報道発表資料

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2004年03月05日
  • 保健対策

「いわゆるPRTR法対象物質に対応する化学物質分析法一覧」の作成について

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(いわゆるPRTR法)が平成11年に制定され、354の第一種指定化学物質について環境中への排出量等の報告が平成14年度より事業者に義務づけられた。これらの化学物質の分析法の多くは公定法が定められていない。環境省は、これらの物質について一般環境中における分析法として現状において活用可能なものをとりまとめてホームページ上に公開したので報告する。
  1. ホームページへの掲載

     「いわゆるPRTR法対象物質に対応する化学物質分析法一覧」を、次の環境省ホームページアドレスに掲載した。
    ホームページアドレス:https://www.env.go.jp/chemi/anzen/prtr/index.html

  2. 背景及び経緯

     PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)とは、人の健康や動植物への有害性のある化学物質について、その環境中への排出量及び廃棄物中に含まれて事業所の外に移動する量を事業者が自ら把握して国に報告し、国は事業者からの報告や統計資料等を用いた推計に基づき対象化学物質の環境への排出量等を把握、集計し、公表する仕組みをいい、我が国では平成11年に制定された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(いわゆるPRTR法)により、PRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)が導入され、法に基づき定められた第一種指定化学物質(354物質)については、平成14年度より事業者による排出量等の届出が開始され、平成15年3月には集計結果の第1回公表、また、個別事業所の情報の開示請求の手続が開始された。
    また、これら第一種指定化学物質については、自治体が独自に環境調査を実施しているが、多くの物質について一般環境中における分析法が公定法に定められていない現状にある。
     一方、環境省では、「化学物質環境汚染実態調査(通称:黒本調査)」(環境保健部環境安全課:旧環境保健部保健調査室)を昭和49年から実施し、新規に調査する物質についてはその分析法を開発して調査を実施しており、これまでにおよそ2800に及ぶ媒体別の物質数の分析法を開発してきている。また、これ以外にも、「要調査項目情報収集等調査」(水環境部企画課:旧水質保全局水質管理課)、「地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査」(環境管理局大気環境課:旧大気保全局大気規制課)等の実施にあたって分析法が開発されている。
      今般、既存の分析法を感度、精度及び使用機器等の観点から評価・検討し、現状において活用可能な一般環境中におけるPRTR法に定められた第一種指定化学物質の多く(水質中で220物質等)について、その分析法を一覧としてとりまとめた。
    一般環境中とは、排出源と予想される地点以外の都市、郊外、島嶼、山地、河川等を示し、このような場所では化学物質は一般的に低濃度であるため、高感度な分析法が求められる。
     
  3. 内容
    (1)  活用した分析法
       「化学物質環境汚染実態調査(通称:黒本調査)」において開発された分析法を中心に、他に「要調査項目情報収集等調査」、「地方公共団体等における有害大気汚染物質モニタリング調査」等の環境省における化学物質の環境調査の実施にあたって開発された分析法を活用し、米国環境保護庁(EPA)のAIR TOXIC METHODSも参考とした。
      (主な分析法報告書)
      化学物質分析法開発調査報告書(環境保健部環境安全課)
      「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定マニュアル(水質、底質、水生生物)」(環境庁水質保全局水質管理課)
      「要調査項目等調査マニュアル(水質、底質、水生生物)」(環境庁水質保全局水質管理課)
      「昭和57年度大気中化学物質分析法開発調査報告書」(環境庁環境保健部保健調査室)
      「有害大気汚染物質測定方法マニュアル」(環境庁大気保全局大気規制課)
      「排出ガス中の指定物質の測定方法マニュアル」(環境庁大気保全局大気規制課)
      「TO-11(1999)」、「TO-14(1999)」、「TO-15(1999)」、「TO-17(1999)」(EPA)等
    (2) 媒体別分析法数
      水質:220物質
      底質:183物質
      生物:124物質
      大気:131物質
    (3) 分析法一覧掲載項目
      政令番号・化学物質名
      分析法出典
      分析法概要
     
  4. 活用方法

     都道府県等がPRTR制度等に係わる化学物質の環境調査のために分析手法として活用が可能であるとともに、事業者、NGO及び研究者等が、一般環境中において自ら化学物質の環境調査を実施する際の参考として活用されることが期待される。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課課長   :安達 一彦
専門官 : 中嶋 徳弥(6361)
 調査係長: 榎本 康敬(6355)

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