報道発表資料

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1997年07月03日

「南極地域の環境の保護に関する法律施行令」の制定及び「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令」の改正について

「環境保護に関する南極条約議定書」の国内担保措置の一環として、7月4日(金)の閣議において、「南極地域の環境の保護に関する法律施行令」の制定及び「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令」の改正が閣議決定される。

1.背景・理由

 「環境保護に関する南極条約議定書」の国内担保措置である「南極地域の環境の保護に関する法律」が、本年5月20日に衆議院本会議で可決、成立し、同月28日に公布されたところであり、その施行のため、「南極地域の環境の保護に関する法律施行令」(以下「南極法施行令」という。)を制定する。
 また、同議定書に規定する義務のうち船舶に係るものについては、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令」(以下「海防法施行令」という。)を改正して、必要な国内担保措置を講ずる。

2.内容

[1] 南極法施行令関係

(1)環境庁長官の確認を要しない行為の規定に関する事項
・環境庁長官の確認を要しないこととされている南極地域の海域における水産動植物の採捕を制限し、又は禁止する法令の規定として、漁業法第52条第1項の規定等を定める。 (第1条)
(2)廃棄物の処分の制限等に関する事項
・南極地域で処分してはならない固形状の廃棄物として、廃油、駆除剤、ゴムくず等を定める。 (第2条)
・南極地域で処分してはならない液状の廃棄物として、廃油、駆除剤、廃培養液等を定める。(第3条)
・南極地域の陸域から海域への排出ができる液状廃棄物として、人の日常生活に伴って生ずる液状廃棄物等を定める。(第4条)
・南極地域への持込みが禁止される物として、ポリスチレン製等のこん包用材料等を定める。 (第5条)
(3)環境庁及び外務省組織令の改正関係
・「南極地域の環境の保護に関する法律」の施行を、自然保護局計画課の所掌事務とする。(附則第2条)
・「南極地域の動物相及び植物相の保存に関する法律」に関する外務省総合外交政策局等の事務を削除する。(附則第4条)
(4)施行日
・(1)及び(3)に係る規定については議定書発効日、(2)に係る規定については議定書発効日から6月を経過した日から施行する。

[2] 海防法施行令関係

 (1)ふん尿等に関する事項・南極海域において、未処理のふん尿及び医療区域内において生ずる汚水を最大搭載人員11人以上の船舶から排出する場合、陸地から12海里以遠で排出しなければならないこととする。(第2条、第3条、別表第2:運輸省所管部分)
 (2)食物くずに関する事項・南極海域において、船内で発生した食物くずを船舶から排出する場合、粉砕又は焼却した上で、陸地から12海里以遠で排出しなければならないこととする。(別表第2の2:運輸省所管部分)
 (3)汚泥に関する事項
・南極の陸域において生じた生活排水等の生物処理に伴って発生した汚泥を船舶から排出する場合、拡散しやすい排出方法により陸地から50海里以遠で排出しなければならないこととする。(別表第3:環境庁所管部分)
 (4)洋上焼却に関する事項・南極の陸域において生じた廃棄物又は南極の陸域に持ち込まれた廃棄物については、南極海域における洋上焼却を禁止する。(別表第4:環境庁所管部分)
 (5)施行日
・(1)及び(2)に係る規定については議定書発効日、(3)及び(4)に係る規定については議定書発効日から6月を経過した日から施行する。

連絡先
環境庁自然保護局計画課
課長:鹿野久男(6430) 
 企画官:森康二郎(6490)
 補佐:小野太一(6481)
    〈南極法施行令関係〉

環境庁水質保全局企画課海洋環境・廃棄物対策室
室長:太田 進(6620)
 補佐:志々目友博(6622)
 係長:村松一昭(6622)
 担当:成田浩司(6625)
    〈海防法施行令関係〉