報道発表資料

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2005年10月17日
  • 総合政策

川崎天然ガス発電所に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

環境省は、川崎天然ガス発電所に係る環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業大臣に対し、発電設備の稼働に伴い排出される窒素酸化物及び二酸化炭素のより一層の低減を求める環境大臣意見を提出した。
  1.  環境省は、川崎天然ガス発電所(神奈川県川崎市、事業者:川崎天然ガス発電株式会社)に係る環境影響評価準備書について、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成17年10月17日付けで経済産業大臣に対し、環境大臣意見を提出した。

  2.  本事業は、火力発電所の中では環境負荷の低い天然ガスを燃料とし、また、発電効率の高いコンバインドサイクル発電システムを採用することとしている。しかしながら、本事業が実施される区域の周辺は、二酸化窒素に係る環境基準を達成していない地点があり、これまで大気環境改善に向けた各種対策が長期にわたり集中的に講じられてきた地域である。また、大規模な発電設備であることから、二酸化炭素排出量は約214万t-CO2/年に上る。
     これらのことから、環境大臣意見では以下の内容について指摘している。
    (1)
     施設の稼働に伴い排出される窒素酸化物について、設備の運転管理・維持管理の徹底等により、排出濃度をより一層低減すること。
    (2)
     発電効率を高く維持し、単位発電量当たりの二酸化炭素排出量をより一層低減すること。
  3.  なお、事業者に対しては、経済産業大臣から、環境大臣意見を勘案した勧告 がなされることとなる。

[環境大臣意見の内容]

1.窒素酸化物

 対象事業実施区域周辺は、二酸化窒素に係る環境基準を達成していない地点があり、「大気汚染防止法」に基づく窒素酸化物に係る総量規制地域及び「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づく対策地域に指定され、これまで大気環境改善に向けた各種対策が長期にわたり集中的に講じられてきた地域である。このような地域において行われる本事業については、窒素酸化物による大気環境への影響をできる限り低減する必要がある。
 このため、施設の稼働に伴い排出される窒素酸化物について、脱硝効率が高い排煙脱硝装置を採用することに加えて、設備の運転管理及び維持管理を徹底し、排出濃度をより一層低減すること。また、その旨を評価書に記載すること。

2.温室効果ガス

 本事業は、火力発電所としては二酸化炭素排出原単位の低い天然ガスを燃料とするコンバインドサイクル方式とし、現時点における最高レベルの発電効率の設備を採用するとしているが、大規模発電所であることから、低負荷運転を避けること等により発電効率を高く維持し、単位発電量当たりの二酸化炭素排出量をより一層低減すること。また、その旨を評価書に記載すること。

[参考]

事業概要

計画位置 神奈川県 川崎市 川崎区 扇町12-1
事業者 川崎天然ガス発電株式会社
発電方式 ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式)
出力 84.74万kW(42.37万×2基)
燃料 天然ガス(約77万t/年)
運転開始時期 1号機 平成20年4月(予定)、2号機 平成20年10月(予定)
新日本石油(株)と東京ガス(株)の共同出資会社。平成12年3月の電気事業法の改正により、電力会社以外の一般事業者が、電力会社の送電設備を介して需要家へ直接供給することが可能となったことから、発電事業に参入。

環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)

方法書縦覧 平成14年5月17日~平成14年6月17日(住民意見 1通 8件)
準備書縦覧 平成17年2月8日~平成17年3月7日(住民意見 2通22件)
神奈川県知事及び東京都知事より、環境保全の見地からの意見が、経済産業大臣に対し提出されている。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長 早水 輝好(内6231)
 審査官 中西 重二(内6239)
 TEL 03-5521-8237(直通)

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