報道発表資料

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1997年08月05日

成層圏オゾン層保護に関する検討会排出抑制分科会報告書について

環境庁では、環境庁大気保全局長の諮問機関である「成層圏オゾン層保護に関する検討会排出抑制分科会」において、CFC等の回収・破壊の一層の促進方策について検討を行ってきたが、今般、別添のとおり報告書が取りまとめられた。
 主な内容は以下のとおりである。
 {1} フロン回収の取組の一層の促進を図るためには、今後、カーエアコン及び業務用冷凍空調機器についても、補充用冷媒需要を前提とした回収のみに期待するのではなく、CFCの破壊を目的とした回収システムの構築が必要である。
 {2} 効率的かつ実効ある取組を進めるためには、地域レベルのフロン回収等推進協議会と全国レベルの事業者団体との連携が重要であることから、国においては、協議会に対する指導・支援を行うとともに、関係事業者団体の中央組織に対する指導を行うことが必要である。
 {3} CFC等の破壊処理については、破壊処理施設の量的充実及び適正かつ信頼性のある破壊処理の推進を図ることが必要である。

 なお、環境庁においては、本報告書を踏まえ、関係18省庁からなる「オゾン層保護対策推進会議」において、CFC等の回収・破壊の促進について検討を行い、関係省庁と連携して一層の取組の促進を図ることとしている。
1.背景

CFC等の回収・再利用・破壊については、平成6年に設置した関係18省庁からなる「オゾン層保護対策推進会議」において、「CFC等の回収・再利用・破壊の促進について」を平成7年6月にとりまとめ、関係各方面に対して協力を求めてきたところである。
その結果、市町村ルートで廃棄される家庭用冷蔵庫については回収の取組の進展が見られるものの、カーエアコン、業務用冷凍空調機器及び販売店ルートで廃棄される家庭用冷蔵庫については回収の取組が進んでいない現状である。
このため、環境庁では、環境庁大気保全局長の諮問機関である「成層圏オゾン層保護に関する検討会排出抑制分科会」において、CFC等の回収・破壊の一層の促進方策について検討を行ってきたが、今般、別添のとおり報告書が取りまとめられた。


2.報告書の概要

(1) 平成7年6月の関係18省庁からなるオゾン層保護対策推進会議による「CFC等の回収・再利用・破壊の促進について」の取りまとめ以降、フロン回収等推進協議会を設置している都道府県・政令指定都市の数は増加し、市町村ルートで廃棄される家庭用冷蔵庫についてはCFCの回収の取組の着実な進展が見られるが、これまで補充用冷媒需要に基づく市場メカニズムによる回収率の向上を期待してきたカーエアコン及び業務用冷凍空調機器についてはCFCの回収率は低下しており、販売店ルートで廃棄される家庭用冷蔵庫についても、CFCの回収率は、なお低率にとどまっている。
そのため、今後は、カーエアコン及び業務用冷凍空調機器についても、補充用冷媒需要を前提とした回収のみに期待するのではなく、CFCの破壊を目的とした回収のための仕組み作りを進めていく必要がある。

(2) 効率的で実効のある取組を進めるためには、フロン回収等推進協議会の活動の一層の活性化を図るとともに、事業者のCFC等の回収への積極的な取組を促すため、事業者団体の全国レベルでの意思決定が効果的な場合が少なくないことから、地域の協議会活動に基づいた“横の糸”と全国レベルの事業者団体を通じた“縦の糸”とを結びつけて進めることが重要である。
このため、国においては、都道府県・政令指定都市及びフロン回収等推進協議会に対して積極的に指導・支援を行うとともに、関係省庁が連携をとって、関係事業者団体の中央組織に対する指導を行うことが必要である。
また、都道府県、政令指定都市及びフロン回収等推進協議会等においては、回収協力店制度により回収に協力する事業場の拡大を図る等、回収・破壊に係る各種事業を行っていくことが望まれる。

(3) 一方、CFC等の破壊処理については、体制が徐々に整備されつつあるものの、なお破壊処理施設の量的充実及び適正かつ信頼性のある破壊処理の推進を図ることが必要である。
また、国が中心となって、消火剤として使用されるハロンの適切な破壊や断熱材用CFC等の回収・破壊の技術確立を図ることが必要である。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課
課長  櫻井 正人(内6510)
広域大気管理室
 室長    一瀬 壽幸(内6560)
 室長補佐 世一 良幸(内6562)