報道発表資料

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2005年11月18日
  • 自然環境

ラムサール条約第9回締約国会議の結果概要について

ラムサール条約第9回締約国会議が、11月8日~15日にカンパラ(ウガンダ)において開催されましたのでその結果概要をお知らせします。
同会議では、条約の履行状況について事務局から報告が行われたほか、合計25本の決議が採択されました。
また、同会議の開催に併せて、新たに20か所の国内湿地が同条約湿地登録簿に掲載され、ラムサール条約事務局より登録認定証が関係自治体に授与されました。

1 第9回締約国会議の結果概要

 ラムサール条約(正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約。発効:1975年)の第9回締約国会議(副題「Wetland and water : supporting life, sustaining livelihoods」「湿地と水:命を育み、暮らしを支える」(暫定訳))が、以下のとおり開催されました。

(1)期日
2005年11月8日(火)~15日(火)
(2)場所
ウガンダの首都カンパラ郊外ムニョニョ(MUNYONYO)
スピークリゾート(SPEKE RESORT)
(3)参加者
 締約国政府代表(約120か国。非締約国もオブザーバー参加)、条約事務局、国際機関、NGO等約1,000人。我が国からは、政府代表団のほか、関係自治体及びNGO等50人以上が参加。政府代表団は外務省、環境省、国交省及び(財)自然環境研究センターから構成。
(4)主な検討事項
(ア)ラムサール条約の効果的な履行に地域フォーラムが果たす重要性に関する決議
 アジア諸国に対し、「アジア湿地シンポジウム」の果たす役割の認識と積極的な参加を要請し、他の地域でも条約の効果的な履行のためのツールとして地域フォーラムの活用を呼び掛ける決議案を我が国から提案し、ほぼ原案どおり採択された。
(イ)ラムサール条約の枠組みにおける地域イニシアティブ
 我が国が豪州と共同で提案していた「東アジア・東南アジア・オーストラリア地域における渡り性水鳥の生息地の保全と持続的な利用に関するWSSDタイプ2パートナーシップ」は、条約の枠組みに基づく地域イニシアティブの一つとして承認された。
(ウ)高病原性鳥インフルエンザに対応した湿地及び水鳥の管理
 高病原性鳥インフルエンザに対応するための決議案が緊急的な事項として会議の場において提案された。鳥類及び野生生物の専門家と公衆衛生及び畜産の専門家と連携を図ること、鳥インフルエンザを予防するために野鳥を殺したり、湿地を破壊、改変することはラムサール条約上好ましくないことを述べるとともに、条約事務局に対し、WHO、FAO等と連携を図りつつ、高病原性鳥インフルエンザに関する正しい情報提供を促進すること等を求める内容が採択された。
(エ)「国際的に重要な湿地のリストを将来的に拡充するための戦略的枠組み及びガイドライン」の改正
 ラムサール条約湿地に係る従来の8つの基準に加え、基準9として湿地に依存する鳥類以外の動物種(又は亜種)の地域個体群の1%以上を支える場合に適用する基準が新たに追加された。
 なお、当初基準1に含めることが提案されていた湿地の文化的価値については、他の決議においてガイダンスとして示されるに留まった。
(オ)その他
  • 2008年に開催予定のCOP10の開催地は韓国(慶尚南道)に決定した。
  • 2006年-2008年の常設委員会のアジア地域代表は、中国、タイ及びイランに決定した。我が国は連続2期にわたって地域代表を務めたため、規則に従って今回会議をもって地域代表から退いた。
  • ラムサール湿地保全賞の教育分野で、日本のラムサールセンター(RCJ)の中村玲子事務局長が、豪州のウェットランドセンターとともに、11月8日の開会式において表彰された。

2 ラムサール条約湿地新規登録箇所の登録認定証授与式

 11月10日に、11月8日付けで新たに登録された20か所のラムサール条約湿地について、関係自治体への登録認定証授与式を開催。参加者は、ラムサール条約事務局、「ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会」、日本代表団、関係自治体、NGO、各国代表団等約100名(うち海外参加者は約40名)。
 事務局長より、COP9に参加した関係自治体に対し登録認定証が授与されました。条約湿地数の増加のみならず、多様なタイプの湿地を登録した日本の努力が事務局長から高く評価されました。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長 名執 芳博(6460)
 補佐 鈴 木 明(6465)
 係長 守分 紀子(6468)

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