報道発表資料

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2004年04月01日
  • 自然環境

自然公園法施行規則の一部を改正する省令の施行等について

 国立・国定公園特別地域内における風力発電施設の設置に関する審査基準の明確化等を図るため、自然公園法施行規則の一部を改正する省令を平成16年3月29日に公布し、4月1日より施行することとなったのでお知らせします。
 あわせて、2月17日から3月15日までの間、本省令案に対する国民の皆様からのご意見を募集した結果について取りまとめたので公表します。
  1. 経緯
     近年の新エネルギー導入促進施策の拡大等の社会的動向を反映して、各地で急速に風力発電の導入が進みつつあり、国立・国定公園内においても風力発電施設の設置に関する取扱方針を明確にする必要性が高まっていました。これを踏まえて、環境省においては平成15年8月より関係分野の専門家から成る検討会を設置し、主要な論点の整理、検討を行った結果、平成16年2月に「国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関する基本的考え方」(以下「基本的考え方」という。)を取りまとめました。 今回、この「基本的考え方」の内容を受け、風力発電施設の新築、改築及び増築に関する許可の審査基準を新たに定めること等を内容とする自然公園法施行規則(省令)の一部改正を行うものです。

  2. 主な改正の内容
     現在、国立・国定公園特別地域(特別保護地区及び海中公園地区を含む)内における風力発電施設の設置については、自然公園法施行規則第11条第12項等に規定された審査基準により許可の可否の判断を行っています。今回、審査基準の明確化を図るため、新たに風力発電施設の新築、改築及び増築に関する基準を以下のとおり策定し、自然公園法施行規則第11条に規定することとしました。
  3. [1] 以下の規定の例によること。ただし、学術研究その他公益上必要であり、かつ、申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められる風力発電施設の新築、改築又は増築については、この限りでない。
    一. 次に掲げる地域内において行われるものでないこと。
    特別保護地区、第1種特別地域又は海中公園地区
    第2種特別地域又は第3種特別地域のうち、植生の復元が困難な地域等(次に掲げる地域であって、その全部若しくは一部について文化財保護法(昭和25年法律第214号)第69条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の指定若しくは同法第70条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の仮指定がされていること又は学術調査の結果等により、特別保護地区又は第1種特別地域に準ずる取扱いが現に行われ、又は行われることが必要であると認められるものをいう。)であるもの
    ・高山帯、亜高山帯、風衝地、湿原等植生の復元が困難な地域
    ・野生動植物の生息地又は生育地として重要な地域
    ・地形若しくは地質が特異である地域又は特異な自然の現象が生じている地域
    ・優れた天然林又は学術的価値を有する人工林の地域
    二. 当該風力発電施設が主要な展望地(注)から展望する場合の著しい妨げにならないものであること。
    (注) 利用者の展望の用に供するための園地、広場、休憩所、展望施設のほか、公園事業たる道路(駐車場も含む。)のうち利用者の展望の用にも供せられている区間も含まれる。
    三. 当該風力発電施設が山稜線を分断する等眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと。
    [2] 当該風力発電施設の色彩又は形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと。
    [3] 当該風力発電施設の撤去に関する計画が定められており、かつ、当該風力発電施設を撤去した後に跡地の整理を適切に行うこととされているものであること。
    [4] 当該風力発電施設に係る土地の形状を変更する規模が必要最小限であると認められること。
    [5] 支障木の伐採が僅少であること。
    [6] 野生動植物の生息又は生育上その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないものであること。
     なお、改正省令第11条第33項に規定のある各行為共通の基準については従来ど おり適用されます。また、当該審査基準の考え方及び運用方針については、別添資料 (「国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関する基本的考え方)」に 示されているとおりです。
  4. 省令案に対する国民からの意見募集の結果
     本省令の案について本年2月17日から3月15日までの間、国民の皆様からの意見 募集を行ったところ、その結果は以下のとおりです。
    (1) 意見提出数       23通
    内訳
    郵送等
    1通
    ファクス
    2通
    電子メール
    20通
     
    個人
    17通
    団体 省庁・地方公共団体
    5通
    業界団体
    1通
     
    (2) 整理した意見の総数   47件
    (3) 意見の概要及び対応方針について
    資料1のとおり
  5. 施行期日等
     改正省令の施行期日は平成16年4月1日です。 
     なお、当該基準には経過措置が置かれており、施行日前に申請がされた行為について、施行日以降に行為の許可又は不許可の処分を行う場合には従前の基準が適用されます。
  6. 資料1: 自然公園法施行規則に追加する風力発電施設に係る審査基準に対する意見の概要と対応方針について [PDFファイル 18KB]
    資料2: 国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関する基本的考え方の概要 [PDFファイル 26KB]
    資料3: 国立・国定公園内における風力発電施設設置のあり方に関する基本的考え方 [PDFファイル 264KB]

添付資料

連絡先
環境省自然環境局国立公園課
課長     笹岡 達男 (6440)
 課長補佐  牛場 雅己 (6442)
 専門官    中島 尚子 (6438)

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