平成16年2月9日(月)~13日(金)まで、英国(ロンドン)の国際海事機関(IMO)において、船舶のバラスト水管理に関する国際 会議が開催され、会議最終日(13日)に「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」が採択されました。
1.会議の概要
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日程 : |
平成16年2月9日(月)~13日(金) |
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我が国からの出席者 : |
環境省、国土交通省、その他関係者 計17名 |
2.採択された条約の概要は以下のとおり。
(1) |
目的 |
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船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理を通じて、有害な水生生物及び病原体の移動による環境、人の健康、財産、資源への危険を防ぐこと。 |
(2) |
対象船舶 |
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他国の管轄する水域への航海に従事する船舶(ただし、バラスト水を積載しない船舶、軍艦などを除く。) |
(3) |
主な規制内容 |
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[1] |
バラスト水規制基準の遵守義務 |
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船舶の建造日及びバラスト水タンクの容量に応じ、一定期間は「バラスト水交換基準※1」または「バラスト水処理基準」のいずれか、その後には「バラスト水処理基準」を遵守することを義務付け※2。 |
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※1 |
可能な限り陸地から200海里以遠200m以上の水深の海域、ただし、例外として前記海域で交換不可能な船舶については、50海里以遠200m以上の水深の海域において、体積ベースで95%以上の海水交換を行うこと。 |
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※2 |
例えば2012年以降に建造されるタンク容量5000立方メートル以上の船舶はバラスト水処理基準を満たすこと。 |
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◆バラスト水処理基準
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基準 |
備考 |
動物プランクトン |
10/1m3 |
外洋のおよそ1/100
程度 |
植物プランクトン |
10/1ml |
細菌 |
コレラ菌 |
1/100ml |
海水浴場並み |
大腸菌 |
250/100ml |
腸球菌 |
100/100ml |
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[2] |
検査 |
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総トン数400トン以上の船舶は、その構造、設備等について、旗国の検査を受けなければならない。 |
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[3] |
港国での監督 |
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寄港国は、船舶に対するバラスト水管理記録簿等の確認及び国際海事機関(IMO)ガイドラインに従ったバラスト水のサンプリングを行う権限を持つ。 |
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[4] |
モニタリング |
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締約国はバラスト水管理の実行及び影響をモニタリングする。 |
(4) |
発効要件 |
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30カ国が批准し、かつそれらの合計商船船腹量が世界の35%以上となった日の12ヶ月後に発効。 |
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長 荒井 真一(内線6740)
補佐 水野 理(内線6741)
係長 長崎 孝俊(内線6746)
担当 中田有宇子(内線6746)