報道発表資料

この記事を印刷
1999年02月17日

日系企業の海外活動に係る環境配慮動向調査結果(インドネシア編)について

環境庁は、海外において日系企業が環境保全を図りつつ事業を行えるよう、各種情報の提供に努めている。その一環として進出先国の環境規制の状況、それに対応して先駆的取組を行っている企業の事例等に関する情報・事例集作り(「日系企業の海外活動に係る環境配慮動向調査」)を委託調査として行ってきた。
 これまで、フィリピンにおける情報・事例集をとりまとめたところであるが、今般インドネシアにおける情報・事例集がとりまとまったので、公表するものである。
1.調査の背景

 環境基本法では、事業者の海外活動に際し適切な環境配慮ができるよう、情報提供等に 努めるとされている。これについて、環境庁が実施した「在外日系企業の環境配慮活動動 向調査」(平成7年度)において、海外に進出している日系企業にアンケートを行ったと ころ、日本政府に期待することとして「各国の環境に関する情報提供(マニュアルの作成 )」に対し多数の回答があったところである。

2.調査の目的

 上記調査結果を受けて、日系企業の海外活動に係る環境配慮への先駆的取組や経験に関 する具体的な事例を収集し、情報として取りまとめ広く提供することにより、現在途上国 で活動している他の企業やこれから進出しようとする企業が、今後より望ましい環境配慮 を行うための参考とすることを目的に、平成8年度より各国毎に本調査を実施している。

3.調査の実施方法

 インドネシアに進出している日系企業に対し、環境配慮に関する具体的な取組事例につ いて現地実状調査を行うとともに、インドネシア政府等に対し、環境規制の状況等につい てヒアリング等を行った。

4.調査結果

事業活動に対する規制の強化、汚染に関する罰則の強化、紛争処理に関する規定の強 化などを旨として1997年に新たに制定された環境管理法の全体像をはじめ、インドネ シアにおける環境保全施策体系が明らかになった。
様々な日系企業における、現地での厳しい環境保全ニーズに努力と工夫により対応し ている実態や、本社と並行して環境管理システムを導入しようとしている事例など、環境 配慮に対する積極的な取組み姿勢が明らかになった。

5.今後の対応

 当庁としては、この報告書をインドネシア日本人商工会議所をはじめとする関係者に広 く配布することにより、既にインドネシアに進出している日系企業による環境への取組の 更なる充実及び今後インドネシアに進出しようとしている企業による環境保全への適切な 取組の実施促進を図ることとしている。

報告書(和文)は希望者に無償配布(英文は応相談)。希望者は以下に問合せの事。
環境庁地球環境部環境協力室 電話03-3581-3351(内線6745)


(参考)報告書の概要

第1章 インドネシアにおける環境問題の現状と法規制等の動向

  • 都市環境問題等の現状と環境保全施策の概観
  • 新環境管理法(1997年)を中心として、大気汚染、水質汚濁、有害廃棄物、環境アセスメント等に関する法規制等を紹介
  • 特に、新環境管理法は、各種の環境規制値とともに全文を和訳
第2章 インドネシアにおける日系企業の環境対策への取組事例

 強化されつつあるインドネシアの環境法令に対応して、様々な環境対策に真剣に取り組んでいる日系企業の事例18件を現地調査に基づき整理。

1)日系企業とその環境対策の概要(第1節)
2)排水処理を中心に日系企業の環境対策の事例を紹介(第2~4節)
  • 厳しい規制値に適合すべく高度な処理設備の設置や運用を行っている事例(4件)
  • 工業団地内(既成市街地への工場立地規制と工業団地への誘導が図られている)における環境対策事例(4件)
  • 排水処理以外の対策や特色ある対策などの事例(6件)
3)ISO14001の取得などを中心に環境マネジメントシステムの構築に取り組んでいる事例(4件)

報告書は以下のアドレスからダウンロードできます。 https://www.env.go.jp/earth/coop/oemjc/index.html
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課環境協力室
室長 後藤 正之(内線6742)
 補佐 大村  卓 (内線6744)