報道発表資料
環境省では、土壌及び底質に含まれるダイオキシン類の測定における簡易測定法のマニュアル化についての検討を行っています。つきましては、応募要件に該当する測定方法(機器分析法・生物検定法)を平成20年1月25日(金)まで公募いたします。
1. 趣旨
土壌及び底質に含まれるダイオキシン類の測定においては、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法が定められていますが、精度が高い反面、測定に要する費用が高額で時間がかかることから、土壌、底質のダイオキシン類の調査目的に応じて、調査費用の低減化、測定時間の短縮を図るため、現在実用段階にある簡易で迅速なダイオキシン類測定法(以下、「簡易測定法」という。)の導入が必要となっています。環境省では、中央環境審議会答申「ダイオキシン類の測定における簡易測定法導入のあり方について(平成16年11月)」を踏まえ、平成17年度のダイオキシン類簡易測定法評価検討会による簡易測定法の検討に続き、土壌及び底質のダイオキシン類調査への簡易測定法の導入について検討を進めているところです。
今回、土壌及び底質に含まれるダイオキシン類の簡易測定法に関するマニュアルを作成するにあたり、過去の検討結果を補完すること、新たな簡易測定法が開発されていること等を踏まえて、土壌及び底質に含まれるダイオキシン類を対象として簡易測定法として導入できる方法の候補を公募します。適用可能と評価された測定方法については、マニュアルに反映することにより、土壌及び底質のダイオキシン類調査の一部*1への適用*2を進めていく予定です。
*1 簡易測定法を適用することを想定している調査の種類
- 土壌:
- 一般環境把握調査、発生源周辺状況把握調査、対象地状況把握調査、範囲確定調査のうち汚染範囲を絞り込むために実施する概略範囲調査(調査の種類の定義は、「ダイオキシン類に係わる土壌調査測定マニュアル平成12年1月環境庁水質保全局土壌農薬課)」の「第?章概論2.1調査の分類」
https://www.env.go.jp/chemi/dioxin/manual/dojo-manual.pdf 参照。) - 底質:
- 底質の汚染範囲を絞り込むための調査等
*2 土壌及び底質調査への簡易測定法の想定している適用方針
技術の評価結果により、[1]簡易測定法を単独で適用する方法、又は[2]高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法との併用により簡易測定法を適用する方法を想定している。
2. 応募要件
1) 測定方法
- 土壌及び底質に含まれるダイオキシン類を測定することができる機器分析法(GC/MS法等)、又は生物検定法(小型の生物、細胞又はその構成物質等の生物材料を用いて、生物応答又は生化学的応答を測定することにより、物質の活性又は量を測定する方法)による測定方法であること。なお、四重極型質量分析計GC/Q-MS及びイオントラップ型質量分析計GC/IT-MS/MSを用いた機器分析法については、過去の調査結果からマニュアル化について検討することとしているため、今回の応募の対象外とする。
- 現行のJIS及びマニュアルに示されている測定方法に比べ、迅速、安価であること。
- 実用化されていること(市販又は受託の実績があること。又は、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法との比較データが、土壌試料、底質試料についてそれぞれ20以上あること。)
- 中立機関による実証試験の実施が可能であること。
- 測定方法に関する特許権の所有者が、非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権の実施を許諾することを表明できること。
2) 応募機関
- 技術的及び設備的にダイオキシン類の測定が可能であり、その実績を有する機関。
- ダイオキシン類の測定の実績を有する機関が少なくとも1機関含まれていれば、複数の機関で共同応募してもよい。
3) 留意事項
- 応募機関における資料作成、分析試験の実施に係る費用は、応募機関に負担していただきます。
- 中立機関における実証試験で使用する細胞やキット等については、無償にて御供与いただけるようお願い致します。
