報道発表資料

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2004年10月15日
  • 自然環境

ワシントン条約第13回締約国会議の結果について

 10月2日(土)から14日(木)まで、バンコク(タイ)にてワシントン条約第13回締約国会議が開催されました。今回の締約国会議において決定された主な事項は以下のとおりです。

  1. 常設委員会

     会期中に開催されたアジア地域会合において、わが国は、マレーシア(留任)及び中国(再選)とともに、新地域代表に選出された。

     
  2. アフリカゾウ

    (1)ナミビア提案
      ナミビア産の革と毛製品の商業的取引及び伝統的象牙加工品の非商業的取引が認められた。第12回締約国会議(COP12、2002年11月)で承認された一度限りの象牙輸出(10 t)の1年後以降、年間2000 kgの未加工象牙の輸出割当を設定することについては、否決された。

    (2)南アフリカ提案
      南アフリカ産の革製品の商業的取引について認められた。

    (3)ケニア提案
      [1]附属書I掲載のアフリカゾウを附属書IIに移行する改正提案については、COP12で承認された一度限りの取引後6年間は行わないこと、[2]附属書II掲載のアフリカゾウの象牙の輸出割当については、COP12で承認された一度限りの取引後20年間はゼロとする等の提案がケニアから提出されたが、否決された。

    注)アフリカゾウについては、1989年より国際取引が禁止されていたが、1997年のCOP10において南部アフリカ(ボツワナ、ナミビア及びジンバブエ)の個体群が附属書IIに格下げされ、1999年にこれらの国から日本への一度限りの象牙の試験的輸入が実施された。その後COP12において、ボツワナ、ナミビア、南アフリカの各個体群について、一定の条件を満たした場合に一度限りの輸出を可能とすることが認められたが、各種条件が整っていないため、まだ輸出は行われていない。

     
  3. その他

    (1)ミンククジラ(日本提案)
      北半球のミンククジラ(オホーツク・西太平洋系群、北東大西洋群及び北大西洋中央部系群)について、附属書Iから附属書IIに格下げする提案を行ったが、否決された。

    (2)コバタン(インドネシア提案)
      附属書IIから附属書Iに掲載する提案が採択された。

    (3)フジイロボウシインコ(メキシコ提案)
      附属書IIから附属書Iに掲載する提案が採択された。

    (4)クモノスガメ(マダガスカル提案)
      附属書IIから附属書Iに掲載する提案が採択された。

    (5)ニシクイガメ、ムツイタガメ、インドシナオオスッポン、スッポンモドキ、マコードナガクビガメ(米国・インドネシア共同提案)
      附属書IIに掲載する提案が採択された。

    (6)メガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)(フィジー・アイルランド(EU代表)・米国共同提案)
      附属書IIに掲載する提案が採択された。

    (7)アジアのイチイ類(中国・米国共同提案)
      附属書IIに掲載する提案が採択された(人工栽培した苗木を除く)。

    (8)ラミン(インドネシア提案)
      附属書IIに掲載する提案が採択された。

 ※ ワシントン条約附属書について
  附属書I 現在、取引の影響による絶滅のおそれが高く、商業的な国際取引が原則として禁止されている動植物種のリスト。
  附属書II 現在は取引の影響による絶滅のおそれは高くないが、将来的にそうした懸念があり、輸出国の許可証がないと商業的国際取引ができない動植物種のリスト。
附属書の改正については、10月15日から起算して90日目の2005年1月12日に効力が生ずる。新たに附属書Iに掲げられた種については、その時点から「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく国内取引規制の対象とする予定。
連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長 :名執 芳博(6460)
 担当 :阪口 法明(6462)
    :守分 紀子(6468)