報道発表資料

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2004年03月30日
  • 自然環境

京都府の高病原性鳥インフルエンザ発生地における野生鳥類のウイルス検査の結果について

高病原性鳥インフルエンザ発生地で捕獲・採取した野生鳥類の検体について、鳥取大学でウイルス検査を行っていましたが、既に「全ての検体で陰性」との結果が判明した山口県、大分県分に続き、京都府分も検査が完了し、「全ての検体で高病原性鳥インフルエンザウィルスは不検出」との結果が判明しました。

 国内での鶏等に係る高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、科学技術振興調整費を活用して実施している「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」により、山口県・大分県・京都府の各発生地周辺で野生鳥類を捕獲するとともに、水鳥等の糞を採取し、鳥取大学において鳥インフルエンザウイルス保有の有無に関する検査を進めてきました。このうち山口県分及び大分県分については、これまでに「全ての検体で陰性」との結果が出ていました。

 京都府分については、これまでに判明した範囲では高病原性鳥インフルエンザウイルスは検出されておりませんでしたが、継続して検査中であった一部の検体(カラス糞59検体分)においてもウイルスは検出されませんでした。

 これにより、「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」により行われた野鳥ウイルス検査の結果では、国内の3発生地とも、野鳥からの高病原性鳥インフルエンザの検出はなかったことになります。



1.京都府における調査の経緯

2月20日頃~ 京都府・丹波町の養鶏場で、多数の鶏死亡。
2月26日 府から農水省に連絡。28日、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された。(国内発生3例目)
3月1日 環境省職員を派遣し、発生地周辺の概況調査。
3月3日 上記養鶏場から5km離れた養鶏場で、死亡鶏の簡易検査で陽性。5日、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された。(国内発生4例目)
3月6~11日 自然環境研究センターが、鳥取大学が行うウイルス検査のため、野鳥21種102羽、カモ類及びカラスの糞97検体を採取。
3月15日~18日 自然環境研究センターが、周辺野鳥生息状況の詳細調査。同時に鳥取大学が行うウイルス検査のためカラスの糞59検体を採取。

2.京都府での調査の野鳥検体と検査結果

検体の種類、野鳥名
検査結果
捕獲した
野鳥から
の検体
渡り鳥 ジョウビタキ
3羽
陰性
マミチャジナイ
1羽
陰性
シロハラ
7羽
陰性
ツグミ
18羽
陰性
カシラダカ
1羽
陰性
アトリ
4羽
陰性
準渡り鳥 ルリビタキ
10羽
陰性
トラツグミ
1羽
陰性
アオジ
11羽
陰性
ウグイス
8羽
陰性
カワラヒワ
1羽
陰性
ベニマシコ
1羽
陰性
留鳥 コジュケイ
1羽
陰性
アカゲラ
1羽
陰性
ヒヨドリ
15羽
陰性
モズ
3羽
陰性
エナガ
2羽
陰性
シジュウカラ
5羽
陰性
メジロ
1羽
陰性
ホオジロ
5羽
陰性
カケス
3羽
陰性
合計 102羽
カモ類の糞
49
陰性
陽性(低病原性)
カラスの糞
106
陰性
注)[1] 本表の「渡り鳥」とは、日本で見られる個体のほぼ全てが海外から渡来する種を、「準渡り鳥」とは、日本で見られる個体の中に海外から渡来するものが一部含まれる種を示す。
[2]
陰性とは、検体及び血清抗体ともにインフルエンザウイルスが検出されなかったことを示す。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:名執 芳博(6460)
環境省自然環境局鳥獣保護業務室
直通:5521-8285
 室長:  渡辺  聡(6470)
 専門官:中澤 圭一(6473)
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課
直通:6734-4106
 課長: 戸谷 一夫(4360)
 補佐: 原  克彦(4364)

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