報道発表資料
1.趣旨
PCBを使用していないトランス等の中に、実際には低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むもの(以下「低濃度PCB汚染物」という。)が大量に存在することが判明しており、これらの処理体制の整備が課題となっている。
環境省は、低濃度PCB汚染物の処理体制の整備に向け、1,100℃以上の高温で焼却できる既存の産業廃棄物処理施設において、低濃度PCB汚染物が安全かつ確実に処理できることを確認するため、本年3月、関係自治体である北九州市、福山市及び愛媛県並びに実証試験施設の設置者である光和精鉱株式会社、株式会社カムテックス及び財団法人愛媛県廃棄物処理センターの協力を得て、低濃度PCB汚染物の焼却実証試験を実施した。
焼却実証試験の実施結果は、以下のとおり。
2.実証試験結果の概要
- (1)実施場所及び実施期間
-
- 光和精鉱株式会社戸畑製造所(福岡県北九州市)
平成18年3月13日(月)~3月15日(水)
- 株式会社カムテックス福山工場(広島県福山市)
平成18年3月20日(月)~3月22日(水)
- 財団法人愛媛県廃棄物処理センター東予事業所(愛媛県新居浜市)
平成18年3月20日(月)、22日(水)、23日(木)
- 光和精鉱株式会社戸畑製造所(福岡県北九州市)
- (2)実施内容
現在稼働中の産業廃棄物の焼却施設又は溶融施設に数十ppm程度のPCBを含む絶縁油を投入し、排ガス及び排水中のPCB濃度等を分析することにより、低濃度PCB汚染物が適正に処理されていることを確認する。
なお、本試験において、燃焼ガスの温度等は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定するPCB廃棄物の焼却処理条件を満足させて行うものとする(燃焼ガスの温度1,100℃以上、2秒以上滞留)。- (3)実施結果
焼却実証試験の実施の結果、PCBを含む絶縁油(以下「試験試料」という。)については、確実かつ周辺環境へ影響を及ぼすことなく安全に分解されることを確認した。詳細は、以下のとおり。
- [1]
排ガスについて(別紙表2参照)
排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、関係法令に定める基準値等よりも低いことを確認した。
また、排ガス中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、試験試料を投入せずに施設を運転した場合(通常運転時)と、試験試料を投入して施設を運転した場合(本試験時)において顕著な変化がないことから、試験試料を投入したことによる排ガス中のPCB及びダイオキシン類濃度への影響はないことを確認した。
- [2]
排水※について(別紙表2参照)
排水中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、関係法令に定める基準値よりも低いことを確認した。
また、排水中のPCB及びダイオキシン類の濃度については、通常運転時と本試験時において顕著な変化がないことから、試験試料を投入したことによる排水中のPCB及びダイオキシン類濃度への影響はないことを確認した。
※:排水があるのは1施設のみ。
- [3]
周辺環境への影響(別紙表3参照)
施設の敷地境界における大気中のPCB濃度、施設の周辺における大気中のダイオキシン類濃度については、関係法令に定める基準値等よりも低いことを確認した。
3.その他
今後、協力が得られる他の施設においても、焼却実証試験を実施していく予定。
添付資料
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
課長:関 荘一郎(内線6871)
課長補佐:横井三知貴(内線6880)
係長:高橋 徳行(内線6895)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成18年3月9日
- 低濃度PCB汚染物の焼却実証試験の実施について