報道発表資料
まず、午前中に公式会合が開催され、午後は、AGBMの非公式会合として、議定書のエレメントについてこれまでに意見の提出があった13カ国からそれぞれ意見の要点を説明し、会場からの質疑を受けるラウンドテーブル・ディスカッションを行いさらに6時から、IPCCが最近まとめた対策の在り方に関するテクニカルペーパーの説明と質疑応答を行った。
なお、現地10日には、午前中に政策措置について、午後には、数量化された排出削減・抑制目的(QELROS)について議論が行われ、午後6時から、附属書I国の対策の強化に伴い非附属書I国に生じるインパクトについてのワークショップが開催される予定である。
1.AGBM公式会合
冒頭、エストラーダ議長から、ここ数日の間に、ロシア、日本、ニュージーランドから意見が提出されたので、事務局文書として配布する旨の紹介が行われた。また、特別にボーリンIPCC議長より挨拶があった。
その後、アジェンダの採択等の後、今後のAGBM等のスケジュールが、以下の通り報告された。
来年2~3月 SBSTA/SBI 2月24日~ AGBM6 2月28日~ 3月 6日 7~8月 SBSTA/SBI 7月28日~ 7月31日 AGBM7 8月 1日~ 8月 7日 10月 AGBM8 10月27日~10月31日 COP3 12月 1日~12月12日
(なお、エストラーダ議長から、COP3の大臣会合は、会期の中間段階で実施する旨発言があった。)
2.AGBM非公式会合
(議定書案のエレメントについての各国意見についての ラウンドテーブル・ディスカッション)
AGBM副議長のスパビット氏(タイ)の議事進行の下、標記の会合が開催された。なお、非公式会合であったが、NGO等も出席でき、会場は満員となった。
各国の提案に関する発言は、全部で13カ国からあったが、その概要とそれに対する主な反応は、参考に掲げるとおりである。我が国は4番目に発言を行い、これに対して、以下の3カ国からコメントがあった。
- EU(アイルランド)
政策措置について、規定上は拘束性があるように見えるが、実質的に拘束性がないのではないか。拘束性を持たせるのであれば、EU提案のように、各国が協調しないと導入できない政策について、拘束性を持たせるべきではないか。
→ 我が国より、日本はメニューアプローチの立場に立つ旨返答。 - マレーシア
日本提案のようにフレキシブルな案では温暖化を防げるか不明であり、温暖化して被害が生じたときの保険のような規定を議定書に設けたらどうか。
→ 我が国より、今回の措置は、実現性のあるものであって、着実な効果が期待できるものである旨返答。 - 米国
一人当たり排出量目標のpトンと総排出量目標の削減率q%の間には何らかの関係があるのか。
→ 我が国より、p、qの値については現時点で想定されておらず、数字はネゴシエーションの対象である旨返答。
各国の発言及び質疑応答の後、議長より、今日のラウンドテーブルは情報共有化のためのものであり、結論は敢えて求めず、AGBMへの報告も行わない旨述べられ、散会した。
3.IPCCの政策措置に関するテクニカルペーパーについてのワークショップ
18時20分から、各国代表及びNGOオブザーバーなどが参加し、テクニカルサポートの専門家によるIPCCテクニカルペーパーの説明を聴取した。質問は、比較的に低調であったので、引き続き、ワトソン氏(IPCC新議長)が到着後に、別途セッションを開く可能性を検討することとし、19時40分に散会した。
[参考]非公式会合における各国の発言の概要とそれに対する主な反応(発表順)
国 名 | 発 言 の 概 要 | 主 な 反 応 |
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オーストラリア |
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ガンビア |
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アイルランド (EU代表) |
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ニュージーランド |
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ノルウェイ |
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国 名 | 発 言 の 概 要 | 主 な 反 応 |
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ロシア |
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西サモア (AOSIS代表) |
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サウジアラビア |
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スイス |
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イギリス |
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米国 |
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ザイール |
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(注)AOSISは、他国の提案に対するコメントとして、フレキシビリティを確保することは否定しないが、チェックの確実性が犠牲にさせてはならないこと、緩和対策と同様に適応対策が重視されるべきこと、差異化の議論ゆえに国際合意が遅らされてはならないことを指摘した。
- 連絡先
- 環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課 長:小林 光 (6740)
調査官:小林 正明(6760)
補 佐:清瀬 和彦(6758)
温暖化国際対策推進室
室 長:鈴木 克徳(6741)
担 当:奥山 祐矢(6739)