報道発表資料

この記事を印刷
2006年03月23日
  • 地球環境

「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令」について

「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令の一部を改正する政令」が3月24日(金)の閣議で決定される予定です。
 本政令は、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、温室効果ガスの排出量を報告しなければならない事業者の範囲、当該排出量の算定方法等を定めるものです。
 これにより、省エネ法に基づきエネルギーの使用量等を報告しなければならない事業者や、事業所ごとに年間で二酸化炭素換算3,000トン以上のエネルギー起源二酸化炭素以外の温室効果ガスを排出している事業者は、毎年6月末までに原則として前年度の排出量を事業所管省庁宛てに報告することになります。その報告に当たっては、この政令及び算定方法の細目を定めた省令に従って排出量を自ら算定することになります。
 また、温室効果ガスの排出量の算定、報告等に関してこの政令及び併せて制定する省令で定める事項については、昨年11月下旬から12月下旬にかけて国民各階各層からの意見募集(パブリックコメント)を行いました。そこで寄せられたご意見を踏まえ、今回の政令案等を作成しましたが、寄せられたご意見とそれらに対する当省の考え方も併せて発表いたしましたので、お知らせします。

1.改正の趣旨

 平成17年6月に公布された「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律」(平成17年法律第61号)においては、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の導入に当たって、温室効果ガスの排出量を報告しなければならない者(特定排出者)の範囲、温室効果ガス排出量の算定方法等の制度細目について政令で定めることとしています。
 本政令は、同法の施行に伴い、これらの事項を定めるものです。

2.主な改正の内容(資料1~4参照)

1)相当程度多い温室効果ガスの排出をする者として政令で定めるもの(特定排出者:法第21条の2第1項関係

 温室効果ガス排出量を報告しなければならない者(特定排出者)を、次のいずれかに該当する者([2]の事業者にあっては、常時使用する従業員の数が21人以上である者に限る。)とします。

[1]
省エネ法に基づきエネルギー使用量等の報告をしなければならない事業者
【産業・業務部門】第1種特定事業者・第2種特定事業者
【運輸部門】特定貨物輸送事業者・特定荷主・特定旅客輸送事業者・特定航空輸送事業者
[2]
温室効果ガスの種類(※)ごとに定める当該温室効果ガスの排出を伴う事業活動が行われる事業所であって、当該事業活動に伴う排出量の合計量が二酸化炭素換算で3,000トン以上であるものを設置している者
「温室効果ガスの種類」:二酸化炭素(エネルギー起源のものを除く。)・メタン・一酸化二窒素・ハイドロフルオロカーボン・パーフルオロカーボン・六ふっ化硫黄

2)温室効果ガス算定排出量の算定方法(法第21条の2第2項関係

 事業者が報告する対象となる「温室効果ガス算定排出量」の具体的算定方法を定めます。なお、政令においては算定方法の骨格のみを規定し、燃料種や施設種ごとの係数については、省令で定めることとします。

3)温室効果ガス総排出量の算定方法に係る規定の見直し(令第3条関係

 政府及び地方公共団体の実行計画において公表することとなっている「温室効果ガス総排出量」の算定方法に関し、排出量の算定に必要な係数として政令で定められている値について、(2)の「温室効果ガス算定排出量」の具体的算定方法の検討の結果等を踏まえ、見直します。

(4)この政令は、平成18年4月1日から施行することとします。

(参考)制度施行に伴う事業者の義務について

 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律及び本政令等の施行によって、省エネ法に基づきエネルギーの使用量等を報告しなければならない事業者や、事業所ごとに年間で二酸化炭素換算3,000トン以上のエネルギー起源二酸化炭素以外の温室効果ガスを排出している事業者は、毎年6月末までに原則として前年度の排出量を事業所管省庁宛てに報告することになります。

3.意見募集の概要及び結果

(1)意見募集の概要

  • 特定排出者・排出量算定関係 平成17年11月22日(火)~12月12日(月)
  • 排出量報告等・情報処理関係 平成17年12月2日(金)~12月22日(木)

(2)意見の提出状況

352通 515件(うち質問11件)

(3)意見の概要

 政省令で定める制度細目に関するパブリックコメントにおいては、排出量の算定方法・排出係数に関して、多数の意見をいただきました。
 特に、電気の使用に係る二酸化炭素の排出係数について、「より実態に即した設定とするべき」「事業者間の競争にも配慮した設定とするべき」などの様々な意見が寄せられました。

(4) 意見募集後の変更点

 こうした意見を踏まえ政府部内において検討した結果、電気の使用に係る二酸化炭素の排出係数について、当初は、電気を供給する者を大きく2つに分けてそれぞれの平均的な係数を定めることとしていたことを改め、以下のように、電気を供給する者に応じて一層きめ細かな排出係数を利用できる仕組みへと変更することとしました。

[1]
自らが消費している電気の排出係数がわからない場合などに一般的に使用できる排出係数としては、電気を供給する者の区別によることなく一律の値を政省令で定める。
[2]
より実態に即した算定を可能とし、温暖化対策を行った供給者の努力を反映できるようにするためには、できるだけ供給者ごとに排出係数を定めることが適当であることから、併せて制定する環境省令・経済産業省令に基づき、一般電気事業者と特定規模電気事業者(PPS)の排出係数については、環境大臣及び経済産業大臣において、個別事業者別の係数の情報とこれを求めるために必要となった情報を収集するとともに、その内容を確認し、政省令で定める数値より小さい係数については公表する。

 また、いただいた意見を踏まえ、エネルギー起源二酸化炭素の排出量の算定に必要な発熱量等について、算定方法の細目を定めた省令の中で明らかにするとともに、排出係数について、温室効果ガスの排出量の算定方法に関する直近の検討結果を踏まえて、所要の修正を加えました。
 電気の使用に係る二酸化炭素の排出係数についての上記の整理も含め、いただいた意見の概要とそれを踏まえた対応の考え方の詳細については、資料5をご覧ください。

4.今後の予定

閣議:
平成18年3月24日(金)
公布:
平成18年3月29日(水)
施行:
平成18年4月1日(日)

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課長 梶原 成元(内6770)
 課長補佐 小野 雄大(内6790)
 係長 小野寺 秀明(内6796)
 担当 飯野 暁(内6796)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。