報道発表資料

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2004年02月06日
  • 地球環境

砂漠化対処条約専門家グループ・アジア地域メンバー会合の結果について

環境省は、砂漠化対処条約の専門家グループ(GoE)のアジア地域メンバーや、海外の専門家等を招き、砂漠化対処条約事務局と共同で、2月3日(火)から5日(木)まで「砂漠化対処条約専門家グループ・アジア地域メンバー会合」を開催しました。
 本会合では、アジア地域における砂漠化の基準・指標、モニタリング・評価、早期警戒等について議論がなされ、「アジアにおける国別調査票の作成」、「干ばつと砂漠化の早期警戒体制についてのパイロットスタディの実施」、「季節的な乾燥指数の概念の検討」等を含む議長サマリーが採択されました。

会合の概要

(1) 日時   平成16年2月3日(火)~5日(木)
 
(2) 場所   東京大学大学院農学生命科学研究科 会議室

(3) 出席者
 
 砂漠化対処条約専門家グループ・アジア地域メンバー、中国、モンゴル等の専門家、条約事務局等のほか、オブザーバーとしてタイ、サウジアラビア、パキスタン、カザフスタン、イタリア等が出席した(計12か国、約40名)。
 なお、議長は、専門家グループ・アジア地域メンバーである武内東京大学教授が務めた。

(4) 会合の主な成果
 
   本会合では、「GoEの作業計画とアジア地域からのインプット」、「砂漠化の基準・指標及びモニタリング・評価に関する知見の統合化」、「GoEとアジア地域のTPN※の活動の連携強化」、「アジア地域における早期警戒体制のパイロットスタディ」の4つの議題について議論が行われた。
 それらの議論を踏まえ採択された議長サマリーの主要点は、以下のとおりである。
 
   2006年に開催される条約実施レビュー委員会に向けて、アジアにおける各国の砂漠化等の状況を統一的に調べるための国別調査票を作成するに当たり、アフリカにおける国別調査票の作成で得られた経験を踏まえつつ、過去に生じた変化を示すための時系列的な分析を行うことが奨励される。
 
   砂漠化及び土地劣化の原因を理解するために重要な社会経済に関する基準・指標を、さらに精緻化する必要がある。また、現地レベルでの持続可能性の基準も、検討するべきである。
 
   干ばつの早期警戒体制と砂漠化の早期警戒体制の連携の可能性を探るためのパイロットスタディを実施するべきである。
 
   会合中に提案された北東アジアにおける早期警戒体制のパ イロットスタディは、干ばつ、砂漠化及び黄砂を統合的に捉え、モニタリング、評価及び対策を連結した包括的なアプローチを促進するものであり、それへの支援が求められる。
 
   GoEは、次回会合において、雨期・乾期の存在する地域も考慮した「季節的な乾燥指数」の概念を検討するべきである。

 
   なお、本会合の結果は、次回GoE会合及び第7回締約国会議(2005年)において開催される科学技術委員会に提出される。

 
   TPNとはテーマ別プログラムネットワークのこと。
     アジア地域ではTPN1~6の取組があり、我が国はTPN1(ホスト国:中国、テーマ:砂漠化のモニタリングと評価)及びTPN5(ホスト国:モンゴル、テーマ:干ばつの影響緩和と砂漠化の制御のための能力強化)に参加している。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長:荒井 真一(6740)
 補佐:松本 康裕(6744)