報道発表資料
環境庁は、ダイヤモンドグレース号原油流出事故に伴い、7月16日に東京湾内の主な環境基準点において、水質及び底質の油汚染状況等の調査を実施した。
その結果、水質については原油の漂着しなかった東京湾奥部を中心に油分(油成分)が微量検出されたが、ほぼ通常レベルとなっており、油の拡散・分解が急速に進んでいることがうかがえた。
今後とも、引き続き水質等の監視が重要と考えられる。
1 調査目的その結果、水質については原油の漂着しなかった東京湾奥部を中心に油分(油成分)が微量検出されたが、ほぼ通常レベルとなっており、油の拡散・分解が急速に進んでいることがうかがえた。
今後とも、引き続き水質等の監視が重要と考えられる。
本年7月2日に発生したダイヤモンドグレース号原油流出事故に伴い、東京湾の水質及び底質への影響が懸念されることから、東京湾内における水質及び底質の油汚染状況等の調査を緊急に行い、原油による水質及び底質への影響を把握する。
2 調査(採水)時期
平成9年7月16日
3 調査地点
東京湾内の主な環境基準点 計15地点(別添地図参照)
4 調査項目
(1) 水質
【油関連項目】
○油分:n-ヘキサン抽出物質(重量法)、ヘキサン抽出物質(蛍光光度法)
○重油含有成分:多環芳香族炭化水素、有機硫黄化合物
○非イオン界面活性剤
【環境基準項目】
○生活環境項目:COD、溶存酸素、全窒素、全りん、
n-ヘキサン抽出物質(上述)
【その他】
○水温、プランクトン、全有機炭素
(2) 底質
【油関連項目】
○油分:脂肪族炭化水素
○重油含有成分:多環芳香族炭化水素
【その他】
○泥温、含水率等
5 調査結果
(1) 水質
ア 油分等
○ | 油分の指標となる項目のうち、水質環境基準生活環境項目であるn-ヘキサン抽出物質(基準値:検出されないこと)については、原油の漂着しなかった。 東京湾奥部の1地点以外では検出されなかった(定量下限:0.5mg/l)。 なお、検出された成分を分析したところ、ほとんど鉱質由来のものではなかった。 |
○ | また、微量分析が可能な蛍光光度法(クリセン標準)で分析したところ、極微量の油分(0.0001~0.0009mg/l)が確認された。 |
イ 重油含油成分
○ | 重油含有成分のうち、多環芳香族炭化水素については、原油の漂着しなかっ
た東京湾奥部を中心に微量(ベンゾ(a)ピレン濃度で0.0006~0.0021μg/l)ながら確認された。 [参考:WHO飲料水ガイドライン値 0.7μg/l] |
○ | 有機硫黄化合物については、検出されなかった。 |
○ | 非イオン界面活性剤は、原油の漂着しなかった東京湾奥部を中心に微量(0.005~0.055mg/l)ながら確認された。 |
ウ 環境基準項目その他
○ | 生活環境項目やプランクトン数については、今回の事故について特段の影響は認められなかった。 |
(2) 底質
○ | 油分(脂肪族炭化水素)は、8.1~200mg/lで、過去のデータとほぼ同様の数値となっている。 |
(参 考)
表-1 水質のベンゾ(a)ピレン濃度分布
0.0005μg/l未満 | 0.0005~0.001μg/l | 0.001~0.01μg/l | 0.01μg/l以上 | |
全体(地点数) | 9 | 2 | 4 | 0 |
表-2 水質の非イオン界面活性化剤濃度分布
0.0005μg/l未満 | 0.0005~0.001μg/l | 0.001~0.01μg/l | 0.01μg/l以上 | |
全体(地点数) | 11 | 3 | 1 | 0 |
添付資料
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野 浩(内線6640)
補佐 西嶋 英樹(内線6643)