報道発表資料

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2007年05月29日
  • 地球環境

自主参加型国内排出量取引制度(第3期)目標保有参加者の決定について(「平成19年度温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の対象事業者の採択結果)

環境省は一昨年度から自主参加型国内排出量取引制度を実施していますが、本年4月下旬からの公募に応募いただいた事業者より、第3期(平成19年度開始)の目標保有参加者タイプAとして9社の採択を決定しました(別添1参照)。
 これらの事業者は、一定量のCO2排出削減を約束して、この制度に自主的に参加し、積極的に削減実施に取り組むものであり、その取組は他のモデルともなるものです。

1.自主参加型国内排出量取引制度とは

(1)概要(別添2参照)

  • 自主参加型国内排出量取引制度は、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、平成17年度から開始したものです。
  • 温室効果ガスの排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに、省エネルギー等によるCO2排出抑制設備の整備に対する補助金を交付することにより支援します
  • 排出削減約束達成のために排出枠の取引という柔軟性措置の活用も可能とします。
  • 設備補助を受けることなく自主的に排出削減を行う参加方法を第3期から新たに設けました。

(2)制度への参加方法

  • 自主参加型国内排出量取引制度への参加には、以下の4通りの方法があります。
    [1]目標保有参加者タイプA
    一定量の排出削減を約束し、CO2排出抑制設備の整備に対する補助金と排出枠の交付を受ける参加者
    (「温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の採択事業者)
    [2]目標保有参加者タイプB
    設備補助を受けることなく、基準年度排出量に比べ、2008年度において少なくとも1%の排出削減を約束する参加者
    [3]目標保有参加者タイプC
     設備補助を受けることなく、基準年度排出量に比べ、2007年度において少なくとも1%の排出削減、2008年度において少なくとも2%の排出削減を約束する参加者
    [4]取引参加者
    排出枠等の取引を行うことを目的として、登録簿システムに口座を設け、取引を行う参加者。取引参加者に対しては、補助金及び排出枠の交付はなされない。(別途募集する。)
  • [1]の目標保有参加者タイプAに対するCO2排出抑制設備の整備への補助金として、「温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」が用意されています。
  • [1]の目標保有参加者タイプAの公募については、費用対効果の優劣の観点(以下、費用効率性という)等から審査を行った上で、今回、その採択事業者=目標保有参加者を決定したものです。
  • [2]の目標保有参加者タイプB及び[3]の目標保有参加者タイプCについては、削減の主な取組内容を踏まえて参加者を決定したものです。
取引参加者の募集については、別途2007年度後半に行う予定です。
制度の詳細については、自主参加型国内排出量取引制度のホームページ(http://www.et.chikyukankyo.com/)及び「自主参加型国内排出量取引制度第3期実施ルール」(http://www.et.chikyukankyo.com/download/)を御参照ください。

2.目標保有参加者の概要

A.目標保有参加者タイプAの場合(温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業の採択事業者

(1)補助対象となる事業
  • 国内における省エネルギー等によるCO2排出抑制設備の整備
(2)対象事業者
  • 民間企業
  • 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人
  • 民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人
  • 法律により直接設立された法人
(3)補助額
  • 事業に必要な経費の1/3

B.目標保有参加者タイプBの場合(設備補助を受けることなく、基準年度排出量に比べ、2008年度において少なくとも1%の排出削減を約束する参加者)

(1)対象事業者
  • 地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における特定排出者
    (エネルギー起源二酸化炭素の排出において対象となる者に限る)

C.目標保有参加者タイプCの場合(設備補助を受けることなく、基準年度排出量に比べ、2007年度において少なくとも1%の排出削減、2008年度において少なくとも2%の排出削減を約束する参加者)

(1)対象事業者
  • 地球温暖化対策の推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における特定排出者
    (エネルギー起源二酸化炭素の排出において対象となる者に限る)

3.採択結果について

(1)採択事業者数(目標保有参加者数)

  • 9社(※複数事業者が共同で取り組む場合もあるため、正確には9グループ)

