報道発表資料

この記事を印刷
2006年01月23日
  • 水・土壌

「湖沼水質保全基本方針」の変更の閣議決定について

平成17年6月に公布された改正湖沼水質保全特別措置法に基づき、「湖沼水質保全基本方針の変更」が1月24日(火)に閣議決定される予定です。
 今回の変更は、顕著な改善傾向が見られない湖沼の水質を保全するため、農地・市街地等から流出する汚濁の削減や湖の周辺の植生の保護を推進するための地区指定に関する基本的事項などを定めるものです。

1.背景

(1)

湖沼の水質については顕著な改善傾向が見られない状況にあることから、平成17年1月の中央環境審議会答申「湖沼環境保全制度の在り方について」を踏まえ、昨年の通常国会において、湖沼水質保全特別措置法(以下「湖沼法」という。)が改正(6月22日公布)され、以下の制度が導入されました。

  • 農地、市街地等から流出する汚濁の削減を図るため、都道府県知事による流出水対策地区の指定制度
  • 湖沼の水質の改善に資する植生を保護するため、都道府県知事による湖辺環境保護地区の指定制度
  • 新増設の工場・事業場のみに実施していた負荷量規制を既設事業場にも適用
  • 都道府県知事が策定する湖沼水質保全計画の策定手続きに関係住民の意見聴取の位置づけ 等

(2)

湖沼水質保全基本方針は、湖沼法(第2条第1項)に基づく湖沼の水質の保全を図るための基本方針であり、現在の基本方針は、昭和59年12月に策定されています。
今般、改正湖沼法に基づき、湖沼水質保全基本方針を変更することになりました。

2.湖沼水質保全基本方針の変更の概要

湖沼水質保全基本方針の主な変更点は以下の通りです。

(1) 指定湖沼を有する都道府県の湖沼水質保全計画の策定に関する基本的事項への追加

望ましい湖沼の水環境及び流域の状況等に係る長期ビジョンの共有

湖沼水質保全計画に、以下の事項を盛り込むこと

  • 目標及び対策と長期ビジョンをつなぐ道筋
  • 対策ごとの定量的な目標、実施主体、実施時期、対策地域、対策内容
  • 水循環回復等に係る対策
  • 行政主体の対策だけでなく、地域住民等による取組及び関係主体の協働による取組

計画の策定段階における地域住民等の意見聴取、計画の実施・評価段階における地域住民等の参加

(2)流出水対策地区の指定に関する基本的事項を追加

流出水の汚濁量の占める割合が大きい地区について、流入河川の流域等のまとまった流域を最大限として指定

(3)湖辺環境保護地区の指定に関する基本的事項を追加

湖沼、湖岸から湖沼と一体で存在する湿地帯、流入河川河口部、内湖等において植生が一体として保護できる区域を指定

3.今後の予定

指定湖沼を有する都道府県においては、本基本方針に基づき、湖沼水質保全計画の策定を順次行うことになります。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
課長:紀村 英俊(内線6610)
 補佐:中島 恵理(内線6616)
 補佐:鈴木 克昌(内線6619)
 補佐:山田 潤一郎(内線6617)