報道発表資料

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2005年10月14日
  • 大気環境

アスベスト緊急大気濃度調査の実施について

環境省では、平成17年7月29日付け「アスベスト問題への当面の対応」(アスベスト問題に関する関係閣僚による会合決定)に基づき、工場周辺の住民に被害が発生している地域や、現在アスベストの飛散が懸念される事業場周辺地域など、全国およそ140地域360地点を対象に大気中のアスベスト濃度の実測を行うこととし、本日、調査実施業者を選定するため入札公告を行いました。
 今後は、10月中に調査を開始し、今年度末を目途に調査結果を取りまとめて公表する予定です。

1.アスベスト緊急大気濃度調査の調査内容

 本調査は、平成17年7月29日付け「アスベスト問題への当面の対応」(アスベスト問題に関する関係閣僚による会合決定)に基づき、アスベストによる大気汚染の現状を把握し、今後の対策の検討に当たっての基礎資料とするとともに、国民に対し情報提供していくために実施するものであり、環境省では、アスベストに関する分析法や規制経緯等に関する学識経験者及びアスベスト問題に関係するNGOの意見を伺いながら、今般、以下のとおり調査の内容を決定しました。

(1)調査地域・地点

 平成7年度に実施した調査を拡大し、全国およそ140地域360地点を対象に大気中のアスベスト濃度の実測を行う。調査を予定している地域の内訳は以下のとおり。

[1]
工場周辺の住民に被害が発生したとされる地域
 周辺住民に被害が出たとされている代表的な地域として、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)、ニチアス王寺工場(奈良県北葛城郡王寺町)及び竜田工業竜田工場(奈良県生駒郡斑鳩町)(3地域)
[2]
アスベストの飛散が懸念される地域
石綿製品製造事業場等(19地域)
廃棄物中間処理施設及び最終処分場(20地域)
建築物の解体現場等(約20地域)
蛇紋岩採石場(3地域)
高速道路及び幹線道路沿線(4地域)

 なお、「石綿製品製造事業所等」には特定粉じん発生施設設置事業場を含み、それらについては排気口における濃度測定も実施する予定。

[3]
一般環境
住宅地域及び商工業地域(36地域)
農業地域(4地域)
[4]
過去の調査を行った地域
 過去のデータと比較対照を目的に、平成7年度に旧環境庁の委託調査を行った32地域

(2)調査方法等

[1]
サンプリング及び分析は「石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法」(平成元年環告93)及び「アスベストモニタリングマニュアル(改訂版)」(平成5年12月環境庁大気規制課)によることとし、さらに、廃棄物中間処理施設、最終処分場及び建築物解体現場等のサンプルについては、分散染色法による分析を併せて行う。
[2]

アスベスト大気濃度の実測と併せ、過去の測定データの取りまとめ及び解析を行う。

[3]
本調査及び地方自治体が独自に実施する調査により、現在稼働中の特定粉じん発生施設を有する事業場(平成17年8月26日付けプレスリリース「大気汚染防止法に基づく特定粉じん発生施設届出工場・事業場の公表について」において石綿関連製品を製造・加工中とした40事業場)の全てを調査することとなる。また、一般環境(住宅地域又は商工業地域)についても、全ての都道府県において調査することとなる。

2.今後の予定

 今後は調査実施業者の入札を行って10月中に調査を開始し、今年度末を目途に調査結果を取りまとめて調査地域名とともに公表する予定です。

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
課長: 松井佳巳(6530)
 担当: 久保善哉(6572)