報道発表資料

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2007年07月30日
  • 再生循環

家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る厳重注意について

 大手家電量販店である株式会社ヤマダ電機より、同社の配送・取付工事部門である熊谷配工センターにおいて、家電リサイクル法に基づき引き取った廃家電の一部が製造業者等に引き渡されていない旨の連絡がありました。
 このため、環境省関東地方環境事務所及び経済産業省関東経済産業局が同法第53条に基づき熊谷配工センターに立入検査を実施したところ、報告どおり引き取った廃家電の一部が製造業者等に引き渡されていないことが判明しました。
 これを受け、同社に対し全店舗及び配工センターにおける廃家電の処理状況について同法第52条に基づき報告を求め、確認を行いました。その結果、熊谷配工センターにおいて平成18年2月から平成19年1月までに最大で1,597台の廃家電が製造業者等に引き渡されていないことが判明しました。また、その他の店舗及び配工センターにおいても廃家電の適切な引取り・引渡しの確保に不可欠な家電リサイクル券について、その適切な取扱いが必ずしも徹底されていませんでした。
 なお、本件とは別に平成18年11月に連絡を受けていた、テックランド京都吉祥院店において冷蔵庫が2台不法投棄された件についても合わせて報告がありました。
 本件は、同法第10条に基づく小売業者の引渡義務違反に該当することから、平成19年7月30日付で同社に対し厳重注意を行うとともに、今後1年間、廃家電の引取・引渡状況等について報告を求めました。
 環境省及び経済産業省においては、今後とも、小売業者の同法遵守を図るため、引き続き同法の規定に則して必要となる立入検査等を実施してまいります。

1.経緯・事実関係

 大手家電量販店である株式会社ヤマダ電機より、平成19年1月15日に同社の配送・取付工事部門である熊谷配工センター(埼玉県熊谷市)において引き取った特定家庭用機器廃棄物(以下「廃家電」という。)の一部が製造業者等に引き渡されていない旨の連絡がありました。
 このため、環境省関東地方環境事務所及び経済産業省関東経済産業局が熊谷配工センターに対し平成19年1月18日に特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。以下「家電リサイクル法」という。)第53条に基づく立入検査を実施したところ、引き取った廃家電の一部が製造業者等に引き渡されていなかったことが判明しました。
 これを受け、同社に対して全店舗及び配工センターでの廃家電の引取り・引渡し状況等について家電リサイクル法第52条に基づき報告を求めました。同社から提出された全店舗等(361カ所)での状況を確認した結果、熊谷配工センターにおいて平成18年2月から19年1月までに最大で1,597台の廃家電が製造業者等に引き渡されていないことが判明しました。また、その他の店舗及び配工センターにおいても廃家電の適切な引取り・引渡しの確保に不可欠な家電リサイクル券について、その適切な取扱いが必ずしも徹底されていませんでした。
 なお、本件とは別に平成18年11月に連絡を受けていた、テックランド京都吉祥院店において冷蔵庫が2台不法投棄された件についても合わせて報告がありました。

製造業者等に引き渡されていなかった廃家電(平成17年度~18年度)
(単位:台)
品目 熊谷配工センター 京都吉祥院店 合計
エアコン 2 0 2
ブラウン管式テレビ 682 0 682
電気冷蔵庫・電気冷凍庫 293 2 295
電気洗濯機 620 0 620
4品目計 1,597 2 1,599
 株式会社ヤマダ電機からの報告によれば、熊谷配工センターにおいては、廃家電の収集運搬に係る委託業者での特定家庭用機器廃棄物管理票(以下「家電リサイクル券」という。)の管理が適切でなく、家電リサイクル券を発行せず、独自に処理料金を回収して領収書を発行し廃家電を引き取っていたものが多数存在する等の状況です。
 このため、上記台数は領収書や家電リサイクル券により、廃家電を引き取った事実が確認できたもののうち、製造業者等に引き渡されたことが確認できない廃家電の台数です。
 また、上記台数については、中古品としての引取りを含む可能性があります。

 製造業者等に引き渡されていなかった廃家電については、同社の報告によれば、

  • 熊谷配工センターにおいては、収集運搬に係る委託業者の社員の一部が廃家電を横流し
  • 京都吉祥院店においては、収集運搬に係る委託業者の社員の一部が引き取った廃家電を不法投棄

という状況でした。
 なお、株式会社ヤマダ電機においては、製造業者等に引き渡されていなかったもののうち排出者が特定できたものからリサイクル料金の返還を行っています。

2.不適正処理に係る厳重注意について

 小売業者には、家電リサイクル法第10条の規定に基づき、引き取った廃家電を製造業者等に引き渡す義務が課せられており、本件は、当該引渡義務違反に該当しますが、株式会社ヤマダ電機は社内監査により不適正処理が判明した後、当局に相談の上、他の配工センターで同様の不適正処理がないかを調査し、迅速に再発防止策を講じた等の対応を行ったことを勘案し、平成19年7月30日付で同法第10条に基づく引渡義務違反をしたことについて厳重に注意するとともに、このような事態の再発防止策の徹底し、今後1年間、廃家電の引取・引渡状況等について環境省、経済産業省へ報告するよう求めました。

3.参考(会社概要)

会社名
株式会社ヤマダ電機
代表者
代表取締役社長 山田 昇
所在地
群馬県前橋市日吉町4丁目40番地の11
設立
昭和58年9月
資本金
632億円(平成18年1月現在)
従業員数
11,420名(平成18年2月現在)
事業内容
家庭電化製品並びにパソコン・OA機器、オーディオ機器、ネットワーク商品の販売・修理等
連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通:03-5501-3153
 代表:03-3581-3351
 室長:西村 淳(内線 6831)
 室長補佐:相澤 寛史(内線 6834)
 担当:風間 善之(内線 6836)