報道発表資料
1.環境庁は,ダイオキシン対策の推進を図るため,平成10年5月に「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」を設置し,検討を行ってきた。今般,これまでの検討の成果が第一次報告として取りまとめられたので,7月14日付けで都道府県及び政令指定都市に対し暫定ガイドラインを通知する。その内容は次のとおり。
(1) | 暫定的なガイドライン値 居住地等一般の人の日常生活に関わりのある場所について,対策をとるべき土壌中ダイオキシン類の濃度を,コプラナーPCBを含めて1,000pg-TEQ/gとする。 |
(2) | ダイオキシン類土壌汚染対策の考え方 汚染の規模や濃度等汚染地の実情を踏まえて,掘削除去した土壌又は原位置の土壌に対して,被覆(覆土・植栽・舗装等)又は浄化(分離・分解)から適切な手法を選択して実施する。 |
2.また,環境庁は,ダイオキシン対策の推進を図るため,7月14日,中央環境審議会(会長 近藤次郎 (財)国際科学技術財団理事長)に対し,ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準の設定等について諮問する。この諮問は,同日開催される同審議会土壌農薬部会(部会長 熊沢喜久雄 東京大学名誉教授)に付議される。
1.経 緯
土壌中のダイオキシン類に関する検討会(座長:武田信生京都大学教授)は,高濃度のダイオキシン類による土壌汚染事例の判明を受けた社会的関心の高まりを背景として,土壌中のダイオキシン類に由来する環境影響の評価手法,対策手法等の検討を行うことを目的に,平成10年5月に設置された。第4回までの検討をふまえて,平成10年11月に中間取りまとめを公表し,約1ヶ月間国民の意見を募集したところ,約270件の意見が寄せられた。検討会では,これらの意見も踏まえつつ,更に検討を行ってきた。
この間,政府は平成11年2月に設置した「ダイオキシン対策関係閣僚会議」において,「ダイオキシン対策推進基本指針」を3月に策定し,耐容一日摂取量(TDI)の見直しをはじめとする各種基準作り,ダイオキシン類の排出抑制対策の推進等の方針を打ち出した。土壌については,環境基準の検討,対策基準の策定,汚染土壌対策の仕組みの検討等の対応を行うこととなった。また,6月には,ダイオキシンの当面のTDI等が取りまとめられた。
今般,土壌中のダイオキシン類に関する検討会において第一次報告が取りまとめられたので,環境庁においては,その成果を暫定ガイドラインとして都道府県及び政令指定都市に対し通知するとともに,中央環境審議会に環境基準の設定等について諮問することとしたものである。
2.土壌中のダイオキシン類に関する検討会(第一次報告)
(1) | 第一次報告の概要 土壌中のダイオキシン類及びコプラナーPCBによる土壌汚染の対策のうち,土壌からの直接摂取による曝露リスクを低減するため,現時点で知りうる科学的な知見を基に,居住地等における地域的な汚染について,対策をとるべき暫定的なガイドラインを取りまとめた。 |
(2) |
中間取りまとめ以降の主な検討ポイント
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(3) | 環境庁の取り組み 本第一次報告を受けて,環境庁では,「土壌中のダイオキシン類及びコプラナーPCBに係る暫定的なガイドラインについて」(別紙2)を平成11年7月14日付けで都道府県知事及び政令指定都市に対し通知する予定である。 |
3.中央環境審議会への諮問
今回の諮問(別紙3)は,土壌中のダイオキシン類に関する検討会の第一次報告が取りまとめられたことを踏まえ,中央環境審議会に対し,ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準の設定等について意見を求めるものである。
当該諮問については,土壌農薬部会に設置される予定である土壌専門委員会(委員長 林裕造 北里大学客員教授)において専門的事項について検討を行う。
添付資料
- 土壌調査手法のフロー図[PDFファイル] [PDF 40 KB]
- 土壌中のダイオキシン類及びコプラナーPCBに係る暫定的なガイドライン[HTMLファイル]
- ダイオキシン類による土壌の汚染に係る環境基準の設定等について[HTMLファイル]
- 連絡先
- 環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長:西尾 健(6650)
課長補佐:福盛田共義(6652)
課長補佐:藤倉まなみ(6652)