報道発表資料

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1996年11月26日

自然環境保全審議会自然公園部会小委員会の開催について(山陰海岸国立公園の公園区域及び公園計画の一部変更等に係る諮問)

環境庁は,11月19日(火)付けで自然環境保全審議会(山崎 圭 会長)に対し、山陰海岸国立公園の公園区域及び公園計画の一部変更等について諮問を行った。
 本件諮問については,11月26日(火)に開催される同審議会自然公園部会(日下部 甲太郎 委員長)において審議される,同日付けで答申される予定。

諮問事項

 1    諮問第14号 山陰海岸国立公園の公園区域及び公園計画の一部変更について自然公園法(昭和32年法律第161号)第11条第1項及び第13条第1項に基づくもの
 (資料1参照)
 2    諮問第15号 国立公園事業の決定,変更及び廃止について自然公園法第12条第1項及び第13条第1項に基づくもの
 (資料2参照)

自然環境保全審議会での審議

 自然環境保全審議会自然公園部会小委員会では,自然公園に関する諮問のうち,国立公園又は国定公園の公園区域及び公園計画の軽微な変更並びに国立公園事業の決定等について審議することとなっている。上記案件については,11月26日(火)午後2時30分より開催される同小委員会において審議される予定。


資料1

山陰海岸国立公園の公園区域及び公園計画の一部変更案の概要

〈これまでの経緯〉

昭和30年 6月   山陰海岸国定公園として指定
昭和38年 7月   山陰海岸国立公園として指定(山陰海岸国定公園解除)
平成 2年 4月   公園区域及び公園計画の全般的な見直し(再検討)の実施

〈公園の概要〉

区   域  東は京都府の網野海岸から西は鳥取県の鳥取砂丘までの延長75kmに及ぶ海岸線が中心
景観の特長   海岸の大部分は山地が直接海に接する沈降海岸で海食崖・海食洞・岩礁などが著しく発達し,一部には海食で生じた砂や河口から運ばれた砂が砂浜を形成
動植物    大部分が二次林で自然林は島や岬の先端部などに限られるが,砂丘では飛砂・酷暑に耐えられる特有な植物も見られ,海鳥類がよく観察できる。
 また,海中公園地区では起伏に富む海中地形や海藻類の群落が特筆
利用形態   ドライブ・遊覧船による海岸景観の観賞,海水浴,味覚探訪などが主なもので,年間利用者数は約841万人(平成6年)

〈変更の概要〉

 平成2年4月の公園区域及び公園計画の見直し以降の公園を取り巻く諸情勢の変化を踏まえ,公園区域及び公園計画の一部変更(第1次点検)を行い,適切な保護及び利用を推進しようとするものである。

1.公園区域の変更
(1)拡張

なし。

(2)削除

(5ヶ所   1ha)

公園区域(海域)の内,公園区域外の陸域の地先海域が埋め立てられて陸地化し,公園として資質が失われたものを公園区域(海域)から削除するもの(4ヶ所)。
公園区域の明確化にともなうもの(1ヶ所 1ha)
2.保護計画の変更
(1)保護規制計画
公園区域の明確化にともなうもの(第2種特別地域→公園区域外1ヶ所 1ha)
地域地区別(単位:ha)
  特 保 第1種 第2種 第3種
現 行 582 321 4,631 3,030
  ( 6.6%) ( 3.7%) ( 52.7%) ( 34.5%)
変更後 582 321 4,630 3,030
  ( 6.6%) ( 3.7%) ( 52.7%) ( 34.5%)
  小 計 普 通 陸域合計 海中公園
現 行 8,564 221 8,785 67.2
  ( 97.5%) ( 2.5%) (100.0%) 6箇所
変更後 8,563 221 8,784 67.2
  ( 97.5%) ( 2.5%) (100.0%) 6箇所

※なお,現行の陸域の公園面積には,再検討後,陸域公園区域地先海面の埋立により海域普通地域が陸域普通地域化したものを含む(2ヶ所:22ha)。

(2)保護施設計画

丹後砂丘,鳥取砂丘の砂丘植生等の衰退や踏み荒らしが見られるため,植生の復元を図る。
・追加 2ヶ所(植生復元施設2)

3.利用計画の変更

海や砂丘の自然とのふれあいを深めるために,当該地域の主要な利用拠点である竹野,鳥取砂丘等の集団施設地区計画の見直しを行うとともに,園地,野営場等を追加するなど所要の変更を行う。

(1)集団施設地区

・変 更  4ヶ所(竹野,今子浦,浦富,鳥取砂丘)

(2)単独施設

・追 加  9ヶ所(園地4,野営場4,駐車場1)

・削 除  3ヶ所(水泳場3)

(3)道 路

・変 更  3路線(車道1,歩道2)


資料2

国立公園事業の決定、変更及び廃止案件の概要

大雪山国立公園等16国立公園において、計139件の国立公園事業の決定、変更及び廃止を行おうとするものである。

(注)国立公園事業の決定;国立公園計画に基づき執行される事業について、

1.対象国立公園

大雪山、支笏洞爺、十和田八幡平、陸中海岸、磐梯朝日、日光、上信越高原、小笠原、富士箱根伊豆、中部山岳、白山、南アルプス、大山隠岐、瀬戸内海、西海及び阿蘇くじゅう国立公園(16公園)

2.案件数

 (1)公園事業の決定 28件
 (2)公園事業の変更 92件
 (3)公園事業の廃止 19件
          合計 139件
このうち、
 (1)公園事業の決定  4件
 (2)公園事業の変更 70件
 (3)公園事業の廃止 19件
          合計  93件
については、大雪山及び富士箱根伊豆国立公園の公園計画の変更に伴い、既定の事業決定の形式的な変更を行うものであり、新たな整備を伴うものではない。

<公園事業の決定案件のうち主なもの>
  • 富士箱根伊豆国立公園船津博物展示施設(ビジターセンターの建て替え整備)
  • 大山隠岐国立公園中蒜山登山線道路(歩道)(歩道、標識等の新設)
連絡先
環境庁自然保護局国立公園課
課長 下  均   (内線6440)
 担当 長岡,田村 (内線6489)
     小沢,伊藤 (内線6444)
 TEL:直通03-3581-3004