報道発表資料

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2006年07月05日
  • 水・土壌

「ダイオキシン類簡易測定法評価検討会報告書」について

環境省では、ダイオキシン類を迅速かつ低廉に測定できる、いわゆる簡易測定法に係る技術的検討を行うため、平成17年1月から専門家からなる「ダイオキシン類簡易測定法評価検討会」を開催し、土壌及び底質中のダイオキシン類測定における、簡易測定法の適用可能性について、検討を進めてきました。
 その結果、検討対象とした21技術のうち、いくつかのものは、今後、土壌及び底質における、汚染地の対策範囲を推定するためのスクリーニング法等としての適用可能性が認められました。今般、このような検討結果を「ダイオキシン類簡易測定法評価検討会報告書」として取りまとめ、公表します。

1.背景

 ダイオキシン類の測定方法について、従来、ダイオキシン類対策特別措置法で規定された測定方法、いわゆる公定法は、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて異性体の1つ1つを測定する測定方法であり、測定に要する費用が高額で時間がかかることなどから、ダイオキシン類対策を一層円滑かつ効果的に推進する上で、迅速で低廉ないわゆる簡易測定法の開発・導入が課題となっています。
 一方で、簡易測定法は、現段階では、測定精度等において一定の限界もあることから、環境省では、平成17年1月から「ダイオキシン類簡易測定法評価検討会」(座長:森田昌敏独立行政法人国立環境研究所客員研究官)を開催し、技術開発状況を踏まえつつ、段階的に検討するとしていた測定分野のうち、土壌及び底質におけるダイオキシン類測定を検討対象として、簡易測定法の適用可能性について技術的検討を行ってきました。

2.検討方法

(1)検討対象技術

 簡易測定法は、バイオテクノロジー等を活用した生物検定法と低分解能ガスクロマトグラフ質量分析計などの機器分析法に分類されます。
 生物検定法については、検討対象とする簡易測定技術を公募により募集し、応募のあった15技術のうち、要件に該当する14技術について、また、機器分析法については、既に実用化されているなど一定の要件を満たす技術について、個別に協力を要請し、了承が得られた7技術を検討の対象としました(図1)。

(2)検討方法

 検討対象技術すべてに対し、共通試料(過去の調査などによってダイオキシン類の汚染が推定される土壌試料及び底質試料)の分析試験を実施し、平成17年1月から開催しているダイオキシン類簡易測定法評価検討会(座長:森田昌敏独立行政法人国立環境研究所客員研究官)により、公定法による毒性等量値との比較、測定値のばらつきなど分析法としての安定性などの観点から検討を行ってきました。

図1 検討対象とした簡易測定法の技術分類

3.検討結果

 検討の結果、生物検定法については、異性体組成に関する情報が得られない欠点があるものの、毒性等量値を求めることについて、迅速性が認められ、機器分析法の多くの技術については、異性体組成の情報が得られる長所が認められました。また、両者について、低廉性も認められました。
 また、検討対象技術のうち、いくつかのものは、今後、汚染地の対策範囲を推定するためのスクリーニング法等としての適用可能性が認められました(別紙1~3)。

4.今後の予定

 環境省では、今回の検討の結果を踏まえ、土壌及び底質の環境媒体毎に、簡易測定法の実用性について詳細に調査・検討し、必要に応じて、既に策定している測定マニュアル等に反映することなどにより、土壌、底質の測定への適用を進めていく予定です。

<参考>

ダイオキシン類簡易測定法評価検討会検討員(50音順、敬称略、○:座長)
伊藤 裕康 独立行政法人国立環境研究所化学環境研究領域計測管理研究室 主任研究員
小森 行也 独立行政法人土木研究所水循環研究グループ 主任研究員
酒井 伸一 京都大学環境保全センター 教授
滝上 英孝 独立行政法人国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター有害廃棄物管理研究室 主任研究員
半野 勝正 千葉県環境研究センター廃棄物・化学物質部化学物質研究室上席研究員
細見 正明 東京農工大学大学院共生科学技術研究部 教授
宮田 秀明 摂南大学薬学部 教授
森田 昌敏 独立行政法人国立環境研究所 客員研究官
渡邉 肇 自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンター生命環境研究領域 助教授

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室
室長 室石 泰弘(内6532)
 係長 中野 哲哉(内6579)
 担当 若狭 裕治(内6579)

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