報道発表資料
「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(以下「フロン回収・破壊法」という。)に基づき、平成18年度における第一種特定製品(業務用エアコン、業務用冷凍・冷蔵機器など)からのフロン類の回収量等の集計結果を公表します。
平成18年度に第一種特定製品から回収されたフロン類の量は約2,541トンであり、17年度の回収量と比較して約10.6%増加しました。
フロン類の回収の一層の徹底を図るため、本年10月から改正フロン回収・破壊法が施行されたところであり、引き続き法施行の徹底を図り、フロン類の回収等に努めてまいります。
1.背景
フロン回収・破壊法によって、業務用冷凍空調機器の廃棄時等において冷媒として使用されているフロン類の回収が義務付けられ、第一種フロン類回収業者(業務用冷凍空調機器から冷媒フロン類を回収する者として都道府県知事の登録を受けている者)は毎年度、前年度に回収したフロン類の量等を都道府県知事に報告し、都道府県知事はその報告事項を主務大臣(経済産業大臣及び環境大臣)に通知することとされている(法第22条)。さらに、主務大臣は、この通知情報を整理し、当該機器に係るフロン類の回収及び破壊の状況等を公表することとされている(法第46条)。
今般、上記規定に基づき、平成18年度分のフロン回収・破壊法に基づく第一種特定製品からのフロン類の回収量等を取りまとめたので、その結果を公表するものである。
2.回収量等の集計結果
フロン回収・破壊法に基づくフロン類の回収量等の集計結果は表1のとおりであり、約88万台の機器から約2,541トンのフロン類が回収された。
CFC | HCFC | HFC | 合計 | |
---|---|---|---|---|
回収した第一種特定製品の台数(台) | 115,157 | 597,874 | 165,399 | 878,430 |
回収した量(kg) | 348,273 | 1,986,577 | 206,307 | 2,541,157 |
18年度当初の保管量(kg) | 24,330 | 112,498 | 15,312 | 152,140 |
破壊業者に引き渡された量(kg) | 283,444 | 1,657,661 | 170,578 | 2,111,683 |
再利用等された量(kg) | 63,047 | 325,321 | 33,974 | 422,343 |
18年度末の保管量(kg) | 26,070 | 116,111 | 17,065 | 159,246 |
(注:小数点未満を四捨五入したため、表中の数値の和は必ずしも合計欄の値に一致しない。)
前年度と比較した結果は表2のとおりであり、台数ベースでは2.9%減少したものの、回収量は10.6%増加した。
平成17年度 | 平成18年度 | 増減 | 増減率 | |
---|---|---|---|---|
回収した第一種特定製品の台数(台) | 904,713 | 878,430 | -26,283 | -2.9% |
回収した量(kg) | 2,297,873 | 2,541,157 | 243,284 | 10.6% |
年度当初の保管量(kg) | 160,267 | 152,140 | -8,137 | -5.1% |
破壊業者に引き渡された量(kg) | 1,865,687 | 2,111,683 | 245,309 | 13.1% |
再利用等された量(kg) | 434,458 | 422,343 | -12,150 | -2.8% |
年度末の保管量(kg) | 157,890 | 159,246 | 1,965 | 1.2% |
(注:小数点未満を四捨五入したため、表中の数値の差は必ずしも増減欄の値に一致しない。)
フロン類の種類別の回収状況は表3のとおりであり、昨年度に引き続きHCFCが台数、量ともに回収の大半を占めた。CFC、HCFCについては、台数は減少したものの、回収量は増加しており、昨年度に比べ大型の機器からの回収が増加したと推察される。
CFC | HCFC | HFC | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
台数(台) | 回収量(kg) | 台数(台) | 回収量(kg) | 台数(台) | 回収量(kg) | |
平成17年度 | 138,928 | 291,541 | 638,036 | 1,823,459 | 127,749 | 182,868 |
構成比率 | - | 12.7% | - | 79.4% | - | 8.0% |
平成18年度 | 115,157 | 348,273 | 597,874 | 1,986,577 | 165,399 | 206,307 |
構成比率 | - | 13.7% | - | 78.2% | - | 8.1% |
増減 | -23,771 | 56,727 | -40,162 | 163,118 | 37,650 | 23,439 |
(注:小数点未満を四捨五入したため、表中の数値の差は必ずしも増減欄の値に一致しない。)
3.今後の取組
フロン類の回収量は、対象となるすべてのフロン類について前年度から増加しており、フロン回収・破壊法施行5年目を迎え、着実に成果を上げている。しかしながら、冷媒フロン類の総廃棄量に対する回収率(注)は36~50%程度と推定され、さらにフロン類回収の徹底のための取組が必要である。
本年10月より、フロン類の引渡しの状況を書面で管理する行程管理制度の導入、整備時のフロン回収義務の明確化等を柱とする改正フロン回収・破壊法が施行されたところであり、引き続き改正法の周知を図り、フロン類の回収が徹底されるよう努めていくこととしている。
- (注)
- 業務用冷凍空調機器からのフロン類の回収率は、当該年度に廃棄されたと推定される業務用冷凍空調機器に含まれているフロン類総量を推計し、これを分母としてフロン類回収量を割ることによって算出する。
この廃棄フロン類総量の推計根拠データは、パッケージエアコン、業務用冷凍冷蔵庫といった業務用冷凍空調機器の種類別の年度別出荷台数、廃棄台数の経年別割合、フロン類の初期充填量等であり、相当の仮定を置いて推計するものであるため、その推計値の精度は保証されたものではない。 単純な推計結果によれば、平成18年度に廃棄された業務用冷凍空調機器に含まれていた冷媒フロン量は約7,109トンとなり、この数値とフロン類の回収量約2,541トンから、回収率は約36%(昨年度約32%)と推定できる。
一方、業務用冷凍空調機器のうち空調機器については、機器の更新時期のみならず建物の解体等に伴い廃棄されるため、その統計などを考慮に加えて廃棄フロン類総量を推計すると、約5,130トンと推計され、この数値を基にすると回収率は約50%(昨年度約44%)と推定できる。
- (本発表資料のお問い合わせ先)
- 環境省地球環境局環境保全対策課フロン等対策推進室
担当者:井上室長補佐、山口係員
電話:03-3581-3351(内線6753)
03-5521-8329(直通)
経済産業省製造産業局化学物質管理課オゾン層保護等推進室
担当者:妹尾補佐、遠藤補佐、小宮係長
電話:03-3501-1511(内線3711~6)
03-3501-4724(直通)
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課フロン等対策推進室
直通:03-5521-8329
室長:深見 正仁(6750)
室長補佐:井上 貴志(6751)
担当:山口 裕司(6753)