報道発表資料
平成13年度から農林水産省と環境省が連携して実施している「田んぼの生きもの調査」について、平成17年度の調査結果がまとまりましたのでお知らせします。
本年度は、全国で530団体が参加し、311地区1848地点で魚・カエル調査が実施され、その結果、94種の魚及び17種のカエルが確認されました。
本年度は、全国で530団体が参加し、311地区1848地点で魚・カエル調査が実施され、その結果、94種の魚及び17種のカエルが確認されました。
1.調査目的
水田周辺水域の生態系の現状を把握するため、農林水産省が、行政機関だけでなく小学校やこどもエコクラブなどにも呼びかけ、平成13年度から全国の農業水路、一部のため池において生物生息調査を実施しており、環境省は調査技術や知見、分析について助言を行っています。
2.調査対象及び調査箇所数
調査対象種 | : | 魚・カエル | |
調査地区 | : | 311地区 | (平成16年度:329地区) |
○ 魚調査 | 1848地点 | (平成16年度:1922地点) | |
○ カエル調査 | 395地点 | (平成16年度:429地点) |
3.調査の方法
- ○
- 環境省から、調査分析手法について農林水産省に助言・提案等。
- ○
- 農林水産省が調査マニュアルを作成。 都道府県、市町村、土地改良区、小学校、こどもエコクラブ等に参加を呼びかけ。
- ○
- 地方農政局、北海道開発局、沖縄総合事務局、参加団体等が調査を実施。
- ○
- 農林水産省が調査結果を取りまとめ、環境省の「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」における全国分布情報との比較分析等を実施。環境省は分析等について助言。
4.調査機関
(1)実施機関
地方農政局、北海道開発局、沖縄総合事務局、緑資源機構・・・計81機関(平成16年度:84機関)
(2)協力機関
都道府県、市町村、土地改良区及び都道府県土地改良事業団体連合会・・・計296団体(平成16年度:201団体)
小学校・こどもエコクラブ・地域住民等・・・計153団体(平成16年度:134団体)
- ※
- 地方農政局や都道府県等は出先事業(務)所を単位として集計
5.調査期間
平成17年6月~10月
6.調査結果
(1)結果概要
○ | 採捕された魚 | : | 20科94種 | (我が国に生息する淡水魚は、亜種を含め約300種) |
○ | 採捕されたカエル | : | 4科17種 | (我が国に生息するカエルは、亜種を含め42種) |
○ | 多く採捕された魚 | |||
ドジョウ | 473地点 | |||
タモロコ | 239地点 | |||
モツゴ | 221地点 | |||
ギンブナ | 218地点 | |||
メダカ | 195地点 | |||
○ | 多く採捕されたカエル | |||
ニホンアマガエル | 245地点 | |||
トノサマガエル | 119地点 | |||
ヌマガエル | 116地点 | |||
ツチガエル | 54地点 | |||
トウキョウダルマガエル | 51地点 |
(2)分析
- [1]
-
希少種
- ○
- 魚では、ホトケドジョウ(絶滅危惧IB類)やメダカ(絶滅危惧II類)など18種、カエルではナゴヤダルマガエル(絶滅危惧II類)1種、合計19種の希少種が採捕されました。(希少種=環境省が作成したレッドリストに挙げられている生物種)
- ○
- メダカに関して、自然環境保全基礎調査などの既知の分布情報(約10km四方の2次メッシュで827メッシュ)と重ね合わせた結果、今回新たに20メッシュがメダカの分布地域として確認されました。
- [2]
-
外来種
- ○
- 魚では、オオクチバス、ブルーギル等12種、カエルでは、オオヒキガエル、ウシガエルの2種が採捕されました。
7.今後について
- ◎
- 環境省は平成18年度も農林水産省との連携を図り、本生物調査について調査・分析手法の助言・提案等を継続します。
- ◎
- 農林水産省と連携して、本調査への参加団体が増えるよう呼びかけを行います。
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課
課長:阿部 宗広(6430)
課長補佐:谷川 潔(6491)
担当:高木 鉄哉(6476)