報道発表資料

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2006年02月24日
  • 再生循環

中央環境審議会 廃棄物・リサイクル部会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会 中間報告について

(ポイント)
  • 平成18年2月15日(水)開催の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会(委員長:田中勝 岡山大学教授)において、中間報告がとりまとめられた。
  • 同報告では、我が国の廃棄物・リサイクル対策の経験を整理・発信しているほか、廃棄物を始めとした循環資源の国内処理・国際移動の考え方を整理した上で、「東アジア循環型社会ビジョン」の策定を改めて提唱し、我が国の取組内容や、将来的に東アジアで目指すべき方向性を示している。
  • 環境省では、これを受け、来月上旬に東京で開催される「3Rイニシアティブ高級事務レベル会合」の場で、我が国の取組を発表するとともに、今後の国際的な取組について、意見交換や新たな提案を行っていくほか、平成20年のG8サミット等を節目に、国際的に循環型社会を形成していく取組を一層推進していく。

1.経緯等

 廃棄物を始めとした循環資源については、近年の東アジア諸国の経済発展に伴う発生量の増加や、国際的な移動量の増加により、環境汚染を発生させる危険性が高まっており、国際的にも、その適正処理を確保していくことが重要となっている。こうした問題意識を踏まえ、我が国としても、近年行っている廃棄物・リサイクル対策の貴重な経験を海外に発信するとともに、平成16年の「G8・3Rイニシアティブ」を踏まえ、国際的に3Rを推進するための日本の行動計画として平成17年に策定した、「ゴミゼロ国際化行動計画」を実行していく必要がある。

 このため、平成17年11月に、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の下に「国際循環型社会形成と環境保全に関する専門委員会」を設置し、5回にわたって集中的な議論を行っており、本年3月の「3Rイニシアティブ高級事務レベル会合」を見据えて、中間報告をとりまとめたものである。(委員の詳細は参考1を参照。)

2.中間報告の概要

(1)アジアに発信する我が国の廃棄物・リサイクル対策の経験

  • 不法投棄問題を始めとした、我が国の以前の状況を紹介。
  • 近年の我が国の廃棄物・リサイクル対策について、[1]法制度等のシステムの整備、[2]廃棄物・リサイクル技術の発展、[3]地域に根ざし、関係者が一体となった取組の推進の3つを中心に整理。

(2)東アジア全体での循環資源の適正な利用・処分の実現

  • 我が国と関係の深い東アジア地域全体を視野に入れ、循環資源をめぐる動向を整理し、その適正な利用・処分の重要性を説明。
  • 循環資源には有害性等の環境負荷と資源としての有用性があることを踏まえ、環境汚染の防止を前提に、それぞれの各国内での循環資源の適正処理能力の向上を最優先に、国際移動はこれを補完するものと位置付け、環境負荷が低減されることを前提条件に、これが満たされる場合に資源の有効利用を推進。
  • こうした考え方を踏まえた我が国の取組として、
    [1]
    東アジア諸国等との政策対話を実施し、ベトナム等での3R推進の計画策定や制度構築等を視野に、循環資源の適正利用・処分能力を向上させる取組の充実・強化や、
    [2]
    アジアのネットワークの充実・強化を通じた、中古製品等と偽装された有害廃棄物の輸出入の取締り強化等、循環資源の国際的な移動に伴う不法行為の防止、
    [3]
    途上国等で適正処理できない希少資源を含んだ循環資源の我が国への受け入れの検討等、環境保全上望ましい形での循環資源の国際移動の円滑化 等を推進し、その際には、途上国のニーズや、我が国の国内システムへの影響等に留意。

(3)今後の更なる取組へ

  • 東アジア諸国を「パートナー」ととらえ、3Rの考え方等の基本認識を共有した上で、「東アジア循環型社会ビジョン」の実現を目指して協働。

    (より詳細については、別添参考2(概要)及び3(本文)を参照。)

3.今後の対応

 本中間報告を受け、「G8・3Rイニシアティブ」のフォローアップを行うため、東京で開催される「3Rイニシアティブ高級事務レベル会合」(3月6日~8日)の場で、

[1]
田中専門委員長から、本報告書の概要を我が国の取組として発表いただくことを予定しているほか、環境省としても、我が国のこれまでの廃棄物・リサイクル対策の取組を発表し、平成24年までの「東アジア循環型社会ビジョン」の策定を改めて提唱するとともに、
[2]
今後のアジアの取組を中心に、より具体的な政策課題やスケジュール等について、意見交換や新たな提案を行っていく予定。

 こうした取組を通じ、環境省としては、東アジア全体での循環型社会形成の取組を推進し、将来的には、こうした取組の進捗に合わせ、平成20年に我が国で開催されるG8サミット等を節目として、「3Rイニシアティブ」提案国として、東アジア地域等での取組を一層推進していく。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
課長:森本 英香(内線6811)
 補佐:島村 知亨(内線6820)
 担当:藤本 順也(内線6819)

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