報道発表資料

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2004年11月29日
  • 地球環境

第10回北東アジア環境協力高級事務レベル会議の結果について

11月24日から26日に沖縄県那覇市で第10回北東アジア環境協力プログラム(NEASPEC;The North-East Asian Sub-regional Programme of Environmental Cooperation)の高級事務レベル会議が開催されました。会議では、来年から新たに北東アジアにおいて自然環境保全プロジェクトを開始することが合意されたほか、今後、本地域で持続可能な経済成長を実現していくための政策の在り方について検討を行っていくこととされました。
 また、24日のオープニングセッションにおいて、小池環境大臣が開会の挨拶を行いました。

1.目的

 本会議は、北東アジア地域の6か国が、地域協力が不可欠な地球規模及び地域の環境問題について、協力の枠組みを検討するとともに、環境問題に関する意見交換等を通じて国際的理解の増進を図ることを目的としている。

2.開催者

主催/国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)
共催/環境省、外務省

3.参加国・機関

中国、日本、モンゴル、韓国、ESCAP、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行

4.主な成果

 本会議では、24日の開会に当たり、小池環境大臣が開会の挨拶を行い、北東アジア地域での国際環境協力の一層の進展に対する期待を表明した。また、竹本環境省大臣官房審議官が議長として議事進行に当たった。会議の主な成果は以下のとおり。

(1)自然環境保全プロジェクト
 北東アジアで危機に瀕している大型ネコ科動物及び重要な渡り鳥の保全を進めるため、当地域における専門家のネットワークを構築するとともに、具体的な保全対策等を定める行動計画の策定を行う新規プロジェクトを来年から開始することが合意された。
 
(2)石炭火力発電所からの大気汚染対策プロジェクト
 これまでアジア開発銀行の資金により本地域で実施されてきた技術協力プロジェクトについて後継プロジェクトを形成していくことが決定された。具体的内容としては、各国による対策技術の選択を支援する大気環境予測モデルの開発、各国の発電所での研修に携わる指導者の養成等が想定されている。
 
(3)黄砂問題
 本地域における黄砂問題の重要性を再確認し、現在ADBと地球環境ファシリティ(GEF)の資金により実施されているプロジェクトの成果を踏まえて、黄砂のモニタリング体制の整備等を更に進めていく意欲が参加各国から示された。
 
(4)北東アジアにおける新たな課題
 本地域が世界で最も経済成長の著しい地域であることを踏まえ、今後、環境効率性の改善、環境技術、持続可能な消費パターン等、環境面から持続可能な経済成長を実現するための政策の在り方について検討を行っていくこととされた。
 
(5)今後の予定
 2005年の次回会合について、韓国が開催の意向を表明し、歓迎された。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課環境協力室
室長:田中 聡志(6760)
 補佐:関谷 毅史(6761)
 担当:八元  綾 (6767)