報道発表資料

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1997年08月19日

ナホトカ号油流出事故環境影響評価総合検討会(第3回)の開催について

環境庁は、本年2月、ナホトカ号油流出事故に係る環境影響調査の内容及び結果の評価について総合的に検討するため、学識経験者により構成される「ナホトカ号油流出事故環境影響評価総合検討会」を設置したが、本日、その第3回目の検討会を開催した。議事の概要等は以下のとおり。
1 開催日時 平成9年8月19日(火) 14:00~17:00

2 開催場所 霞山会館 うめ・さくらの間

3 出席者
  検討員(別記)、
  関係省庁(科学技術庁、文部省、厚生省、農林水産省、通産省、運輸省、建設省、環境庁)、
  関係地方公共団体(山形県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、千葉市、横浜市、川崎市、横須賀市)

4 議  事
 (1) ナホトカ号重油流出事故に係るこれまでの環境調査結果について
 (2) ナホトカ号重油流出事故に係る環境調査の今後の予定について
 (3) ダイヤモンドグレース号原油流出事故に係る環境調査について
 (4) その他

5 主な議論の概要
○  ナホトカ号重油流出事故に係る各省庁、府県の環境調査については、
・  水質、底質については、重油漂着海岸の一部にごく微量の油分が見られるものの、それ以外の地域では通常レベルと同程度であった。
・  港湾等の海岸部については、護岸面への重油の付着、砂浜における油塊等が確認されたものの、水質等への影響は比較的少ない。
・  水産資源については、明瞭な油分の蓄積は認められず、海域の油分濃度では水産資源への影響は小さいと推定される。
・  自然環境、野生生物については、重油が回収されにくい地点を中心に影響が見られたものの、それ以外では明確な影響は認められない。
○  上記の調査結果を見ると、物理的回収を主体とした漂着油の回収作業が展開されたことにより、重大な環境影響は確認されていない。しかし、一部海岸で重油残留が見られること、生物のライフサイクルとの関係で新たな影響が生じる可能性があること等から、継続的、段階的な調査、監視が必要である。
○  ダイヤモンドグレース号原油流出事故に係る各省庁、都県の環境調査を見ると、水質については、通常レベルの油分と同程度で、大気については、事故発生直後に炭化水素濃度が一時的に高い値を示したが、その後通常レベル近くまで低下しており、重大な環境影響は確認されていない。今後水産生物の影響を中心に、継続的、段階的な調査、監視が必要である。

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野  浩(内線6640)
 補佐 西嶋 英樹(内線6643)