(2)補助金総額

  • 628,202千円

(3)9社の2008年度排出削減予測量の合計

  • 各事業者には、応募に当たり、制度の対象とする工場・事業場について、基準年度排出量(2004年度~2006年度の平均排出量)から2008年度にどれだけ排出削減できるか(2008年度排出削減予測量)を、あらかじめ登録いただきました。2008年度排出削減予測量の数値は以後変更できません。各事業者には、2008年4月に、「基準年度排出量 - 2008年度排出削減予測量」の分の排出枠(JPA)が初期割当量として交付されます。
  • 2008年度排出削減予測量は、別添1のとおりです。
    9社の2008年度排出削減予測量の合計は23,285 t‐CO2です。
これは、対象工場・事業場の基準年度排出量((6)参照)の7%に相当します。

(4)導入設備の法定耐用年数分の排出削減予測量

  • 事業者には、応募に当たり、導入設備の法定耐用年数分の排出削減予測量(=2008年度排出削減予測量×導入設備の法定耐用年数)についてもあらかじめ登録いただきました。これは、2008年度排出削減予測量が法定耐用年数分続くと仮定した場合の数値です。
  • 採択に当たっては、この法定耐用年数分の排出削減予測量をもとに、「補助の費用効率性」を判断した上で、効率に優れたものを採択しています。このため、各事業者には、採択されるためになるべく多くの削減量を登録しようというインセンティブが働いたものと考えられます。
    ここでいう「補助の費用効率性」とは、「補助金額/法定耐用年数分排出削減予測量」を指しています。t‐CO2削減当たりの補助金額を表す数値であり、これが小さいほど費用効率が良いこととなります。
  • 法定耐用年数分の排出削減予測量は、別添1のとおりです。
    9社の法定耐用年数分の排出削減予測量の合計は287,325 t‐CO2です。

(5)補助の費用効率性(=t‐CO2削減当たりの補助金額)

  • 補助金総額/法定耐用年数排出削減予測量合計(※補助金全体としての費用効率性)
    628,202千円/287,325 t‐CO22,186円 / t‐CO2
    t‐CO2削減当たり2,186円です。

(6)対象となる工場・事業場の基準年度排出量について

  • 本制度は、全社単位ではなく、対象となる工場・事業場を特定し、対象工場・事業場からの排出量全体を算定・検証するルールとしています。
  • 対象となる 工場・事業場からの基準年度排出量については、今後、検証機関による第三者検証を経て確定する必要があり、現段階では確定値ではありません。
  • 参考までに、現段階で暫定的に申告されている基準年度排出量の9工場・事業場の合計は、年間331,973 t‐CO2です。

4.今後のスケジュール

  • 2007年度中に補助対象設備の整備を行い、補助事業を完了します。
  • 2007年10月までに、基準年度排出量(2004年度~2006年度の排出量)について、環境省の委託する検証機関による検証を受け、数値を確定させます。
  • 2008年4月に排出枠(JPA)が交付され、その交付量は、「基準年度排出量 - 2008年度排出削減予測量」です。
  • 交付された排出枠(JPA)は、2008年度(削減対策実施期間)及び2009年4~8月末(調整期間)の間、登録簿システム上で取引可能となります。
  • 2008年度において、CO2排出削減に取り組みます。
  • 2009年4~6月の間に、2008年度のCO2排出量を算定するとともに、検証機関による検証を受け、数値を確定させます。
  • 2009年8月末までに、2008年度排出量に応じた排出枠(JPA)を登録簿システム上で償却する必要があります。
  • 必要な量の排出枠を償却できない場合には、不足量に応じて補助金を返還いただきます。
  • JPAと併せて、京都議定書の下で実施されるCDM/JIプロジェクトから獲得したCER/ERUクレジットも償却に活用することができます。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
代表:03-3581-3351
 課長:小川 晃範(6770)
 補佐:二宮 康司(6757)
 担当:吉田 宏克(6781)

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