佳子
担当
西出 朱里
担当
岩田 智秀