報道発表資料
環境省では、職員の政策提言に基づき、大規模緑地を核としてその周辺の熱環境を改善する構想を作成することとし、「都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想検討会」を設置し、新宿御苑及びその周辺地域をモデルとして検討を進めてきました。検討の初年度においては、基本となる緑地の熱環境緩和効果、熱環境改善のプロセス、一般的な熱環境改善手法などを整理して中間報告として取りまとめました。環境省では、平成17年度において具体的な構想をまとめるべく、引き続き検討を進めます。
1 調査の趣旨
都市公園などの都市内の大規模緑地は、周辺地域より気温が低いことが知られています。しかし、現在の都市は高温化した建築物あるいは道路等の構造物からの熱放射や自動車・エアコンの排熱などにより、緑地で生成された冷気が暖められ、周辺地域の住民や企業は緑地冷気のメリットをほとんど享受できていないと考えられます。そこで、環境省では、既存の大規模緑地である新宿御苑及びその周辺をモデルとして、緑地から発生する冷気を一層活用できるようにすること等を通じてその周辺の熱環境を改善する構想を作成し、提案することを目的として、検討を開始しました。
2 中間報告の構成
- 調査の目的と進め方
- 都市緑地の熱環境緩和効果
- 周辺地域の熱環境改善とは
- 地域の熱環境改善手法
- 各主体のソフト面での役割
- 今後の課題
3 調査の体制
都市環境、地理、緑化等の専門家などからなる「都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想検討会」を設置し、調査研究結果などをもとにした助言をいただきました。検討会委員は下記の通りです(敬称略、役職名等は3月末現在)。
- 座長
- 早稲田大学教授 尾島 俊雄
- 委員
- 東京都立大学教授 三上 岳彦
- 委員
- 東京工業大学教授 梅干野 晃
- 委員
- 早稲田大学客員教授
JFEスチール(株)特別顧問 小澤 一郎 - 委員
- 東京農業大学教授 近藤 三雄
- 委員
- 武蔵工業大学教授 宿谷 昌則
- 委員
- 防衛大学校助手 菅原 広史
- 委員
- 一級建築士事務所オーガニックテーブル代表 善養寺 幸子
- 委員
- (株)チームネット代表取締役 甲斐 徹郎
- 委員
- 清水建設(株)
環境ソリューション本部
プロジェクトプランニング部副部長 高木 史人 - 委員
- ジャーナリスト・環境カウンセラー
NPO法人新宿環境活動ネット代表理事 崎田 裕子
4 今後の予定
新宿御苑から発生する冷気の一層精確な実態把握、ワークショップによる関係者の意見収集、熱環境的に優れた街区の将来プランの作成、対策の数値シミュレーション評価などを行い、新宿御苑及びその周辺地域をモデルとして、都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想を取りまとめる予定です。
大気環境・自動車対策(環境管理局)報告書
平成16年度都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討(中間報告)
平成16年度都市緑地を活用した地域の熱環境改善構想の検討(中間報告:概要)[PDFファイル 149KB]
- 連絡先
- 環境省環境管理局大気環境課大気生活環境室
室長:瀬川 俊郎(内線6540)
室長補佐:藤本 正典(内線6543)
担当:木村,村山(内線6578)