報道発表資料
環境庁においては、平成10年版環境白書の作成に当たって、地方公共団体における環境保全に配慮した国土利用・土地利用の実態を調査するためのアンケートを行った。
アンケートの結果、以下のことが明らかになった。
(環境保全の観点から見た国土、土地利用の現状)
- 森林、農地等の開発、転用等により生じている環境への影響を尋ねたところ、多くの自治体が、開発や手入れ不足による陸上生態系の劣化や、開発にる水源涵養上の問題等が生じている旨を回答している。
- 市街地については、回答中の約半数の自治体が、無秩序な拡大が進行していると回答し、多くの自治体において、市街地の土地利用の変化により、交通量の増大、景観保全上の問題等が生じていると回答している。
(環境保全の観点から見た国土・土地利用施策の取組状況) - 市街地のスプロール抑制、周辺農地や森林の保全等の施策が、回答自治体中約3割の自治体において実施されているものの、それ以外の環境保全の観点から見た総合的な施策はあまり講じられていない。しかし、いくつかの自治体においては、生物生息場所のネットワーク化や自転車ネットワークの整備等の施策の検討を開始している。
(環境保全の観点から見た国土・土地利用施策に係る課題) - 環境保全の観点からの国土・土地利用施策については、方法が具体化されていない、規制・誘導・指導の限界、財源不足等の問題が指摘されている。
- 環境保全に配慮した土地利用のために既存法制度の内容の見直し、市民参加による環境保全の仕組み作り等の必要性が指摘されている。
環境庁としては、本アンケートの結果を、今後の施策検討の参考として活用していく予定。
- 連絡先
- 環境庁企画調整局企画調整課調査企画室
室 長 :小木津 敏也(6250)
担 当 :中島 恵理(6224)