報道発表資料

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1998年12月21日

砂漠化に対処するための国連条約第2回締約国会議の結果について

砂漠化に対処するための国連条約第2回締約国会議が、11月30日から12月11日まで、セネガルの首都ダカールで開催され、条約実施のための措置等が検討された。
 また、締約国会議に合わせ、12月1日から3日まで、条約に基づき設置されている科学技術委員会の会合が開催され、科学技術に関する事項等が検討された。
期 間

平成10年11月30日(月)~12月11日(金)
場 所 ダカール(セネガル)
概 要  

1.締約国会議

(1)

主要な議題

  • 国レベル及び地域レベルでの条約実施状況の報告
  • 地球機構(資金調達を促進するため設立された仕組み)の活動報告
  • 事務局予算
  • 事務局の中期戦略
  • 第3回及び第4回締約国会議の作業計画
  • 条約の実施及び制度的な措置の検討
(2)

各議題についての検討状況

  1.  事務局の1998-1999年の2ヶ年予算は、昨年のCOP1で、総額6.1百万ドルとすることで合意済み。
     COP2では、常設事務局が設置されるドイツの拠出金の一部を用いた信託基金の設立予算の増額等が議論になった。この結果、予算の総額は変更せずに、ドイツの拠出金の半額(約55万ドル)を用いて、条約関連のイベント経費のための信託基金を設立することを合意。
  2.  事務局の中期戦略では、事務局の機能拡大につながるような提案がな
    され、途上国側はこの提案を支持したが、先進国からは、地球機構や科学技術委員会等他の主体が行うべき業務と重複する等、条約事務局が行うべきとされている業務の範囲を超えており、事務局の中期戦略のベースとして不適切との主張があり、新たな文書をCOP3に提出することで合意。
  3.  条約の実施及び制度的な検討では、中東欧諸国の地域実施附属書の作成のための今後の具体的な手順について合意された。
  4.  COP3を1999年11月15日~26日までブラジル(レシフェ)で
    開催することを決定。

2.科学技術委員会

(1)

主要な議題

  • 専門家名簿
  • 基準と指標
  • 伝統的知識
(2)

各議題の検討状況

  1.  専門家名簿については、今後、名簿の拡充に当たり、専門家の性別、専門分野のバランスを考慮すること、NGO及び国際機関からの専門家の登録を増やすこと等を決定。
  2.  基準と指標については、小委員会の報告を基に議論が行われたが、基準・指標の実際の運用に先立ち、アフリカ地域の国において、地域的な汎用性のテストを行うこと等が決定。
  3.  伝統的知識については、10名の専門家からなる小委員会を設置して、a)伝統的知識とその実践による社会経済的影響等の阻害要因、b)伝統的知識と近代的科学技術の効果的連携のための戦略等について検討し、COP3において報告すること等が決定された。
     その際、生物多様性条約等の関連条約の下での伝統的知識に関する取組との連携を図ることとされた。

3.また、締約国会議期間中の12月7日に、アジア地域行動計画に係る非公式会合が開催され、テーマ別ネットワークプログラムのホスト国により進捗状況等について説明が行われた。

(参考)テーマ別ネットワークは、1997年(平成9年)北京で開催された「アジアにおける砂漠化対処条約実施のための地域協力に関する大臣会合」により決定されたもので、アジア地域において取組が進められている。内容及びホスト国は以下のとおり。

  • TPN1 砂漠化のモニタリングおよび評価:中国
  • TPN2 アグロフォレストリーおよび土壌保全:インド
  • TPN3 砂丘の移動の固定化を含む放牧地管理:イラン
  • TPN4 乾燥地農業における水資源管理:ヨルダン、パキスタン、シリア、ウズベキスタンが立候補を表明
  • TPN5 干ばつの影響緩和のための能力の強化:モンゴルが立候補を表明
  • TPN6 地域開発計画実施のための援助:レバノンとネパールが関心を表明

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課   長 :竹内恒夫 (6740)
調整官   :谷津龍太郎(6283)
課長補佐 :藤田賢二 (6286)
担   当 :高橋啓介 (6287)