報道発表資料

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2006年02月13日
  • 地球環境

国連環境計画(UNEP)第9回管理理事会特別会合/グローバル閣僚級環境フォーラムの結果について

国連環境計画(UNEP)第9回管理理事会特別会合及びグローバル閣僚級環境フォーラムが2月7日(火)から9日(木)まで、アラブ首長国連邦・ドバイで開催されました。

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1.開催日:
平成18年2月7日(火)~9日(木)
2.会議名:
国連環境計画(UNEP)第9回管理理事会特別会合
 及びグローバル閣僚級環境フォーラム
3.開催地:
アラブ首長国連邦・ドバイ
4.出席者:
約170カ国から環境担当閣僚級等が出席した他、国際機関、NGO代表などが参加。我が国からは小島敏郎環境省地球環境審議官が政府代表としてグローバル閣僚級環境フォーラムに出席。
5.概要
 今回の会合は、昨年11、12月にモントリオールで開催された気候変動枠組条約COP11、COP/MOP1以降、各国の閣僚級がエネルギーと環境を議題に討議する初めての国連による会合であり、会合の結果は議長サマリーにまとめられ本年5月にニューヨークで開催される第14回国連持続可能な開発委員会(CSD14)に報告される。
(1)開会
 UNEP管理理事会議長のRachmat Witoelarインドネシア環境大臣による開会の辞に続き、Hamad A.Al Midfaaアラブ首長国連邦保健大臣兼環境長官が歓迎の挨拶、Yahya A.J.J Jammehガンビア大統領、Moritz Leuenbergerスイス大統領が基調講演を行った。
(2)管理理事会特別会合
 UNEPの科学的知見の向上を目的として事務局が提案している「Environment Watch」システムについて説明があった。環境に関する現状を評価・分析する同システムの機能については基本的に肯定的な反応であったが、国内レベルでの人材育成が必要であること、システムが複雑であり実施までに一層の検討が必要であるなどの意見が出された。我が国からは、同システムの設立にあたってUNEPの既存の人的資源及び財政枠組みの中で賄うこと、また、全球地球観測システム(GEOSS)設立のための10年実施計画との調和に留意して進めるべきであることを発言した。
 また、途上国政府への人材育成支援と技術支援を目的とする「バリ戦略計画」は昨年2月の第23回UNEP管理理事会で決議され、今次会合ではパイロットプロジェクトを実施しているガンビアの進捗状況が報告された。各国からは同戦略計画への期待が多く表明されたが、既存の人的資源と財政の一層の活用が必要であるとの指摘があった。
 さらに、「化学物質管理」については、本会合に先立って開催された国際化学物質管理会議で採択された「国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ」(SAICM)が承認され、UNEPが基金の設立等によりその履行のための責務を負うことを求める決議が採択された。(同アプローチの概要についてはhttps://www.env.go.jp/chemi/saicm/index.htmlを参照下さい。)
(3)グローバル閣僚級環境フォーラム
 参加各国の閣僚級代表の間で、「エネルギーと環境」、「観光と環境」「国際環境ガバナンス」をテーマに討議が行われた。
 「エネルギーと環境」では、エネルギー安全保障、気候変動への対処、持続可能な開発を中心に議論が行われた。会合では、今後世界のエネルギー需要が急増すると予想されること、途上国においては森林破壊や大気汚染等が発生しているといった状況を踏まえ、よりクリーンなエネルギーへのアクセスの改善が喫緊の課題であること、省エネルギー技術、代替燃料、再生可能エネルギーなどクリーンな技術の開発、普及、移転が重要であり、このような技術への投資を促進するための長期的な政策枠組み、ODAや民間企業の活動も含め、国際社会が協力して取りくんでいくことの重要性が指摘された。また、モントリオールで開催されたCOP11、COP/MOP1の成果等を踏まえ、CDM/JIを含む京都メカニズムの推進が重要であること等も指摘された。我が国からは、クリーンな技術の途上国への移転は民間ベースでの協力が不可欠であり、政府はこのための環境を整備する役割があること、クールビズなどのライフスタイルの変革に関する取組を積み重ねていくことも重要であること等を述べた。
 「観光と環境」では、各国から観光産業の振興による貧困の改善が注目されると共に、環境的に持続可能な観光開発の必要性が強調され、そのための持続可能な消費と生産が重要との指摘がなされた。我が国からは、国内のエコツーリズム振興や保護区管理の取組紹介を行った。
 また、昨年2月の第23回管理理事会に引き続き「国際環境ガバナンス」についての意見交換が行われ、UNEPの専門機関化を含む機能強化について各国が意見を交わした。我が国からは、国連全体の改革を念頭に、合理化・効率化の観点から総合的に検討する必要がある旨発言した。
連絡先
環境省地球環境局総務課
課長:清水 康弘(6710)
 調査官:奥田 直久(6720)
 補佐:行木 美弥(6725)
 担当:三村 悟 (6726)