報道発表資料

この記事を印刷
2003年11月27日
  • 再生循環

物質フロー会計及び資源生産性に関する国際専門家会合の結果について

 11月25日(火)、26日(水)、物質フロー会計及び資源生産性に関する国際専門家会合が東京・三田共用会議所において開催され、物質フロー会計及び資源生産性に関する国際的、地域的及び国内的取組についてレビューが行われるとともに、これらに関する今後の重点課題、共同研究の内容等について検討が行われた。
 会合の結果、物質フロー会計に関する国際共同研究等については、「今後OECDを中心として進めていくことが望まれる」旨参加者から概ねの賛同が得られた。なお、本会合の結果については、来月パリで開催されるOECDのWGEIO(環境情報アウトルック作業部会)の場で日本から報告する予定。

会合の概要

1. 日時 平成15年11月25日(火)~26日(水)
2. 場所 三田共用会議所 国際会議室
3. 出席者 10カ国(オーストラリア、オーストリア、カナダ、中国、フランス、イタリア、日本、韓国、イギリス、米国)、3国際機関(EEA(欧州環境庁)、OECD(経済協力 開発機構)、UNEP(国連環境計画))、自治体(愛知県)、企業(トヨタ)及び国内外の研究機関等(WRI(世界資源研究所)、ヴッパタール研究所、国立環境研究所、産業技術総合研究所、大学)
4. 会議の概要 :
   各国、国際機関等から、物質フロー会計及び資源生産性に関する取組を紹介するとともに、物質フロー会計及び資源生産性に関する今後の重点課題、共同研究の内容等について検討を行った。
   物質フロー会計の政策利用や技術的課題に関する主だった意見、議論は以下のとおり。
     物質フロー会計を個別の環境問題に結びつけてデータを分割すべき、日本の物質フロー会計のように包括的に捉えるべき、との二つの意見が寄せられた。
     政策立案者や企業など物質フロー会計のユーザーに対し、その有用性を理解してもらうため、ユーザーとのコミュニケーションが必要。
     物質フロー会計を用いた分析により、国際貿易による環境負荷の移転が示唆されており、これを的確に反映した指標やこれを支援するデータ整備の検討も必要。
 なお、我が国の循環基本計画に関し、同計画において数値目標を設定していることについて海外の参加者から高い関心が寄せられた。
   国際共同研究など物質フロー会計に関する活動(研究や利用、その促進等)については、他にも積極的な提案が幾つも出されたが、「今後OECDを中心として進めていくことが望まれる」旨、参加者から概ねの賛同が得られた。
   環境省としては、今回の会合の結果について、12月17-18日にパリで開催されるOECDのWGEIO(環境情報アウトルック作業部会)の場で報告し、OECDへのインプットとすることとしている。

〔参考〕

物質フロー会計 :
   天然資源の投入量、廃棄物の発生量、最終処分量や循環利用量など経済社会における物質の流れを把握するマクロ会計で、資源生産性を算出する前提となるもの。
資源生産性 :
   国内総生産額(GDP)を天然資源等投入量で除した値。より少ない資源でどれだけ大きな豊かさを生み出しているかを表す指標。
連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課
循環型社会推進室
 室長  :仁井正夫(6811)
 室長補佐:明石健吾(6820)
 担当  :平塚二朗(6817)