報道発表資料
環境庁は、ダイヤモンドグレース号原油流出事故に伴う水質等への影響を把握するため、総量規制地域において毎年実施している広域総合水質調査を活用し、千葉県、東京都及び神奈川県と連携しつつ、油及び油処理剤による汚染状況を調査したところ、水質等の結果は全般的にほぼ通常レベルとなっており、事故の油及び油処理剤による影響はうかがえなかった。
1 調査目的7月2日に発生したダイヤモンドグレース号原油流出事故に伴い、東京湾の水質等環境への影響が懸念されることから、東京湾内における水質及び底質の汚染状況の調査を 行い、環境への影響を把握する。
2 調査時期
平成9年8月6日(水)及び7日(木)
3 調査地点
東京湾内の調査地点(水質15地点、底質3地点)(地図参照)
4 調査項目
(1)水 質
ア 油分(ノルマルヘキサン抽出物質)
[調査には、重量法、ヘキサン抽出蛍光光度法を使用]
イ 油処理剤(非イオン界面活性剤)
ウ その他 通常調査項目(COD、溶存酸素、全窒素、全燐等)
※一部調査地点では、プランクトン調査を実施。
(2)底 質
ア 油分(脂肪族炭化水素)
イ その他 通常調査項目(COD、全窒素、全燐、硫化物等)
5 調査結果
(1)水質(上層)
ア 油分(ノルマルヘキサン抽出・重量法)
測定した全15地点で環境基準(検出されないこと=0.5mg/l未満)を達成した。
(参考)
微量分析が可能なノルマルヘキサン抽出・蛍光光度法で測定したところ、最大でも 0.0024 mg/lの値であった。
イ 油処理剤(非イオン界面活性剤)
測定した全15地点で検出されなかった(0.5mg/l未満)。
(2)水質(下層)
ア 油分
微量分析が可能なノルマルヘキサン抽出・蛍光光度法で測定したところ、最大でも 0.0020 mg/lの値であった。
イ 油処理剤(非イオン界面活性剤)
測定した全15地点で検出されなかった(0.5mg/l未満)。
(3)底質(脂肪族炭化水素)
測定した3地点では、29~290 mg/kgの値であったが、過去のデータと比較してほぼ同程度の値であった。
(4)その他
COD等の環境項目、プランクトン数では、過去のデータと比較してほぼ同程度の値であった。
(参考)
各地点における測定結果 |
水 質 | 底 質 | ||
上 層 | 下 層 | ||
油分重量法 | 0.5 mg/l 未満 | ||
〃 蛍光光度 | <0.0001 ~ 0.0024 mg/l | 0.0001 ~ 0.0020 mg/l | (脂肪族炭化水素) 29 ~ 290 mg/kg |
油処理剤 非イオン界面活性剤 |
0.5 mg/l 未満 | 0.5 mg/l 未満 | |
COD | 2.8 ~ 5.4 mg/l | 0.6 ~ 5.0 mg/l | ―――――― |
プランクトン | 総個体数 468 ~ 9,539 個/ml 主な優占種 Micro-flagellates Cerataulina pelagica Skeletonema costatum |
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野 浩(内線6640)
総量規制室
室長 望月 時男( 〃 6641)
担当 櫻岡 裕之( 〃 6645)