報道発表資料
環境省では、昨年秋の北陸地方を中心に発生したツキノワグマの大量出没について、その要因を探るとともに、今後の対策の方向について検討するため、昨年10月に標記調査に着手しました。このたび
[1]北陸地方の大量出没にはブナの不作の影響があったと考えられたこと
[2]里地里山がクマの好適な生息地になりつつある可能性があること
[3]集落周辺に放置されたカキなどの果実や生ゴミなどが誘因になった可能性があること
等を内容とする調査結果が報告書としてまとまりましたので、その概要をお知ら
せいたします。3. | 今後の対策の方向 | |
報告書においては、大量出没対策として、以下の取組を提言している。 | ||
(1) | 保護管理の総合的な取組 | |
保護管理計画の作成、クマの生息状況や生息環境のモニタリングの実施、大量出没予報に係るシステムの構築により、総合的な保護管理への取組を進めることが重要である。 | ||
(2) | 誘因環境の改善による出没の抑制 | |
里地里山の整備、集落等への出没ルートの遮断、草地の刈り払い、集落等における生ゴミや放棄果樹の適正な処理等によりクマの出没を抑制することが必要である。 | ||
(3) | 出没時対策 | |
住民へ正確な情報を伝える広報体制の整備及び普及啓発の実施、出没時の対応体制整備及び危険予防・捕獲管理のための人材育成が重要である。 | ||
(4) | 広域保護管理体制の整備 | |
県をまたがる広域保護管理体制の整備を検討することが必要である。 |
4. | 検討会委員 |
本調査報告を取りまとめるために、以下の4名の有識者に調査結果の解析及び今後の対応の方向に係る検討を依頼した。 | |
○検討委員(五十音順) 青井 俊樹 (岩手大学農学部) 大井 徹 (独立行政法人 森林総合研究所関西支所) 高柳 敦 (京都大学農学部) 箕口 秀夫 (新潟大学農学部) |
自然環境・自然公園 報告書
ツキノワグマの大量出没に関する調査報告書
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課
課長 :名執 芳博 (6460)
鳥獣保護業務室
室長 :瀬戸 宣久 (6470)
室長補佐:大賀 雅司 (6472)
担当 :横山 昌太郎(6473)