報道発表資料
また、光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は、10都府県で、その人数は合計1,495人でした。
1.光化学オキシダント注意報等発令状況
平成17年の光化学オキシダント注意報等の発令状況は、21都府県で発令され、その延日数は185日でした(平成16年の発令日数、189日(22都府県))。この中には、埼玉県において光化学オキシダント警報が発令された1日(9月2日)が含まれています。都道府県別の発令延日数は、千葉県が28日で最も多く、次いで埼玉県が26日、東京都が22日となっています。月別にみると7月が最も多く(68日)、次いで9月(44日)、6月(43日)の順でした。
また、光化学オキシダント注意報等の発令日数は、気象条件等にも影響されるため、年により増減しますが、昼間の日最高1時間値の年平均値は、近年漸増の傾向にあります。17年の光化学オキシダント濃度の1時間値の最高値は、8月5日の千葉県市原地域の0.258ppmでした。
- 注)
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「注意報等」 : 注意報及び警報をいう。 「注意報」 : 光化学オキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に、人の健康及び生活環境に係る被害を未然に防止するため、大気汚染防止法第23条第1項の規定により発令されます。 「警報」 : 各都道府県等が独自に要綱等で定めているもので、一般的には、光化学オキシダント濃度の1時間値が0.24ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に発令されます。 「延日数」 : 都道府県を一つの単位として注意報等の発令日数を合計したものであり、同一日に同一都道府県内の複数の発令区域で注意報等が発令されても、当該都道府県での発令は1日として数えます。
2.被害届出状況
平成17年の光化学大気汚染によると思われる被害の届出は、10都府県で、その人数は合計1,495人でした(平成16年の被害届け出人数、393人(9都府県))。これは、過去10年間で最も多く、統計を取り始めた昭和45年からの36年間では多い方から13番目でした。
都道府県別では、埼玉県の883人(警報発令日9月2日、785人を含む)が最も多く、次いで神奈川県の276人、東京都の247人、となっています。月別にみると9月に1,325人、7月に156人、6月に14人となっており、それ以外の月には被害届出はありませんでした。
集団被害発生(届出人数が20人以上)は12件で、その届出人数は1,240人で、被害届出人数の約83%を占めています。内訳は、小学生が約57%で最も多く、次いで中学生が約32%となっています。被害の多くは屋外での授業中等に発生しています。被害症状は、目やのどに関する症状が多く、いずれも休息、洗眼、うがいにより回復しました。
3.今後の対策
光化学オキシダントの主な原因物質は窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)です。
NOx対策としては、これまでも大気汚染防止法、自動車NOx・PM法等に基づき、発生源からの排出抑制を行っており、引き続き排出抑制に努めていくこととしています。
一方、VOC対策については、平成16年5月にVOCの排出抑制を目的として大気汚染防止法が改正され、平成18年4月からVOC排出事業者に対してVOCの排出施設の届出義務、排出基準の遵守義務等が課されることになっています。
また、引き続き「大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)」を活用し、大気汚染物質の広域的な監視を実施するとともに、一般に広く情報提供を行っていくこととしています。
参考
1.光化学オキシダントの発生機構
光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物、VOCを主体とする一次汚染物質が、太陽光線の照射を受けて光化学反応を起こすことにより発生する二次的な汚染物質です。日差しが強く、気温が高く、風が弱い日等に高濃度になりやすいことがわかっています。
2.緊急時の措置の概要
大気汚染防止法においては、光化学オキシダントの濃度が高くなり、被害が生ずるおそれがあるときは、都道府県知事等が注意報等を発令し、報道、教育機関等を通じて、住民、工場・事業場等に対して情報の周知徹底を迅速に行うこととなっています。
また、この際、光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物等の排出削減のため、工場・事業場等に対してはばい煙排出量の削減について、自動車の使用者に対しては運転の自主的制限について、それぞれ協力を求めることとなっています。
3.大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)
全国の大気環境データや光化学オキシダント注意報等発令状況などをリアルタイムで収集し、地図情報等に加工しインターネットにより情報提供を行うシステムです。平成12年6月に、環境省が光化学オキシダントによる被害の未然防止等を目的として構築したシステムです。平成14年6月からは、携帯電話にも光化学オキシダント注意報等発令の情報を提供しています。
URL(http://w-soramame.nies.go.jp/)
URL(http://sora.nies.go.jp/)(携帯電話用サイト)
添付資料
- 表1 注意報等発令延日数及び被害届出人数の推移 [PDF 10 KB]
- 図1 注意報等発令延日数、及び被害届出人数の推移 [PDF 68 KB]
- 表2 平成17年の月別注意報等発令延日数 [PDF 11 KB]
- 図2 平成17年 各都道府県の注意報等発令延日数 [PDF 93 KB]
- 表3 平成17年の日別被害届出人数 [PDF 18 KB]
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局大気環境課
課長:松井 佳巳(6530)
課長補佐:佐藤 美稚子(6538)
担当:木下 直隆 (6538)