報道発表資料
・調査の性格:環境庁の示した「暫定指導指針」に基づき、平成8年度に都道府県において実施されたゴルフ場で使用される農薬についての水質調査の結果を環境庁において取りまとめたもの。
・調査の結果:1,984ゴルフ場を対象に延べ約10万3千検体について水質調査を実施。そのうち指針値を超過したのは1検体。
・今後の対応:引き続き「暫定指導指針」に基づき、都道府県と協力して、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止のため、指導を行っていく。
1.経緯・調査の結果:1,984ゴルフ場を対象に延べ約10万3千検体について水質調査を実施。そのうち指針値を超過したのは1検体。
・今後の対応:引き続き「暫定指導指針」に基づき、都道府県と協力して、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止のため、指導を行っていく。
環境庁は、平成2年5月に、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁を未然に防止するため、ゴルフ場で使用される農薬に係る水質調査の方法やゴルフ場の排水口での遵守すべき農薬濃度目標(指針値)等を定めた「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」(以下「暫定指導指針」という。)を都道府県に通知した。以降、各都道府県においては同指針に基づき所要の調査、指導が行われている。環境庁としては、この水質調査結果について平成2年度以降、毎年都道府県から報告を求めている。
2.平成8年度に都道府県において実施されたゴルフ場排水口等における水質調査結果
<調査結果の概要>
1) 調査結果の報告があった都道府県 47
2) 調査対象となったゴルフ場 1,984か所
3) 調査対象農薬数 計30種類
4) 総検体数 約10万3千検体
5) 検出状況 農薬別検出濃度範囲等(別表)
指針値超過 1検体(フェニトロチオン(殺虫剤))のみ
6) 過去の調査結果との比較
調査対象 ゴルフ場総数 |
調査対象 農薬数 |
総検体数 (A) |
指針値超過 検体数(B) |
指針値超過 比率(B/A)(%) |
|
平成6年度 | 1,898 | 30 | 106,895 | 1 | 0.0009 |
平成7年度 | 1,937 | 30 | 108,563 | 1 | 0.0009 |
平成8年度 | 1,984 | 30 | 102,846 | 1 | 0.0010 |
3.暫定指導指針における指針値を超過した事例への対応について
指針値を超過した調査事例については、その原因の究明及び対策の指導が行われ、その後の調査では指針値を超過していない。
環境庁では、平成9年4月に暫定指導指針の改正を行い、新たに5農薬について指針値を設定したところであり、これらの農薬も含め、引き続き暫定指導指針に基づき、都道府県と協力して、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止について指導の徹底を図っていくこととしている。
別表
ゴルフ場排水口における農薬別濃度範囲等
農 薬 名 | 指針値 (mg/l) |
濃度範囲*1 (mg/l) |
指針値超過 検体数 |
(参考) 総検体数*2 |
---|---|---|---|---|
(殺虫剤) | ||||
イソキサチオン | 0.08 | ND~0.0017 | 0 | 3,476 |
イソフェンホス | 0.01 | ND~0.0033 | 0 | 2,916 |
クロルピリホス | 0.04 | ND~0.0069 | 0 | 3,119 |
ダイアジノン | 0.05 | ND~0.047 | 0 | 3,898 |
トリクロルホン(DEP) | 0.3 | ND~0.006 | 0 | 2,895 |
ピリダフェンチオン | 0.02 | ND~0.0078 | 0 | 3,157 |
フェニトロチオン(MEP) | 0.03 | ND~0.13 | 1 | 4,146 |
(殺菌剤) | ||||
イソプロチオラン | 0.4 | ND~0.15 | 0 | 4,023 |
イプロジオン | 3 | ND~0.05 | 0 | 3,840 |
エトリジアゾール(エクロメゾール) | 0.04 | ND~0.002 | 0 | 3,022 |
オキシン銅(有機銅) | 0.4 | ND~0.1 | 0 | 3,103 |
キャプタン | 3 | ND~0.018 | 0 | 2,945 |
クロロタロニル(TPN) | 0.4 | ND | 0 | 3,008 |
クロロネブ | 0.5 | ND~0.23 | 0 | 3,601 |
チウラム(チラム) | 0.06 | ND~0.014 | 0 | 3,074 |
トルクロホスメチル | 0.8 | ND~0.13 | 0 | 3,883 |
フルトラニル | 2 | ND~0.15 | 0 | 4,193 |
ペンシクロン | 0.4 | ND~0.052 | 0 | 3,850 |
メプロニル | 1 | ND~0.079 | 0 | 3,681 |
(除草剤) | ||||
アシュラム | 2 | ND~0.178 | 0 | 3,653 |
シマジン(CAT) | 0.03 | ND~0.01 | 0 | 3,692 |
テルブカルブ(MBPMC) | 0.2 | ND~0.023 | 0 | 3,484 |
ナプロパミド | 0.3 | ND~0.012 | 0 | 3,152 |
ブタミホス | 0.04 | ND~0.017 | 0 | 3,052 |
プロピザミド | 0.08 | ND~0.078 | 0 | 3,522 |
ベンスリド(SAP) | 1 | ND~0.1 | 0 | 3,060 |
ベンフルラリン(ベスロジン) | 0.8 | ND~0.0099 | 0 | 3,520 |
ペンディメタリン | 0.5 | ND~0.043 | 0 | 3,576 |
メコプロップ(MCPP) | 0.05 | ND~0.036 | 0 | 3,410 |
メチルダイムロン | 0.3 | ND~0.023 | 0 | 2,895 |
合 計 | - | 1 | 102,846 |
*2.場外の水域等を含む検体の合計である。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 西尾 健 (6650)
課長補佐 有田 洋一 (6651)
農薬専門官 林 憲一 (6656)
担 当 木村 正伸 (6656)