報道発表資料
1 地球温暖化対策及び大気環境保全対策の推進
(1)環境税
自由民主党・公明党「平成18年度税制改正大綱」の検討事項の冒頭に、以下のとおり盛り込まれた。(平成17年12月15日)
「わが国は環境先進国として、地球温暖化問題において世界をリードする役割を果たすため、平成17年4月に京都議定書目標達成計画を閣議決定し、国、地方をあげて多様な政策への取り組みを開始し、6%削減約束を確実に達成することとしている。環境税については、平成20年から京都議定書の第一約束期間が始まることを踏まえ、さまざまな政策的手法全体の中での位置づけ、課税の効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係等に考慮を払いながら納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討する。」
(2)自動車の低公害化、低燃費化の促進
[1] 自動車税のグリーン化について以下のとおり、適用期限を延長 (地方税:自動車税)
〔措置内容〕
○軽課: | 平成18年度及び平成19年度に新規登録される以下の自動車について、当該登録の翌年度に、自動車税を以下のとおり軽減。 |
低排出ガス(新☆☆☆☆)+ 低燃費(基準20%かさ上げ)車、電気自動車(燃料電池自動車を含む)、天然ガス自動車、メタノール自動車 |
概ね50%軽減 |
低排出ガス(新☆☆☆☆)+ 低燃費(基準10%かさ上げ)車 | 概ね25%軽減 |
※新☆☆☆☆:排出ガスが平成17年基準値の1/4以下の自動車
※低燃費車 :改正省エネ法に基づく燃費基準達成車
○重課: | 平成18年度及び平成19年度に以下の年限を超えている自動車(電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、一般乗合用バス及び被けん引車を除く)について、年限を超えた翌年度から自動車税を以下の通り重課。 |
車齢11年超のディーゼル車 |
概ね10%重課 |
車齢13年超のガソリン車 | 概ね10%重課 |
[2] 一定の排出ガス性能を有する低燃費車に係る自動車取得税の課税標準の特例措置について以下のとおり適用期限を延長(地方税:自動車取得税)
〔措置内容〕
・低排出ガス(新☆☆☆☆)+ 低燃費(基準20%かさ上げ)車:控除額 30万円 ・低排出ガス(新☆☆☆☆)+ 低燃費(基準10%かさ上げ)車:控除額 15万円 |
※新☆☆☆☆:排出ガスが平成17年基準値の1/4以下の自動車
※低燃費車 :改正省エネ法に基づく燃費基準達成車
[3] ディーゼル車に係る自動車取得税の特例措置について以下のとおり見直し
車両総重量が3.5tを超えるディーゼルトラック・バス等であって2015年度を目標とした重量車燃費基準を満たすもの(以下「低燃費トラック等」という。)であり、かつ、排出ガス性能が良いものについて特例措置を講ずる。
(地方税:自動車取得税)
〔措置内容〕
《車両総重量が3.5tを超えるディーゼルトラック・パス等のうち》
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[4] 排出ガス規制に適合した特定特殊自動車の固定資産税の軽減措置の創設(地方税:固定資産税)
〔措置内容〕
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律における基準適合表示の付された特定特殊自動車(オフロード車)に係る固定資産税について、課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする措置を、同法により定格出力及び燃料ごとに定める規制開始までの期間に限り講ずる。
ただし、燃料が軽油のもので定格出力が130kW以上560kW未満については、規制開始後1年間までの期間を延長して講ずる。
[5] エネルギー需給構造改革投資促進税制における低公害車及び低公害車用燃料供給設備に係る特別償却制度又は税額控除措置の適用期限を延長 (国税:所得税・法人税)
〔措置内容〕
基準取得価額の7%相当額の税額控除、又は、普通償却に加えて基準取得価額の30%相当額を限度として償却できる特別償却のいずれかを選択。
(3)その他
バイオマスの活用を促進するため、エネルギー需給構造改革推進投資促進税制及び再商品化設備等の特別償却制度の対象設備にバイオマス利活用設備を追加 (国税:所得税・法人税)
〔措置内容〕
現行の税制特例措置が未適用のバイオマス関連設備について、以下の税制特例措置を適用。
・エネルギー需給構造改革推進投資促進税制
・再商品化設備及び再資源化設備に係る特別償却制度
2 循環型社会の実現に向けた廃棄物・リサイクル対策の推進
(1)リサイクル施設の整備推進
再商品化設備等に係る特別償却制度及び廃棄物再生処理用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長 (国税:所得税・法人税、地方税:固定資産税)
〔措置内容〕
・ 特別償却率の割合
