報道発表資料

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2005年06月01日
  • 地球環境

「国連森林フォーラム(UNFF)第5回会合及び閣僚級会合」の開催結果について

5月16日(月)から27日(金)まで、国連本部(ニューヨーク)において、国連森林フォーラム(UNFF)第5回会合及び閣僚級会合が開催され、国連加盟国100か国以上のほか、森林に関連する多数の国際機関・条約事務局、NGO、産業界、先住民社会等からの参加がありました。
 今次会合では、法的拘束力のある枠組み(森林条約)を含む森林に関する今後の国際的枠組みの在り方について取りまとめること等の議論がなされるとともに、25日(水)及び26日(木)に開かれた閣僚級会合において、「世界の森林の復旧・復興」、「森林法の施行及びガバナンス」等について議論が行われました。我が国からは、西村地球環境問題担当大使を始め、環境省、林野庁が出席しました。
  1. 会議の概要  
    (1)開催期間及び場所
    第5回会合 2005年5月16日(月)~5月27日(金)
    閣僚級会合 2005年5月25日(水)~5月26日(木)
    開催場所 ニューヨーク(国連本部)

    (2)今回会合の主な検討事項
     UNFFのこれまでの実効性を総括・評価した上で、法的拘束力のある枠組み(森林条約)を含む森林に関する今後の国際的枠組みの在り方について取りまとめ及び閣僚級会合における政策対話の実施

    (3)我が国からの出席について
     今次会合には、我が国から環境省、外務省、林野庁が参加。このうち、閣僚級会合には、西村地球環境問題担当大使のほか、環境省の竹本大臣官房審議官、林野庁が出席した。


  2. 成果
    (1)事務レベル会合について
    [1] 森林・林業分野に対する政治的関心や社会全体の支持の促進、具体的な行動の推進などの観点から、各国とも何らかの国際的枠組みは必要との認識を共有していることを確認した。
    [2] 新たな国際的枠組みは、実効性を高める観点から、世界レベル及び地域レベル双方の枠組みを活用する方向で各国の考えがほぼ一致した。
    [3] しかしながら、具体的な国際的枠組みについては、法的拘束力のあるものとするか否か、数値及び期限を含む目標設定を行うか否かなどについて、各国の意見の隔たりが大きく、今次会合中では合意に至らなかった。
    [4] このため、2006年2月13日から24日にUNFF6会合を開催して合意を目指すことを決定した。


    (2)閣僚級会合について
     「世界の森林の復旧・復興」、「森林法の施行及びガバナンス」、「将来の国際 的枠組み」について議論が行われ、これらに関する我が国の考え方を積極的に述べるとともに、将来の国際的枠組みについては、違法伐採対策など焦点を絞って議論を進めていくべきとの提案を行った。


    (3)その他
     今次会合中、我が国を始め、米国、オーストラリア、中国など多数の国が違法伐 採対策の重要性について言及するとともに、アジア地域、欧州・北アジア地域等に おいて違法伐採問題に対する取組を推進している「森林法の施行及びガバナンス」 (FLEG)プロセス注)に関する非公式協議やサイドイベントが開催されるなど、 違法伐採問題に対する国際社会の関心の高さが窺えた。
    (注) 「森林法の施行及びガバナンス」(FLEG)プロセス
    森林の違法伐採と関連する貿易の汚職や犯罪に対し、森林関連法規を効果的に施行していくための地域活動。2001年に東アジア地域で、2003年にはアフリカ地域でそれぞれ会合が開催された。今年度はロシアにおいて欧州・北アジア地域の会合が開催される予定。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長   :荒井 真一(6740)
 課長補佐:松本 信二(6744)
 担当   :久保井 喬(6747)