農用地土壌汚染に係る細密調査結果及び対策の概要

[1]．概要

　細密調査は，「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づく農用地土壌汚染対策地域の指定，農用地土壌汚染対策計画の策定等に資するため，汚染地域及びそのおそれのある地域を対象に都道府県が行い，カドミウム，銅及び砒素の特定有害物質による農用地土壌汚染の実態を明らかにするものである。
　平成９年度のカドミウムに係る細密調査の結果，新たに基準値（カドミウムについては玄米中１．０mg／kg）以上検出された地域はなかった。
　なお，銅及び砒素に係るに係る調査は行われなかった。
　一方，客土等の対策事業の平成１０年度末完了予定面積は，累計で５，５７０ｈａとなっており，基準値以上検出面積（７，１４０ｈａ）に対する対策事業完了予定面積の割合（進捗率）は前年度より２．２％増加し７８．０％となる見込み。
[2]．平成９年度細密調査結果

　細密調査は，汚染のおそれのある地域で汚染状況等を把握したり，既に汚染が明らかになっている地域で汚染範囲を確定するために行っており，平成９年度では延べ１０地域の７１０ｈａで調査を行った。その結果，新たに基準値以上の汚染が検出された地域はなかった。

＜平成９年度の対象地域等＞

[3]．基準値以上検出地域における土壌汚染対策の実施状況

１．平成９年１１月以降の対策地域の指定，対策計画の策定及び対策地域の指定解除の状況

（１）対策地域の指定地域　　　 　　　　　 　比内地域（秋田県，　３．４ｈａ）

（２）対策計画の策定の地域　　　 　　　　 　該当無し

（３）対策地域の指定解除の地域　全部解除　　下前地域（岩手県，２３．０ｈａ）

　注１）（　）内は指定解除の該当県と該当地域の面積である。


２．土壌汚染対策事業の進捗状況（平成１０年１０月現在）

（１）基準値以上検出地域の累計　　　　　　 １２９ 地域　７，１４０　ｈａ

（２）対策地域として指定された地域の累計　　 ６７ 地域　６，２７０　ｈａ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（８７．８　％）
　　　（現在指定されている地域　　　　　　 　２６ 地域　２，５２０　ｈａ）

（３）対策計画策定面積の累計　　　　　　　　 ６７ 地域　６，１８０　ｈａ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（８６．６　％）
　注２）現在，対策計画策定中の地域を含む。

（４）対策の進捗
　　{1}対策事業完了（一部完了地域の面工事分を含む）面積　５，１１０　ｈａ
　　　　　うち指定解除面積　　　　　　　　　　　　　　　３，７４０　ｈａ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（５２．４　％）
　　{2}県単独事業等完了　　　　　　　　　　　　　　　　　　　４６０　ｈａ
　　{3}対策の完了面積（{1}＋{2}）　　　　　　　　　　　　　５，５７０　ｈａ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（７８．０　％）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜前年度７５．８　％＞

（５）未指定地域　　　　　　　　　　　　　　　３０地域　　　４２０　ｈａ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　注３）{1}は，事業が完了した地域面積に現在事業実施中の地域における面工事完了面積（平成１０年度末予定）を加えたものである。
　注４）（　）内は，基準値以上検出地域面積に対する比率


　　　　（参考）　昭和４６年以降の基準値以上検出地域，面積の累計