再商品化設備及び再資源化設備:初年度23%
特定再生資源利用製品製造設備:初年度14%
再生資源分別回収設備 :初年度14%
・ 固定資産税:課税標準 当初3年間 3/4
(2)その他廃棄物対策の推進
[1] 廃棄物処理法に規定する広域的処理に係る環境大臣の認定を受けた者の事業の用に供する施設等に係る事業所税の課税標準の特例措置の延長 (地方税:事業所税)
[措置内容]
廃棄物処理法に規定する広域的処理に係る環境大臣の認定を受けた者の事業の用に供する施設等について、資産割の課税標準を3/4控除。
[2] 廃棄物処理施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長するとともに、アスベスト廃棄物の処理施設に係る特例措置を拡充 (地方税:固定資産税)
[措置内容]
廃棄物処理施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置を延長。
なお、アスベスト廃棄物処理用施設に係る特例措置については、
政省令案の内容を見て検討することとされた。
[3] 産業廃棄物処理用設備(PCB廃棄物等処理用設備)に係る特別償却措置の適用期限を延長するとともに、アスベスト廃棄物の処理施設に係る特例措置を拡充。 (国税:所得税・法人税)
[措置内容]
・ 産業廃棄物処理用設備(PCB廃棄物等処理用設備)に係る特別償却措置(初年度14%)の延長
・ 特別償却制度の対象施設にアスベスト廃棄物処理用設備を追加。
[4] 最終処分場の埋立終了後の維持管理費用の積立て(維持管理積立金)について、積立金を損金又は必要経費に算入する制度の適用期限を延長 (国税:所得税・法人税)
[措置内容]
廃棄物最終処分場における埋立終了後の維持管理に要する費用に備えるための準備金(維持管理積立金)制度に基づく積立金の損金算入等。
3 安全・安心な社会の構築
(1)アスベストによる健康被害の救済
平成18年通常国会に提出を予定している「石綿による健康被害の救済に関する特別措置法(仮称)」の具体的内容を踏まえた税制上の所要の措置を講ずること。
(国税:所得税・法人税・消費税、地方税:個人住民税・法人住民税・法人事業税)
※ 法案の内容を見て検討することとされた。
(2)公害防止対策の推進
[1]以下の公害防止用設備に係る特別償却制度の適用期限を延長 (国税:所得税・法人税)
・ 指定物質(ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン)回収設備
・ 汚水処理用設備
・ ばい煙処理用等設備
〔措置内容〕
特別償却の割合:初年度14%(ただし構築物については、初年度10%)
[2]以下の公害防止用設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の適用期限を延長 (地方税:固定資産税)
〔措置内容〕
- 揮発性有機化合物排出抑制設備
→ 課税標準1/6(優良更新は1/2) - 窒素酸化物抑制施設
→ 課税標準2/3(優良更新は2/3) - ばい煙処理施設
→ 課税標準1/6(優良更新は2/3) - 指定物質の排出又は飛散の抑制に資する施設
→ 課税標準1/3 - 水質汚濁防止法に規定する特定施設又は指定地域特定施設から生じる汚水の処理施設
→ 課税標準1/6(優良更新は2/3) - 湖沼水質保全特別措置法の指定施設から生じる汚水の処理施設
→ 課税標準2/3 - 水質汚濁防止法の有害物質により汚染された地下水を浄化する施設
→ 課税標準1/2 - 土壌浄化施設
→ 課税標準1/3 - ダイオキシン類排出削減装置
→ 課税標準1/3(優良更新は2/3)
[3] 特定事業用資産の買換え(交換)の場合の譲渡所得の課税の特例の適用期限の延長(国税:所得税・法人税)
・ 騒音発生施設
・ 水質汚濁防止法の特定施設等
・ ばい煙発生施設
4 その他
NPO法人の活動促進に資するよう、税制優遇措置の拡充
(国税:所得税・法人税・相続税、地方税:個人住民税・法人事業税・法人住民税)
〔措置内容〕
・ パブリック・サポート・テスト(PST)の緩和措置の延長
・ PSTで、寄附金以外の社員の会費及び国等からの補助金を一定条件下で算入
できるよう緩和
・ 小規模団体について、申請書類を簡素化 等
研究開発促進関連税制の見直し・強化及び戦略システム・セキュリティ投資促進税制の創設
(国税:所得税・法人税)
〔措置内容〕
[1] 研究開発促進税制
- 売上高に対する試験研究費の割合に応じ、税額から試験研究費の一定割合を控除
- 上記措置に加え、試験研究費の増加額に対して追加的な控除を行う。
[2] 戦略システム・セキュリティ投資促進税制
- 情報セキュリティ強化と国際競争力の観点から、高度な情報セキュリティが確保された情報システム投資を促進し、情報基盤を強化するための税制上の措置を講ずる。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
課長:鎌形浩史(内線6260)
補佐:山田章平(内線6933)
担当:松本行央(内線6264)