- 必要に応じて、ヒアリングや追加の試験をお願いする場合があります。
3. 応募方法
1) 提出書類
応募に際し、以下の書類を提出して下さい。
[1] 応募様式(別添様式参照)
[2] 会社概要等の応募機関に関する資料
[3] 関連する論文等の技術資料
[4] その他(必要に応じて)
後日、追加資料の提出をお願いする場合があります。
2) 提出方法
提出書類は、[1]~[4]の内容を電子媒体に収納したもの(CD-R)を3部、[1]~[4]の内容をA4ファイルに綴じたものを3部を一式として、送付して下さい。
3) 提出先
「6. 応募書類送付先」のとおり。
4) 応募締切
平成20年1月25日(金)必着
4. 分析の実施・評価
応募要件に該当すると確認された測定方法を対象に、応募機関において当該測定方法による土壌及び底質のダイオキシン類の分析試験等を実施し、それらの結果をもとに専門家によって構成される検討会において応募技術の評価、検討を行います。
1) 分析試験
[1] 機器分析法
- 土壌及び底質(約40検体)の分析試験を実施します。
- 抽出、精製済みの試料液を配布します。
- 配布する試料液の前処理方法は次のとおりです。
乾燥試料→トルエンソックスレー抽出→硫酸処理→多層シリカゲルカラム→活性炭シリカゲルカラムによる精製 - 抽出、精製済みの試料を基本としますが、特段の問題がある場合については未精製の粗抽出液の試料配布も可とします。その場合については理由を提出書類の[1]応募様式の備考欄(別添様式参照)に明記すること。
[2] 生物検定法
- 土壌及び底質(約40検体)の分析試験を実施します。
- 乾燥後、均質化した土壌及び底質を配布します。
- 実試料の配布を基本としますが、特段の問題がある場合については未精製の粗抽出液の試料配布も可とします。その場合については理由を提出書類の[1]応募様式の備考欄(別添様式参照)に明記すること。
2) 評価項目及び評価の目安
分析試験の結果をもとに専門家によって構成される検討会において以下の評価項目、評価の目安をもとに検討を行う予定です。
- [1]
- 毒性等量比(当該測定法による毒性等量もしくは換算毒性等量と高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法による毒性等量との比)0.5~2.0の範囲にあること。
- [2]
- 定量下限
土壌は、調査指標値250 pg-TEQ/gの1/5以下を測定できること。
底質は、環境基準150 pg-TEQ/gの1/5以下を測定できること。 - [3]
- 迅速性、経済性
高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計による測定方法よりも迅速、安価なこと。 - [4]
- 中立機関による実証結果
中立機関による実証試験結果が「[1]毒性等量比」の基準を満たすこと。 - [5]
- その他
5. スケジュール(予定)
日程 | 項目 |
---|---|
平成20年1月25日 | 応募締切 |
平成20年1月下旬~2月上旬 | 応募要件確認 |
平成20年2月上旬~3月上旬 | 分析試験の実施 |
平成20年3月上旬以降 | 分析試験結果の確認 |
平成20年4月以降 | 中立機関による試験、追加試験(必要に応じて実施) |
平成20年5月以降 | 検討会による検討・評価 |
※応募要件確認結果等については、応募機関に対し、個別に連絡致します。
6. 応募書類送付先
いであ株式会社<本件に関する環境省請負先>
環境創造研究所 環境リスク研究センター(担当:池田、松村、宮本)
住所:〒421-0212 静岡県志太郡大井川町利右衛門1334-5
電話:054-622-9552
FAX:054-622-9522
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局水環境課
課長:河崎 和明(内線6610)
課長補佐:岩崎 宏和(内線6618)
係長:由井 修二(内線6632)
環境省水・大気環境局土壌環境課
課長:坂川 勉 (内線6650)
課長補佐:寺田 剛 (内線6653)
係長:美保 雄一郎(内線 6659)
(代表)03-3581-3351
(直通)03-5521-8312(水環境課)
(直通)03-5521-8322(土壌環境課)