報道発表資料

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2008年05月16日
  • 総合政策

平成20年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」選定結果について(お知らせ)

 環境省は、本年3月に、持続可能なアジアの実現に必要な次世代型人材の育成に向けて、「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン」を策定しました。このビジョンの具体化に向け、平成20年2月28日~4月11日にかけ、平成20年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」を公募しました。
 合計35大学の応募があり、有識者からなる検討会による審査の結果、本年度事業として6件の事業(提案者:茨城大学、東京大学、慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)、信州大学、中部大学、高知大学)を採択しました。これらの事業はいずれも、日本の大学・大学院が、企業、行政、NPOやアジアの大学等と連携・協働し、環境人材を育成する実践的なプログラムを開発・実証するものです。
 大学院向けのプログラムとしては、ものづくり中小企業活動のグリーン化やCDM等の低炭素化事業を担う環境人材の育成プログラム(グリーンMBA/MOT)、アジアの大学・大学院と連携して里山等の伝統的な循環・共生型社会モデルをアジアに発信するプログラムなどを採択しました。また、学部生向けのプログラムとしては、地域で活躍するNGO/社会起業家の育成を目指す環境人材育成プログラムなどを採択しました。
 環境省では、関係省庁との連携のもと、これらの採択事業を中心に、アジアにおける持続可能な発展を担う人材を育成する「アジア環境人材育成イニシアティブ」を展開していきます。

1 背景

 アジアの急速な経済成長・工業化に伴う環境問題と資源消費等への対応や、長期的な視点で低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現による持続可能な社会づくりが強く求められている今日、これらを担う人材が強く求められています。また、日本政府の提案に基づき、2005年からの10年が「国連持続可能な開発のための教育の10年(ESDの10年)」と位置づけられ、世界各国で持続可能な社会づくりに取り組む人材育成が進められています。日本では、「わが国における『国連持続可能な開発のための教育の10年』実施計画」(平成18年3月関係省庁連絡会議決定)に基づき、ESDの10年の初期段階の重点的取組事項として高等教育機関でのESDの取組が位置づけられました。さらに、昨年6月に閣議決定された「21世紀環境立国戦略」において国際的に活躍する環境リーダー育成イニシアティブをアジアにおいて展開していくことが盛り込まれました。
 これを受け、環境省では「日本を含むアジアにおいて自らの体験や倫理感を基盤とし、環境問題の重要性・緊急性について自ら考え、各人の専門性を活かして職業活動や市民生活等を通じて持続可能な社会づくりに取り組む強い意志を持ち、行動する人材(環境人材)」の育成に必要な方策を検討し、「持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョン」(「環境人材育成ビジョン」)を本年3月に策定しました。

2 事業の目的

 企業活動、社会制度、技術開発のグリーン化を担う人材(環境人材)を育成するための大学におけるモデルプログラムを開発するものです。社会の環境人材ニーズに応えるため、企業や行政、NGO等の環境人材の受入側と大学が連携・協働して実践的な環境人材育成プログラムを開発・実証することが特徴です。

3 審査の概要

応募件数:
35件
採択件数:
6件
公募期間:
平成20年2月28日~4月11日
審査方法:
有識者からなる検討会を設け、厳正な審査により選考。
検討委員:
庄子 幹雄(マサチューセッツ工科大学客員教授)
廣野 良吉(成蹊大学 名誉教授)
安井 至(国連大学 名誉教授)

3 採択事業

※ 採択理由、事業概要は別添1、概要図は別添2参照

(1) 茨城大学
「アジアのサステイナビリティを担う環境人材育成のための大学院教育プログラム-俯瞰力と人と環境を結ぶ実践力を備えた地域リーダーの育成」
(2) 東京大学
「日本・アジアSATOYAMA教育イニシアティブ」
(3) 慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)
「『低炭素社会デザインコース』(仮称)創設事業」
(4) 信州大学
「グリーンMOT(技術経営)教育プログラムの推進」
(5) 中部大学
「環境と開発のためのリーダーシップ:NGOと大学による参加型カリキュラム開発ネットワークの形成と実施」
(6) 高知大学
「環境人材育成のための社会協働教育プログラムの開発」

4 今後の予定

 環境省は、今回採択された事業を支援するとともに、今回は不採択であったが更なる検討をされる大学など、国内外の幅広い大学、企業、NGO/NPO、行政、国際機関等と連携しながら、産学官民連携コンソーシアムの構築支援やアジア環境大学院ネットワーク(ProSPER.Net:Promotion of Sustainability in Postgraduate Education and Research Network)構築支援等のアジア環境人材育成イニシアティブを展開していくこととしています。

5 「アジア環境人材育成イニシアティブ」ウェブサイト

(1)概要

 アジア環境人材育成イニシアティブのプロセス・成果等の情報を提供するウェブサイトを開設しました。今後も、環境人材育成に興味を持つ大学、企業、NGO/NPO、行政、国際機関の関係者の方々の活動に役立つ情報を提供していく予定です。

(2)URL

https://www.env.go.jp/policy/edu/asia

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境経済課環境教育推進室
直通:03-5521-8231
代表:03-3581-3351
室長:出江 俊夫(6240)
補佐:中島 恵理(6267)
担当:白石 賢司(6272)
担当:武藤 文(6272)

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