報道発表資料
このたび、平成17年度の実証調査対象として、22件の応募技術の中から6件を採択し、実証調査を開始するので、公表します。
1.本調査の目的
土壌汚染の状況を把握するための調査や汚染の除去等の措置のためには、多大な費用と時間を要するため、汚染原因者や土地所有者等に対し、無理なく速やかに汚染の除去等を講じてもらい、周辺住民にとって安全・安心な環境を確保するためには、安全性、確実性が有り、より低コスト・低負荷型の土壌汚染調査・対策技術を実用化して普及させていくことが必要です。
また、ダイオキシン類汚染土壌の対策を円滑に実施していくためには、処理の効果、処理に伴う周辺環境への影響の有無について、客観的かつ詳細な技術評価がなされた技術を用いることが不可欠です。
このため、本調査は、上記土壌汚染調査・対策技術検討の今年度の対象技術であるPCB汚染土壌対策技術として公募した技術の中から、実証調査の対象技術を選定し、選定した技術について実証調査を行い、その結果等も踏まえ当該技術の総合的な評価を行います。これら評価結果を公表することにより、実用段階にある土壌汚染調査・対策技術に関する知識の普及と土壌汚染対策の推進を図ることとしています。
2.本調査の対象技術の選考
平成17年5月9日から6月24日まで、本調査の対象となるPCB汚染土壌の調査技術及び対策技術の募集を行ったところ、計22件の応募がありました。
これらの応募技術について、あらかじめ募集書類に示していたとおり、学識経験者からなる「平成17年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討会」及び「平成17年度ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等確立調査検討会」を合同開催し、以下の採用基準に照らし、厳正な審査を行った結果、別紙のとおり6件の技術を本調査の対象技術として採択し、実証調査を開始します。
平成17年度実証調査採用基準
次の条件を満たす技術であること。
- ○
- 原理的にみてPCBの浄化を安全確実に行うことができ、副産物を含めて物質フロー(反応経路及び排出経路)が明らかであること。
- ○
- すでに実用段階にあると認められること。
- ○
- 多様な汚染土壌の性状(含水率、粒径、土質、植物根の混入など)に応じた適用を可能とする実用性について、十分に技術的な検討が行われていること。
- ○
- 技術が他の類似又は同種の技術と比べて経済的に優れていること。
- ○
- 周辺環境への二次影響の防止対策が考慮されていること等、処理を行う場所の関係自治体や住民の理解を得ることができると認められる技術であること
- ○
- 調査技術については他の類似又は同種の技術と比べて環境負荷が低いこと。
なお、本選考結果は応募技術の優劣を示すものではありませんのでご留意願います。
3.今後の予定
今後、概ね以下のスケジュールで進める予定です。
- 実証調査の実施:平成17年11月~平成18年2月
- 実証調査結果の取りまとめ:平成18年3月
4.検討員名簿
- ○
- 平成17年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討会 検討員名簿
(50音順、敬称略)
氏名
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役職
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---|---|
嘉門 雅史 | 国立大学法人 京都大学大学院地球環境学堂 教授 |
川本 克也 | 独立行政法人 国立環境研究所 循環型社会形成推進・廃棄物研究センター適正処理技術研究開発室長 |
駒井 武 | 独立行政法人 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 地圏環境評価研究グループ長 |
中杉 修身 | 学校法人 上智大学地球環境学研究科 教授 |
平田 健正 | 国立大学法人 和歌山大学システム工学部環境システム学科 教授 |
細見 正明 | 国立大学法人 東京農工大学工学部化学システム工学科 教授 |
矢木 修身 | 国立大学法人 東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター 教授 |
- ○
- 平成17年度ダイオキシン類汚染土壌浄化技術等確立調査検討会
(50音順、敬称略)
氏名
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役職
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---|---|
泉澤 秀一 | 社団法人 産業廃棄物処理事業振興財団 理事・技術部長 |
酒井 伸一 | 国立大学法人 京都大学 環境保全センター センター長 |
桜井 健郎 | 独立行政法人 国立環境研究所 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト総合化研究チーム 主任研究員 |
鈴木 規之 | 独立行政法人 国立環境研究所 内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト総合化研究チーム 総合研究官 |
細見 正明 | 国立大学法人 東京農工大学工学部化学システム工学科 教授 |
矢木 修身 | 国立大学法人 東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター 教授 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局土壌環境課
課長: 鏑木 儀郎(内線6650)
補佐: 太田 志津子(内線6652)
担当: 佐藤 一徳(内線6680)