報道発表資料

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2005年03月08日
  • 地球環境

環境保護に関する南極条約議定書に基づきイギリスから送付された「ブラント棚氷のハリーVI研究基地の建設及び運営計画案に係る包括的環境影響評価書案」の公表及び意見の募集について

環境保護に関する南極条約議定書に基づき、同議定書締約国が南極地域において、環境影響が一定程度以上となるおそれがある活動を行おうとする場合には、包括的な環境影響評価書の案を作成し、意見を求めるために他の締約国に送付することとされ、送付を受けた締約国は、これを公表することとされています。
今般、イギリス政府から、イギリス南極研究所が実施するブラント棚氷のハリーVI研究基地の建設及び運営計画案に係る包括的環境影響評価書案が送付されましたので、これを公表するとともに、当該評価書案に対する意見を募集します。
  1. 環境保護に関する南極条約議定書に基づく包括的環境評価書案について
     環境保護に関する南極条約議定書(以下「議定書」という。)は、南極の環境並びにこれに依存し及び関連する生態系を包括的に保護するため、1991年に採択され、1998年に発効しました。
     議定書では、南極条約地域(南緯60度以南の地域)における科学的観測活動を含むすべての活動について、環境への影響の程度に応じて環境評価を行うことが規定されており、活動の影響が軽微な又は一時的な影響を上回るおそれがあると判断された場合には、包括的環境評価書を作成することとされています。
     包括的な環境評価書案を作成した場合には、議定書附属書 I 第3条3に基づき、これを公表し、すべての締約国に対し意見を求めるために送付することとされている。送付を受けた締約国においては、これを公表し、当該締約国に対し意見を送付することができるとされています。
     その後、当該締約国は各当該締約国は、締約国の意見、南極条約協議国会議環境保護委員会の助言及び南極条約協議国会議(平成17年は6月にスウェーデンで開催予定。)において提出された意見を反映させた最終的な包括的環境影響評価書を作成した後、当該評価書に従い、活動が実施されることとなります。

  2. 包括的環境影響評価書案の概要について
     イギリス政府から、イギリス南極研究所が実施するハリーVI研究基地の建設及び運営に係る包括的環境影響評価書案が送付されたので、以下のとおり公表します。また、当該評価書案に対する我が国の意見を作成、提出するに当たり参考とするため、意見を募集します。

    (1) 表題
    ブラント棚氷のハリーVI研究基地の建設及び運営計画案に係る包括的環境影響評価 書案
    (2) 作成者
    イギリス南極研究所
    (3) 当該活動の目的
    既存のハリーV研究基地が今後10年以内に棚氷の崩壊に巻き込まれ、破壊されて使用できなくなる可能性が高いと予想されるため、新規にハリーVI研究基地を建設、運営するものです。
    (4) 環境影響評価の対象となる活動
    南極地域ウェッデル海に面したブラント氷棚上におけるハリーVI研究基地の建設及び運営(南緯75度37分西経26度6分)を対象とします。なお、既存のハリー?基地は、2008年12月まで運営した後、撤去される予定ですが、それについては、別途環境影響評価書を作成する予定とされています。
    (5) 環境影響評価の概要
    本活動について、代替案を検討するとともに、大気、氷雪、海洋、野生生物等に対する影響を評価した結果、環境への影響は軽微かつ一時的なものであり、これらの活動を実施して差し支えないと結論付けられています。
    (6) 詳細について
    1)包括的環境影響評価書案の本文(英語)
    イギリス南極研究所ホームページ(http://www.antarctica.ac.uk/halleyvi/cee.html)を参照。
    2)包括的環境影響評価書案の概要(日本語、環境省作成)
    別添を参照。

 [御意見募集要項]

  1. 意見募集対象
    ブラント棚氷上におけるハリーVI研究基地の建設及び運営に係る環境影響評価書案

  2. 意見募集期間
    平成17年3月8日(火)~平成17年4月6日(水)

  3. 意見提出方法
    (意見提出用紙)の様式により、以下に掲げるいずれかの方法で提出してください。
    (1) 郵送
    (2) ファックス
    (3) 電子メール
    (意見提出用紙)
    [宛先] 環境省地球環境局環境保全対策課 あて
    [氏名] (企業・団体の場合は、企業・団体名、部署名及び担当者名)
    [郵便番号・住所]
    [電話番号]
    [ファックス番号]
    [意見]
    意見内容及び理由
    基地の計画の実施に当たり、環境保護の観点から、留意すべき事項等を具体的に記述してください。
    使用言語は英語とし、それを翻訳した日本語も併せて記載してください。

    ※ 電話での意見提出はお受けしかねますので、あらかじめ御了承ください。

  4. 意見提出先
    環境省地球環境局環境保全対策課 あて
    ○郵送の場合 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
    ○ファックスの場合 03-3581-3348
    ○電子メールの場合 antarctic@env.go.jp


  5. 資料の入手の方法
    英語版本文については、イギリス南極研究所ホームページ(2.(6)参照)から直接入手可能であり、また、日本語概要版については、環境省ホームページから入手可能です。
    また、両資料は、地球環境局環境保全対策課においても配布します。
    郵送により入手を希望する場合は、返送先を宛名に明記し、390円切手を貼付した返信用封筒(角2形)を別の封筒に入れ、意見提出先まで送付ください。

(別添)ブラント棚氷のハリーVI 研究基地の建設及び運営計画案に係る包括的環境影響評価書案の概要について [PDF 272KB]

連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長: 荒井 真一(内6740)
 課長補佐: 田中 紀彦 (内6741)
 担当: 桝 厚生(内6747)

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