報道発表資料

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1999年07月19日

港湾審議会第169回計画部会について

運輸省において、平成11年7月19日(月)午後1時30分より、港湾審議会第169回計画部会が開催され、八戸港をはじめとする4港湾の港湾計画の改訂等について審議がなされた。当庁は、当該審議会の委員として、環境保全の観点から意見を述べた。

1.上程された港湾計画の概要

港 湾 名 種 別 港 湾管
理者
将来取扱貨物
量(目標年次)
主な改訂等の内容
八戸港 改 訂 青森県 3,460万トン
(平成20年代
前半)
・水深14m岸壁1バースの整備
・水深12m岸壁1バースの整備
・水深7.5m岸壁1バースの整備
・耐震強化岸壁(130m)の整備
・小型船だまりの整備
・緑地(4.9ha)の整備
・廃棄物処理用地(8.1ha)、廃棄物処理・活用用地(29.1ha)
の位置づけ
伏木富山港 改 訂 富山県 1,500トン
(平成20年代
半ば)
・水深12m岸壁4バースの整備
・水深10m岸壁1バースの整備
・水深7.5m岸壁1バースの整備
・小型船だまりの整備
・緑地(1.6ha)の整備
・海浜(500m)の整備
新居浜港 改 訂 新居浜港
務局
940万ト

(平成20
年代前半)
・水深12m岸壁1バースの整備
・水深7.5m岸壁1バースの整
備 ・水深5.5m岸壁1バースの
整備
・小型さん橋の整備
・小型船だまりの整備
・廃棄物受入空間(15.9ha)の確
和歌山下港
一部変更 和歌山県   ・水深14m岸壁2バースの整備
・廃棄物処理・活用用地(35.7
ha)の位置づけ
・ふ頭用地(33.6ha)の整備
・交通機能用地(6.9ha)の整備
 

2.環境庁意見

【新居浜港】

1.周辺海域においては、現時点において全窒素、全リンに係る環境基準が達成されて いない地点があることから、本計画の実施にあたっては、周辺海域の環境保全に協力 されたい。

 

2.本計画の具体化に際しては、瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきとされる 「瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく埋立ての基本方針」の趣旨を踏まえ、廃棄物 処理用地が効果的に利用されるよう、関係機関に対し、廃棄物の発生抑制等の積極的 な取組みを要請されたい。
また、廃棄物処理用地からの浸出水、排出水による水質汚濁に対する方策を講ずる よう事業者に要請されたい。

 

3.港湾背後地においては、将来とも、ほとんどの地点で道路交通騒音に係る環境基準 を超過すると予測されており、また、現況では、複数の地点で要請限度を超過してい る。港湾管理者におかれては、交通流分散に資する背後道路整備を関係機関へ要請す るとともに、関係機関と協力しつつ、港湾関連交通の誘導等により港湾関連物流の合 理化を推進し、環境負荷の低減に努められたい。

【和歌山下津港】

本港沖地区の埋立て計画については、瀬戸内海国立公園の特別地域に隣接しているこ とから、特別地域内の重要な視点場である雑賀崎地区から望見した紀淡海峡から太平洋 にかけての景観を保全するよう、港湾審議会第164回計画部会において、当庁より景 観の保全の観点から意見を述べたものである。
港湾管理者におかれては、当該審議会の答申も踏まえて、埋立地の形状や配置等に関 し所要の検討をされたものと十分認識している。しかしながら、計画の具体化に際して は、以下の事項に十分配慮されたい。

 

1.本埋立地の整備にあたっては、修景効果に十分配慮し、緑地の高さ、樹種の選定等 を十分検討するとともに、護岸構造等についても周辺環境に調和するよう検討された い。

 

2.瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきとされる「瀬戸内海環境保全特別措置法 に基づく埋立ての基本方針」の趣旨を踏まえ、廃棄物処理・活用用地への浚渫土砂、 建設残土の受入れにあたっては、県の進める建設残土の有効利用等のための取組みに 資するよう、当該用地の効果的な利用を図られたい。

【八戸港】【伏木富山港】

意見なし

3 参 考

港湾審議会第164回計画部会(平成9年11月28日)における和歌山下津港港湾計画改訂に係る環境庁意見及び審議会答申は以下のとおり。

【環境庁意見(抜粋)】

本計画のうち、本港沖地区に計画されている廃棄物処理・活用用地については、埋立てを厳に抑制すべきとされる瀬戸内海における大規模な埋立てであり、瀬戸内海国立公園の特別地域に隣接していることから、特別地域内の重要な視点場である雑賀崎地区から望見した紀淡海峡から太平洋にかけての景観に著しい影響を与えるものである。
これは、「瀬戸内海環境保全特別措置法第13条第1項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針」に定める、埋立てによる自然景観への影響の度合が軽微であること、自然公園法による特別地域(その周辺を含む)での埋立ては極力さけることの各事項に抵触するものと考える。
このため、本埋立計画については、雑賀崎地区から望見した紀淡海峡から太平洋にかけての景観を十分に保全するよう再検討されたい。

【港湾審議会答申】

原案のとおり、概ね適当である。但し、雑賀崎前面の埋立計画については、瀬戸内海国立公園の特別地域に隣接していることから、景観の保全についてさらに検討されたい。
連絡先
環境庁企画調整局環境影響審査室
室  長:小林 正明(6231)
 審査官:堀上   勝(6236)