報道発表資料
本年9月に中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会に報告した「新・生物多様性国家戦略の実施状況の点検結果(第2回)」を踏まえ、中央環境審議会から生物多様性の観点から今後の施策の方向について、意見を得ましたのでお知らせします。
経緯
- 新・生物多様性国家戦略の実施状況の点検結果(第2回)
この点検は、平成15年3月の新・生物多様性国家戦略の策定から平成16年7月までに実施した施策を関係省庁が自主的に点検し、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議(9省で構成:事務局は環境省自然環境局)が取りまとめたものです。(なお、点検結果の取りまとめに当たっては、平成16年7月から8月にかけて国民各層の意見を聴きました。)
点検結果の概要及び本文については、資料2及び環境省のホームページをご覧ください。 - 中央環境審議会における審議
平成16年9月14日(火)及び10月12日(火)の2回にわたり、中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会において、新・生物多様性国家戦略に基づく関係省庁の施策の進捗状況について、生物多様性の観点から検討がなされました。
これを踏まえ、11月10日(水)付けで中央環境審議会から環境大臣に対し、今後の施策の方向に関して[1]点検の方法、[2]新・生物多様性国家戦略の普及啓発、[3]地域における取組の推進、[4]次期国家戦略に係る意見が出されました。
中央環境審議会の意見は、次のとおりです。また、自然環境・野生生物合同部会の審議の概要等については、資料1、資料2及び環境省のホームページをご覧ください。
【今後の施策の方向に係る中央環境審議会意見】(1) 点検の方法 第1回目の点検から、第2回目の点検にかけて、数値を用いて具体的な評価を試みていること、自治体、企業、民間団体等の取り組みを記述していることなど内容的には充実しているが、次回点検では、自治体の取り組みにどのような問題があって、どのような効果が出ているのか、国としてこれをどう支援するのか等の点を盛り込んでいただきたい。
(2) 新・生物多様性国家戦略の普及啓発 「生物多様性」及び「生物多様性国家戦略」という言葉について、それぞれ約30%、約6.5%の認識にとどまるということが明らかになったが、言葉の理解を期待するだけでなく、具体的な認識を高める戦略が必要である。その際、生物多様性を認識する前提として、自然とのふれあい、自然に対する実体験が重要であるという観点や、必ずしも生物多様性国家戦略のテーマだけでなく、戦略に盛り込まれている具体的なことについて認識され、具体的な行動につながるという観点も重要である。
また、生物多様性国家戦略というのは、ネーミングとして堅く、一般向けに理解されやすいサブタイトル、名称などを工夫することが必要である。
さらに、各自治体も、生物多様性の確保のための取り組みに対して努力をしているが、国家戦略の存在を知らない場合も多く、自治体に対する普及啓発も強化すべきである。
一方で、これだけの人が認識していることとして積極的に評価すべき面もあり、世の中が動きつつあるという手応えのもと、良い事例になるモデルをつくり、普及啓発を進めることも重要である。
(3) 地域における取組の推進 地域の取り組みに対しては、専門家が関わる体制づくりや、地域におけるコーディネーターの機能の強化といったことが重要である。このため人材育成の強化が必要である。
(4) 次期国家戦略 5年ごとに、生物多様性国家戦略を作り替えることについては、必要性も含め慎重な議論が必要である。しかし、様々な状況の変化などを考えると、丸ごと作り変えるのではなくともリフォームは必要である。
また、戦略の効果的な実施については、現国家戦略では一番最後に記述されているが、次回は、この部分に力を入れるべきである。 - 今後の施策の方向に係る意見への対応
今後、生物多様性に関して普及啓発の実施を予定するなど、今回の中央環境審議会の意見を踏まえて、新・生物多様性国家戦略の実施とその点検を的確に行います。
[添付資料]
資料1 | 中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会「新・生物多様性国家戦略の実施状況の点検結果(第2回)」の審議において提出された意見の概要 [PDF 13KB] |
資料2 | 新・生物多様性国家戦略の実施状況の点検結果(第2回)概要 [PDF 32KB] |
添付資料
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課
課長: 黒田大三郎 (6430)
課長補佐: 佐藤 寿延 (6435)
担当: 立田理一郎 (6437)